【準備編】外国人に伝わる日本語「やさしい日本語」って?

外国人と日本語を話すとき、「言いたいことがうまく伝わらない!」という経験はありませんか。ゆっくり、はっきり話しているつもりなのに・・・なぜかうまく伝わらない。これは、仕事などで外国人と接する機会のある人にとって、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
では、日本語がよく話せない外国人と、スムーズにコミュニケーションをとる方法はあるのでしょうか。彼らの母語を学んでみたり、通訳を雇ったり。どれもあまり現実的ではありませんね。
今回、このような「外国人に日本語が伝わらない」問題を解決すべく、「やさしい日本語」を紹介します。
「やさしい日本語」とは、“普通の日本語よりもやさしく、外国人に伝わりやすい日本語”のことです。仕事で外国人と関わる方にとって、覚えていて損はない内容です。
今回は準備編です。「やさしい日本語」の話し方については、実践編をご覧ください!

【やさしい日本語とは】

「やさしい日本語」が生まれたきっかけは、今から26年前の阪神淡路大震災です。阪神淡路大震災では、日本人の死亡率に比べ、外国人の死亡率は2倍、負傷率はさらに高かったそうです。これは圧倒的な「情報不足」によるもので、日本語が堪能でない外国人は、震災時に日本語で情報を取得するのが困難だったからと言われています。

そこで、言語学の専門家たちによる研究の末、多くの外国人に伝えるためには、【英語でも中国語でもなく、日本語をやさしくしよう】と考えられました。そして後に、この「やさしい日本語」が誕生したのです。このやさしい日本語誕生以降、自治体で発信される文章にふりがながつけられたり、NHKが外国人向けに、やさしい日本語で書かれたニュースなどを発信したりしています。
※参照「NEWS WEB EASY

 

 

【外国人と話すということ】

では、今回はまず本題に入る前に、「外国語を話すということ」を考えてみましょう。普段、日本語以外の外国語を使用している人、あるいは勉強中の人には理解しやすいことだと思いますが、この「外国語を話す」というのは、想像以上に疲れたり、緊張したり、ストレスを感じるものです。

中学校から最低でも6年間英語を学んでいる私たちですが、欧米の社会に放り込まれたらどうでしょうか。自信を持って英語を話したり、難なく一人で生活できるでしょうか。

このように、日本語を母語とする私たちが話すのと、日本語を第二言語として話す外国人とでは、エネルギーの消費がまるで違います。外国人と話す際、私たちが率先して日本語をコントロールする「配慮」が大切です。まずはこのことを念頭に起き、外国人と日本語で話す準備をしましょう。

 

【知っておきたい日本語の特徴】

「日本語は難しい」という話を聞いたことがあると思います。
以下はアメリカ国務省による「外国語習得難易度ランキング」です。英語母語者にとってのランキングですが、日本はこの地図の中で最も難易度が高い言語とされています。

では日本語の難しさとは何でしょうか。「漢字があるから」「文字が多いから」というのは有名な話ですが、ここでは日本語の難しさをより具体的に説明してみます。

漢字

まずは何といっても漢字です。日本の常用漢字は2000字以上もあり、ただでさえ記号のような漢字を習得するのは容易ではありません。
さらに漢字には音読みと訓読みがあり、一つの漢字に複数の読み方があることも多く、外国人いとって最大の難関だと言えます。

 

主語の欠落

普段の会話を思い出してみると、頻繁に主語を省略しているのがわかります。英語やヨーロッパの言語は主語を省略できない文法になっているため、欧米の方が日本語を学ぶと、「誰が?何を?」といった主語の部分が曖昧で難しいそうです。

 

カタカナ語

英語の言葉だからわかりやすいのでは?と思うこのカタカナ語ですが、日本ではフランス語やドイツ語の言葉も多く、さらには「コンセント」(英語はoutlet)や「マフラー」(英語はscarf)といった和製英語が多いのも特徴です。

 

オノマトペ

日本のオノマトペは4~5000あると言われていて、他国に比べても非常に多いです。用途によっては便利なのですが、「ツルツル」「ツヤツヤ」など微妙な違いを汲み取るのは簡単ではありません。

 

複雑な敬語

仕事で日本語を使用する外国人を苦しめるのが敬語です。日本人にとっても難しいので、これは納得ですね。

丁寧語・尊敬語・謙譲語と種類が多い上に、これを使いこなすには、上下関係などの日本の文化的な面も理解しておく必要があるのです。


いかかでしたか。以上が基本的な「日本語の難しさ」です。普段使っている日本語の見方が少し変わったのではないでしょうか。

このように、まずは日本語の仕組みを知ることで、外国人と日本語を話す際の意識にも繋がります。

次回はやさしい日本語の実践編です!