2024年度の法改正により、技能実習制度が廃止され、2027年を目途に、新たに育成就労制度が創設される予定です。これに伴い「育成就労制度を利用して外国人材を採用したい」と検討する企業も増えています。
育成就労制度を利用して外国人材を雇用する際には、企業側から外国人材に対して日本語教育を提供することが必要です。今回は、育成就労制度を利用する際に必要な日本語教育の内容やポイントなどを紹介します。育成就労制度へ関心のある企業の経営者や人事・教育担当者の方はぜひ本記事を参照してください。
育成就労制度を利用する際は日本語教育を提供する必要がある
育成就労制度を利用する際には、次の場面で、企業側から外国人材に対して日本語教育の機会を提供することが重要となります。
- 在留資格「育成就労」から「特定技能」への移行に向けた日本語試験への合格
- 外国人材が受入れ機関に定着するための継続的な日本語学習
ここでは、育成就労制度で提供すべき日本語教育の内容について解説します。
在留資格「育成就労」を取得するには日本語試験への合格が必要
外国人材が在留資格「育成就労」を取得するためには、次の日本語要件のいずれかを満たす必要があります。
- 日本語能力試験(以降「JLPT」)N5レベル相当の試験に合格する
- JLPT N5の試験の合格に相当する日本語講習を受講する
2025年9月時点で、JLPT N5の試験の合格に相当する日本語講習は実施されていません。そのため、基本的にはJLPT N5の試験への合格が必要となります。
日本語初学者向けの試験ではあるものの、JLPT N5の試験の合格率は45〜50%と低いです。
在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するには日本語試験への合格が必要
外国人材が在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するには日本語試験への合格が必要です。
2025年9月現在、外国人材が在留資格「技能実習」から「特定技能」に移行する際には、技能実習2号を良好に修了するなど、一定の要件を満たした場合に日本語試験・技能試験などが免除されています。しかし、育成就労制度においては、技能実習制度のような免除要件が設置されない見込みです。
特定技能制度に移行するためには、次のいずれかの日本語試験に合格する必要があります。
- JLPTの 特定技能1号の各産業分野ごとに必要となるレベルの試験に合格する
- 国際交流基金日本語基礎テスト(以降、「JFT-Basic」)で判定基準点以上を取得する
JLPT およびJFT-Basicの合格率は30〜50%程度と低いため、合格するためにはしっかりとした試験対策が求められます。企業としては、外国人材が確実に合格できるよう、試験対策に必要な教材や教育機会を提供することが必要となります。
外国人材が受入れ機関に定着するには継続的な日本語教育が必要
在留資格「育成就労」の外国人材が企業に定着するためには、継続的な日本語教育が必要です。
技能実習制度とは異なり、育成就労制度においては限定的に外国人材の転職が認められています。そのため、企業や職場に対するエンゲージメントが低い状況が続くと、外国人材が離職してしまうリスクがあります。
国際人材協力機構が公開しているアンケート調査では、外国人材の日本語能力が高ければ高いほど、仕事への満足度が高くなる傾向があるという結果が出ています。日本語が上達することで、職場でのミスやトラブルが減り、同僚ともスムーズなやり取りができるようになることなどが理由として考えられます。
企業としては、外国人材の離職を防ぎ、職場に長く定着してもらえるよう、仕事に必要な日本語能力を高めることが重要となります。
参照元:「アンケート調査結果からみる外国人材の生活や仕事の満足感」 かけはし 2024.4 Vol.157 8‐9ページ(国際人材協力機構)
育成就労制度とは
育成就労制度とは、日本で人手不足となっている分野(以降「育成就労産業分野」)における人材の育成・確保を目的に、新設される予定の在留資格制度です。育成就労制度の創設に伴い、これまで発展途上国への技術移転による国際貢献を目的として運用されてきた技能実習制度は廃止されます。
育成就労制度を利用する外国人材は、育成就労産業分野に該当する企業で、原則として3年間にわたって就労します。外国人材には、3年間の就労を通じて、特定技能1号の在留資格の取得に必要な水準の技能を修得し、特定技能制度に移行することが求められます。育成就労制度と特定技能制度が一続きの制度としてつながることで、外国人材は日本でよりスムーズにキャリアを積み上げられるようになることが見込まれています。
ここでは、技能実習制度と育成就労制度の主な違いを解説します。
参照元:
技能実習制度と育成就労制度の主な違い
技能実習制度と育成就労制度の主な違いは、制度の目的にあります。
技能実習制度の目的は発展途上国に対して技能を移転することによる国際貢献の実現であるのに対して、育成就労制度では日本国内における人材の育成・確保が目的となっています。制度の目的が異なることにより、内容面でも次のような違いがあります。
- 日本語能力要件:育成就労制度においては外国人材の就労開始までに一定の日本語能力水準を満たす必要がある
- 特定技能試験の免除の有無:育成就労制度においては特定技能外国人になることを目指す全ての外国人材が日本語試験・技能試験などに合格しなければならない
