【実践編】外国人に伝わる日本語「やさしい日本語」って?

前回やさしい日本語に関する基礎知識をご紹介しました。 今回は実践編、いよいよ実際のやさしい日本語を学んでみましょう。これを学んでいただけば、きっと会社にいる外国人とのコミュニケーションに役に立つはずです。

「やさしい日本語」を話すための、3つの要素はこちらです。

では一つずつ見ていきましょう。

 

【単文で話す】

以下の文を見てください。

・昨日佐藤さんに会ったんだけど、忙しそうだった!

 

こちらの文、日本人にとっては自然でよくある表現だと思います。
しかし、この文には、①昨日佐藤さんに会った②忙しそうだったという2つの情報が入っています。これを1つずつ分けて話すのが「単文化」です。では早速やってみましょう。

・昨日佐藤さんに会った。忙しそうだった。

 

これだけです!「会ったんだけど」の接続部分がなくなるだけで、シンプルになりますね。

 

ではもう一つ

・駅に着いたら、電話してください。

一見簡単な文ですが、もっと簡潔にしてみましょう。

・駅に着きます。電話してください。

 

つまり、文と文を接続している部分を、ハサミでちょきっと切るようなイメージです。

 

他にも、形容詞で名詞を修飾する文がありますね。

・あの大きなカバンを持った男性が見えますか。

こちらはまず名詞を言って、それから付随する情報を追加します。

・あの男性が見えますか。大きなカバンを持っています。

 

この単文化は基本中の基本です。少しコツはいりますが、慣れてくればスラスラと話すことができます。

 

【「です・ます」で話す】

外国人が日本語を勉強するとき、通常「です・ます調」から学ぶのが一般的です。そのため、日本語のタメ口は非常に難しく聞こえてしまいますし、日本人があえて丁寧にいっているような遠回しな表現もかえって難易度を上げているのです。

そこで、語尾を基本的に「です・ます」で終わらせると意識してみてください。「〜てください」という表現も比較的簡単なので使っても大丈夫です。

・電車が遅れちゃった電車が遅れました。

・そこの書類捨てといてそこの書類を捨ててください。

・田中さんどこか知ってる?田中さんはどこですか。知っていますか。

 

少々ニュアンスが変わってしまう部分もありますが、「です・ます」で話していれば外国人が混乱するようなことはなくなるでしょう。

 

【和語で話す】

まず、漢語と和語の違いを見てみましょう。

 

漢語:起床 和語:起きます

漢語:開始 和語:始めます

漢語:調査 和語:調べます

 

このように、日本人なら日常的に使用している漢語も、外国人にとっては非常に難易度が高いものです。これを和語に言い換えるだけで、「やさしい日本語」が完成します。

例えば、

・そこの書類を記入してくださいそこの書類を書いてください

日本人から見れば小さな違いではありますが、外国人にとっては、理解できるかできないか、大きな分かれ道になることは間違いありません。


いかがでしたか。以外にも簡単な条件で、やさしい日本語を話すことができますよね。

他にも、オノマトペや外来語を言わないようにしたり、あえてジェスチャーを大きくするもの大事な要素です。

このやさしい日本語をより多くの日本人が知ることで、少しずつ外国人に歩み寄れる世の中になっていくのではないでしょうか。まずは身近な外国人の方と話す時、今回の内容を意識してみてください!