外国人と働く際に、必ず知っておくべき宗教の違い

日本には多くのお寺や神社があり、その存在は世界的にも有名です。
しかし、日本人は無宗教の人が多く、意識的に宗教を信仰している人は非常に少ないですよね。

一方で、海外では特定の宗教を信仰することが当然だと思われている国が多くあります。

日本に住む外国人の中には、宗教の違いから不便さを感じたり、自身の宗教を理解してもらえないもどかしさを感じる人も少なくありません。

特に日本で働く外国人にとっては、多くの時間を過ごす勤務先で宗教の配慮がされているかどうかが非常に重要なポイントになります。

そこで今回は、2つの宗教を取り上げて、その特徴と配慮すべき点を見ていきたいと思います。

 

一つ目は、ヒンドゥー教です。ヒンドゥー教は、インドやネパール、スリランカ、バングラデシュなどで信仰されています。
ネパールは、在日外国人労働者の国別の割合で4位にランクインしており、近年技能実習生での来日も増加しています。

ではヒンドゥー教の特徴を見てみましょう。

 

食事面

牛肉を食べないというのは比較的有名な話ですが、他にも不浄な動物とされている豚をはじめ、肉類全般を避ける人が多いです。

また、魚類や卵を避けるヴィーガンに近い食事制限をしている人もいるため、食事提供の際には必ず確認が必要です。
特に、調味料やブイヨン、バターなど、動物性のものが使用されていないか注意しましょう。

 

左手の使用

ヒンドゥー教では、左手は不浄の手とされています。そのため、食事等の提供はもちろん、握手や物の受け渡しは右手で行うのが基本です。
こちらは後ほど紹介するイスラム教でも同様です。

次に紹介するのは、インドネシアやマレーシアで多く信仰されているイスラム教です。

インドネシアは、近年、技能実習生やEPA介護福祉士候補者などで来日する人口が増加している国の一つです。
そんなインドネシアで90%以上が信仰しているイスラム教の特徴を見てみましょう。

 

食事面

イスラム教の食事制限といえば、豚肉とアルコールです。
そのため、ヒンドゥー教と同じく、しっかりと原材料を確認する必要があります。
特に、日本の料理には醤油などの調味料をはじめ、アルコールが多く使われているので注意しましょう。

 

お祈り

イスラム教では1日に5回お祈りをします。礼拝のタイミングは太陽に位置によって決まり、1回の礼拝時間は10分弱です。
また、礼拝前には顔や手足を水で洗い清める必要があります。

最近では日本の空港やショッピングモールでも「礼拝室」を設ける施設が増えていますが、社内で特別な部屋を設けるのが難しい場合も、礼拝ができるスペースを確保してあげると、喜ばれます。

断食

1年に1ヶ月ほど、「ラマダン」と呼ばれる断食を行う時期があります。
完全に断食をするのではなく、太陽が出ている間は何も口にしてはいけません。
人間、当然食事を減らすと体力にも影響が出てくる為、この期間は体力面に配慮しておくと良いでしょう。

 

日本ではペットとしてかわいがられていますが、イスラム教では犬は不浄とされています。
犬の写真やぬいぐるみなどもあまり良く思われない場合があります。

 

異性との接触

イスラム教では、男女ともに肌の露出は好まれず、特に女性はヒジャブと呼ばれるスカーフで髪を隠し、肌が見えないような服装をしています。
また、異性との接触も避ける必要があるため、握手や軽いボディータッチなどでも注意が必要です。

 

いかがでしたか。今回紹介したヒンドゥー教やイスラム教の中でも、人によって信仰の仕方や度合いも違います。
一人一人の信仰の内容をしっかりと確認し、それに合った接し方や配慮を行っていくことで、外国人がより働きやすい環境を作ることができます。