- 転職の可否:育成就労制度では限定的に転職が認められている
- 前職要件・帰国後の業務従事要件:育成就労制度では前職要件や帰国後の業務従事要件が求められない
詳しい比較は下の表のとおりです。
項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
---|---|---|
制度の目的 | 技能移転による国際貢献 | 人材の育成・確保 |
日本語能力要件 | なし(介護分野を除く) | 原則JLPT N5レベル相当 |
技能要件 | なし | なし |
特定技能試験の免除の有無 | 要件を満たせば免除 | 免除なし |
転職の可否 | 原則として不可 | 限定的に可能 |
前職要件 | あり(団体監理型技能実習の場合) | なし |
帰国後の業務従事要件 | あり | なし |
在留資格「育成就労」を取得するために合格しなければならない日本語試験とは
外国人材が在留資格「育成就労」を取得するためには、基本的にJLPT N5レベル相当の試験に合格する必要があります。それでは、JLPT N5とはどのような試験なのでしょうか?
JLPTでは、難易度に応じてN5〜N1の5つのレベルに試験が分かれています。このうち、N5は「基本的な日本語をある程度理解することができる」レベルと設定されており、日本語をこれから学び始める外国人材向けの試験となっています。具体的には、日本語で「読む」「聞く」レベルについて、次のような水準と定義されています。
- 「読む」レベル:ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる
- 「聞く」レベル:教室や身のまわりなど日常生活の中でもよく出会う場面でゆっくり話される短い会話であれば必要な情報を聞き取ることができる
ここでは、在留資格「育成就労」を取得するために合格しなければならないJLPT N5の試験の詳しい内容を解説します。
JLPT N5の試験概要
JLPT N5の試験科目としては、「言語知識(文字・語彙)」「言語知識(文法)・読解」「聴解」の問題が出題されます。これらは日本語で「読む」「聞く」能力を確認する問題であり、「話す」「書く」能力を直接確認する試験科目はありません。
試験時間は科目別に分かれており、合計すると1時間30分となっています。
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
言語知識(文字・語彙) | 20分 |
言語知識(文法)・読解 | 40分 |
聴解 | 30分 |
JLPT N5で出題される大問・出題内容は下の表のとおりです。
試験科目 | 大問 | 出題内容 |
---|---|---|
言語知識(文字・語彙) | 漢字読み | 漢字で書かれた語の読み方 |
表記 | ひらがなで書かれた語が、漢字やカタカナでどのように書かれるか | |
文脈規定 | 文脈によって意味的に規定される語が何であるか | |
言い換え類義 | 出題される語や表現と意味的に近い語や表現 | |
言語知識(文法) | 文の文法1(文法形式の判断) | 文の内容に合った文法形式かどうかを判断することができるか |
文の文法2(文の組み立て) | 統語的に正しく、かつ、意味の通る文を組み立てることができるか | |
文章の文法 | 文章の流れに合った文かどうかを判断することができるか | |
読解 | 内容理解(短文) | 学習・生活・仕事に関連した話題・場面の、やさしく書き下ろした80字程度のテキストを読んで、内容が理解できるか |
内容理解(中文) | 日常的な話題・場面を題材にやさしく書き下ろした250字程度のテキストを読んで、内容が理解できるか | |
情報検索 | 案内やお知らせなど書き下ろした250字程度の情報素材の中から必要な情報を探し出すことができるか | |
聴解 | 課題理解 | 具体的な課題解決に必要な情報を聞き取り、次に何をするのが適当か理解できるか |
ポイント理解 | 事前に示されている聞くべきことを踏まえ、ポイントを絞って聞くことができるか | |
発話表現 | イラストを見ながら、状況説明を聞いて、適切な発話が選択できるか | |
即時応答 | 質問などの短い発話を聞いて、適切な応答が選択できるか |
参照元:
JLPT N5の合格率
JLPT N5の試験の合格率は45〜50%程度となっています。直近の試験における合格率のデータは下の表のとおりです。
実施回 | 受験者数(人) | 認定者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2023年第2回 | 63,037 | 29,418 | 46.7 |
2024年第1回 | 57,147 | 28,586 | 50.0 |
2024年第2回 | 69,400 | 34,344 | 49.5 |
JLPT N5は初心者向けの試験ではあるものの、外国人材にとって日本語を習得するのは難易度が高いこともあり、決して合格率が高い試験ではありません。N5の試験に合格するためには、一定の日本語学習が必要となります。
参照元:
JLPT N5に合格するために必要な日本語学習時間の目安
JLPT N5の試験に合格するためには、どの程度の期間にわたって日本語学習をする必要があるのでしょうか?
