外国人に伝わりやすい話し方のコツ

「明日、空いてる?」
この表現、日本人ならすぐに意味が分かりますよね。しかし、日本語を母語としない人にとっては非常に分かりにくい言い方です。皆さんも日本にいる外国人と話す時、なかなか伝わらず困ってしまうことはありませんか。
簡単な内容なのにうまく伝わらない、その原因は何なのでしょうか。日本語だけでより円滑なコミュニケーションが取れる方法を考えてみましょう。

 

①主語を明確にする

私たちは普段、無意識に主語を省略している場合が多いです。「明日、空いてる?」という言い方を例に考えてみると、日本語の会話に慣れていない外国人にとっては何が「空いてる」のか、あるいはそれが自分への質問なのかどうかさえわからないということが予想できます。

より伝わりやすくするには、「私は〜」「〇〇さんは〜」のように主語を明確にするといいでしょう。

 

②シンプルな言葉を選ぶ

相手の日本語レベルに応じて、言葉の選び方を変える必要があります。初級のレベルであれば、できるだけシンプルで直接的な表現がいいでしょう。

例えば、「空いてる?」という表現は短いですがとても複雑です。
「あく」という部分だけでいくつかの意味があり、「ドアが開く」でも「席が空く」でもなく「空いている=時間がある」という表現を知らなければ正しく理解できません。この場合、シンプルに「時間がありますか/ある?」という表現なら伝わりやすいでしょう。

 

③省略や音の変化に気付く

私たちが会話で使っている日本語の中には、一部の音が省略されている言葉があります。「空いてる」という例をとってみても、友達との会話なら「空いてる」、文章の場合は「空いている」など、私たちは無意識に話し言葉と書き言葉を使い分けています。

他にも「置いておいて」を「置いといて」と言ったり、「電車来た」のように助詞を省略するなど、外国人が初級の段階では勉強しない省略や音の変化が日常会話の中には溢れています。自分が普段使っている言葉を振り返ってみて省略や音の変化に気付くことができれば、うまく伝わらない場合に言い換えることもできますね。

 

以上のポイントを踏まえると、冒頭の「明日、空いてる?」は「〇〇さんは明日時間がありますか/ある?」と言い換えることができます。

一見簡単そうに思える短い文の中にも、外国人にとっては複雑な要素が数多く含まれています。相手のレベルに応じて話し方を変えることができれば、よりコミュニケーションの幅が広がるでしょう。