外国人材がJLPT N5の試験に合格するための標準的な学習時間はおよそ200時間程度となっています。1日あたり2時間程度の学習を継続した場合、学習期間の目安は3.3ヶ月程度となります。
個々の外国人材の日本語に関する知識量や学習スピードによっても学習期間は異なります。企業としては、外国人材の日本語能力や学習に充てられる時間などをあらかじめ把握した上で、適切な学習スケジュールを確保する必要があります。
在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するために合格しなければならない日本語試験とは
育成就労外国人は、将来的に在留資格「特定技能」に移行する必要があります。特定技能の在留資格を取得するためには、基本的にJLPT N4レベル以上の日本語試験に合格する必要があります。
JLPT N4の試験は、「基本的な日本語を理解することができる」レベルと設定されています。具体的には、日本語で「読む」「聞く」レベルについて、次のような水準と定義されています。
- 読むレベル:基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる
- 聞くレベル:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる
ここでは、在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するために合格する必要があるJLPT N4の試験の詳しい内容について解説します。
JLPT N4の試験概要
JLPT N4の試験科目は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」の3種類となっています。JLPT N5と同様に、「話す」「書く」能力を直接的に確認する問題は出題されません。
試験時間は科目別に分かれており、合計すると1時間55分となっています。
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
言語知識(文字・語彙) | 25分 |
言語知識(文法)・読解 | 55分 |
聴解 | 35分 |
JLPT N4で出題される大問・出題内容は下の表のとおりです。
試験科目 | 大問 | 出題内容 |
---|---|---|
言語知識(文字・語彙) | 漢字読み | 漢字で書かれた語の読み方 |
表記 | ひらがなで書かれた語が、漢字でどのように書かれるか | |
文脈規定 | 文脈によって意味的に規定される語が何であるか | |
言い換え類義 | 出題される語や表現と意味的に近い語や表現 | |
用法 | 出題語が文の中でどのように使われるのか | |
言語知識(文法) | 文の文法1(文法形式の判断) | 文の内容に合った文法形式かどうかを判断することができるか |
文の文法2(文の組み立て) | 統語的に正しく、かつ、意味の通る文を組み立てることができるか | |
文章の文法 | 文章の流れに合った文かどうかを判断することができるか | |
読解 | 内容理解(短文) | 学習・生活・仕事に関連した話題・場面の、やさしく書き下ろした100~200字程度のテキストを読んで、内容が理解できるか |
内容理解(中文) | 日常的な話題・場面を題材にやさしく書き下ろした450字程度のテキストを読んで、内容が理解できるか | |
情報検索 | 案内やお知らせなど書き下ろした400字程度の情報素材の中から必要な情報を探し出すことができるか | |
聴解 | 課題理解 | 具体的な課題解決に必要な情報を聞き取り、次に何をするのが適当か理解できるか |
ポイント理解 | 事前に示されている聞くべきことを踏まえ、ポイントを絞って聞くことができるか | |
発話表現 | イラストを見ながら、状況説明を聞いて、適切な発話が選択できるか | |
即時応答 | 質問などの短い発話を聞いて、適切な応答が選択できるか |
JLPT N4の合格率
JLPT N4の合格率は30〜40%程度となっています。直近の試験における合格率のデータは下の表のとおりです。
実施回 | 受験者数(人) | 認定者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2023年第2回 | 149,334 | 47,243 | 31.6 |
2024年第1回 | 157,053 | 64,207 | 40.9 |
2024年第2回 | 182,206 | 64,777 | 35.6 |
要求される日本語水準が高くなるため、JLPT N5よりも合格率が低くなっています。N4の試験に合格するためには、十分な学習期間を確保し、徹底的に試験対策に取り組むことが必要となります。
参照元:
JLPT N4に合格するために必要な日本語学習時間の目安
JLPT N4の試験に合格するための日本語学習時間の目安はどの程度なのでしょうか?
外国人材がJLPTのN4レベルに合格するためには、およそ350時間程度の学習時間が必要です。1日あたり2時間程度の学習を継続した場合、学習期間の目安は5.8ヶ月程度となります。
合格を確実なものにするためには、なるべく早い段階から日本語教育を開始し、継続的に試験対策に取り組んでもらうことが重要です。
在留資格「育成就労」で働く外国人材に提供すべき日本語教育とは
企業は、在留資格「育成就労」で働く外国人材に対してどのような日本語教育を提供する必要があるのでしょうか?ここでは育成就労制度を活用して働く外国人材に提供すべき日本語教育のポイントを解説します。
在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するための試験対策
一つ目は、在留資格「育成就労」から「特定技能」に移行するための試験対策です。
日本語は外国人にとって習得が難しい言語の一つです。前述のとおり、初学者向けの試験であるJLPT N5であっても、合格率は5割程度に留まっています。在留資格「特定技能」を取得するためには、JLPT N5よりも難易度の高いJLPT N4以上の試験に合格しなければなりません。
JLPT N4以上の試験に合格するためには、出題される範囲の語彙や文法などをマスターしたうえで、問題の形式に慣れる必要があります。外国人材が効率的に学習を進めるためには、企業側が試験対策に特化したテキストや問題集、オンライン教材などを提供することが重要です。
業界・業種ごとに必要なビジネス日本語の教育
二つ目は、業界・業種ごとに必要なビジネス日本語の教育です。
在留資格「育成就労」で働く外国人材が職場で活躍するためには、日常的なビジネスの場面で求められる日本語を使いこなす必要があります。業界・業種によって異なる専門用語や接客・電話対応の際の応答など、職場によって習得すべきビジネス日本語は異なります。
自社に特化した日本語を教える際には、外国人材向けに用語集や接客マニュアル、テンプレート文などを用意することがおすすめです。総合的なビジネスコミュニケーション力を鍛えたい場合は、プロの日本語講師とのレッスンや日本語学習教材などを活用することが効果的です。
日本での生活に必要な日本語教育
三つ目は、外国人材が日本で生活するために必要な日本語の教育です。
雇用する外国人材が日本での生活に慣れていない場合、買い物や公共交通機関の利用などがスムーズに進められず、トラブルが発生する可能性があります。
企業としては、外国人材が日本でスムーズに生活できるよう、日常会話に必要な日本語を教育することが求められます。日本での生活に必要な日常会話力を向上するためには、日本語学校や日本語教室などの日本語教育機関への通学やプロ講師との日本語レッスン、日本語学習教材を利用するのが効果的です。
在留資格「育成就労」で働く外国人材に日本語教育を実施する際の注意点
在留資格「育成就労」で働く外国人材に日本語教育を実施する際には、いくつか気をつけたい点があります。ここでは外国人材に日本語教育を実施する際の注意点を解説します。
- 外国人材に対する日本語教育をすべて内製化することは難しい
- 受入れ機関側が定期的に学習進捗を確認する
- JLPTに合格するにはバランスの良い教育を実施する
- 外国人材にとって続けやすい教材を選定する
外国人材に対する日本語教育をすべて内製化することは難しい
外国人材に対する日本語教育を、すべて社内で対応することは難しいです。
特定技能の在留資格を取得するためには、日本語試験に合格しなければなりません。日本語試験に合格するためには、徹底的な試験対策が必要となります。しかし、外国人材の採用に慣れていない企業には、日本語試験の対策に必要な知見やノウハウがありません。
加えて、外国人材の採用を検討している企業では教育担当者が複数の業務を兼任していることも多く、外国人材に対して必要な日本語教育を実行しきれない可能性が高いです。
社外の日本語教育機関や専門の日本語学習教材などを活用すれば、外国人材に対して効率的かつ上質な日本語教育を提供することができます。費用対効果の観点から、自社に特化した日本語については社内研修で教育し、試験対策や総合的な日本語能力の向上については外部に委託するのがおすすめです。
受入れ機関側が定期的に学習進捗を確認する
外国人材が継続的に日本語学習を進めるためには、企業側の担当者が定期的に学習進捗を確認することも重要です。
これから本格的に日本語を学習する外国人材は、学習する上でさまざまなところでつまずきます。日本語のネイティブスピーカーである日本人社員に囲まれて働く中で、外国人材から学習相談を持ちかけるのは難しいことがあります。
ひょんなことから日本語学習が停滞してしまうのを防ぐには、企業側の担当者が学習進捗を確認する機会を持ち、必要に応じて悩みや相談に乗ることが重要です。早期にトラブルを解消することで、外国人材がスムーズに学習を進めることができるようになります。
JLPTに合格するにはバランスの良い教育を実施する
JLPTの試験に合格するためには、次の両方の条件を満たす必要があります。
- 総合得点が合格点を超える
- 得点区分ごとの得点が基準点を超える
たとえば、「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」という得点区分で高い点数を取っていたとしても、「聴解」で基準点を下回る点数を取ってしまった場合は不合格となってしまいます。外国人材には、苦手科目を作らず、全ての科目で好成績が取れるように対策してもらう必要があります。
企業としては、外国人材が取り組んでいる問題集などの実践問題の正答率などを確認し、正答率が低い科目を潰し込むよう指導する必要があります。
明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」には、外国人材のレベルに合わせたコンテンツレコメンド機能があります。そのため、個々人の得意科目や苦手科目に合わせて、バランスの良い学びを提供することが可能です。
外国人材にとって続けやすい教材を選定する
継続的な日本語学習を実現するためには、日本語学習教材が外国人材にとって使いやすいかどうかも重要となります。
そもそも外国人材が慣れない日本での仕事や生活の中で、独力で日本語学習を続けるのはハードルが高いです。外国人材に過度な通学の負荷や時間的拘束を課してしまうと、ストレスやプレッシャーに繋がり、エンゲージメントが低下してしまうリスクもあります。
オンライン教材を活用すれば、移動の工数がかからず、スキマ時間で学ぶことができます。また、JLPT の試験対策については、外国人材の母国語で学べる教材を採用することも効果的です。
明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」なら、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末からも学ぶことが可能です。また、11ヶ国語に対応しているため、母国語を活用しながらスムーズに日本語学習を継続できます。
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明光グローバルの「Japany」には、JLPTの各レベルに合わせた学習コンテンツが搭載されています。加えて、業界・業種ごとに求められる日本語を学べるコンテンツも充実しており、一つのサービスで育成就労外国人に必要な日本語教育を完結することが可能です。
最後に、育成就労制度への移行に伴う日本語教育にお悩みの企業の経営者や人事・教育担当者の方に向けて、明光グローバルのサービスを紹介します。
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明光グローバルの主要サービス
事業 | サービス |
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人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能外国人やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
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さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
Japanyは「IT導入補助金2025」の対象ツールに採択されています。そのため、中小企業や小規模事業者がJapanyを導入する際、IT導入補助金の対象として採択・交付が決定された場合、導入費用の最大50%、150万円までの補助を受けることが可能です。教育コストをかけられない企業の方でも導入しやすいため、お気軽にお問い合わせください。
受講形態 | e-ラーニング |
対象者 | 企業に在籍する外国人籍社員・帰国子女など |
プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
受講期間 | コースによって異なる |
料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
Japanyの強み
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まとめ
育成就労制度を活用する際には、在留資格「育成就労」の取得や「特定技能」への移行、職場への定着など、さまざまな場面で日本語教育の機会提供が必要となります。これらの教育支援を自社で完結するのは、日本語教育に関する知見や人的リソースの面から難しいだけでなく、教育効果も期待しにくいです。
そのため、自社に特化した日本語は社内研修で対応し、試験対策や総合的な日本語能力の向上については専門家に委託するのがおすすめです。
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