日本語能力試験(JLPT)は日本語を学ぶ外国人材にとって重要な資格です。N5からN1までの5段階で構成され、それぞれのレベルが求める日本語能力の範囲は異なり、その難易度もさまざまです。
JLPTへの応募者は年々増えており、2023年の資格試験への応募者は140万人を超えました。日本語学習やJLPTのニーズが高まる一方で、「JLPTを受験したいがどのような対策をすれば良いかわからない」「外国人材のJLPT対策をサポートしたいが教え方がわからない」といった悩みを抱える人も増えているでしょう。
そこで今回は、次の内容を中心にJLPT対策のポイントを解説します。
- JLPTの試験範囲と難易度
- JLPT学習のポイント
- 試験分野毎の対策
JLPT対策に向けて、計画的な学習方法やリスニング力の向上法、読解・文法対策のコツを紹介します。外国人に特化したオンライン学習ツールの活用方法もお伝えするので、外国人材のスキルアップを目指している方は必見です。
本記事を読み進めることで、効果的なJLPT学習方法や、JPLT対策に役立つ有益な情報をインプットできるはずです。
日本語能力試験(JLPT)とは
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人々の日本語能力を評価するための試験です。世界各地で実施され、レベルは5段階に分けられています。
各受験者の日本語の運用能力を測るための標準となっており、JPLTの認定を得ることは日本語の語学力を証明することにもなります。日本の生活やビジネス環境における日本語の理解度を証明する手段としても広く利用されています。受験目的は人によってさまざまですが、就職や資格認定等に活用することができます。
N5からN1までの各レベルの試験範囲
JLPTはN5からN1までの5つのレベルに分かれており、それぞれ試験範囲が異なります。認定の目安にも違いがあるため、日本語能力のレベルによって受験するレベルを定めましょう。
たとえば、N5は初級者向けで、基本的な日常会話や簡単な表現を理解できるレベルです。対して、N1は最も難易度が高く、上級者向けの試験内容になっています。具体的には新聞記事や専門書の内容を理解できる程度の能力が求められます。
各レベルでは「読む」「聞く」それぞれの言語行動に基づいた試験設計になっています。具体的には、語彙・文法・リスニング・読解といった項目を通じて、幅広い日本語能力を評価します。
レベル毎の学習時間の目安は次のとおりです。
レベル | 学習時間の目安 | 仕事と並行して学習する場合の学習期間の目安※ |
---|---|---|
N5 | 200時間 | 3.3ヶ月 |
N4 | 350時間 | 5.8ヶ月 |
N3 | 500時間 | 8.3ヶ月 |
N2 | 650時間 | 10.8ヶ月 |
N1 | 750時間 | 12.5ヶ月 |
※仕事の前後に1日2時間の学習を継続した場合を想定
難易度の違いと受験の目安
JLPTの各レベルでは、日本語学習者の能力に応じた難易度設定がされています。日本語能力試験JLPTのホームページによると、認定の目安は下表のとおりです。
レベル | 認定の目安 |
N5 | 目安:基本的な日本語をある程度理解することができる。 読む ・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる。 聞く ・教室や、身の回りなど、日常生活の中でもよく出会う場面で、ゆっくり話される短い会話であれば、必要な情報を聞き取ることができる。 |
N4 | 目安:基本的な日本語を理解することができる。 読む ・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。 聞く ・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。 |
N3 | 目安:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。 読む ・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を、読んで理解することができる。 ・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。 ・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。 聞く ・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる。 |
N2 | 目安:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。 読む ・幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事・解説、平易な評論など、論旨が明快な文章を読んで文章の内容を理解することができる。 ・一般的な話題に関する読物を読んで、話の流れや表現意図を理解することができる。 聞く ・日常的な場面に加えて幅広い場面で、自然に近いスピードの、まとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりすることができる。 |
N1 | 目安:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる。 読む ・幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章などを読んで、文章の構成や内容を理解することができる。 ・さまざまな話題の内容に深みのある読物を読んで、話の流れや詳細な表現意図を理解することができる。 聞く ・幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる |
参照元:日本語能力試験JLPT
N5とN4は、主に日常生活で頻繁に見聞きする基本的な日本語をどれくらい理解できるかを測り、N2とN1では現実の生活の幅広い場面での日本語がどれくらい理解できるかを測っています。N3は、N2・N1とN5・N4の橋渡しレベルという目安で設定されています。
JLPT受験のメリット
外国人材がJLPTの資格を得ることにどのようなメリットがあるのでしょうか?
外国人材がJLPTの資格を得ると、以下のものにおけるメリットがあります。
- 就職
- ビザ申請
- 日本での日常生活
ここではそれぞれのメリットについて解説します。
就職におけるメリット
外国人材が日本企業に就職する際に、自身の語学力を証明する方法の一つがJLPTです。JLPTの資格を持っていると、外国人材にとって次のような場面でメリットがあります。
- 日本企業での採用や昇進で有利になる
- 職業選択の幅が広がる
特にN1やN2の資格は、多くの企業で高く評価され、日本語を必要とする業務において即戦力として活躍できることをアピールできます。外国人材にとっては、日本国内でのキャリア形成の幅が広がるというメリットがあります。
日本企業での採用や昇進で有利になる
日本の労働人口が減少傾向にあり、業種を問わず多くの企業が人手不足という課題に直面していることから、近年では日本企業の多くが外国人材の採用に力を入れ始めています。
日本企業が外国人材を採用するにあたって重要視する項目の一つが日本語能力です。企業が外国人材の日本語能力を測るために、入社時の選考や昇進・昇格判断の際に、JLPTの資格を参考とすることもあるでしょう。
特に、日本語での業務が中心となるポジションや、マネジメント業務を担うポジションにおいては、N2やN1レベルの日本語能力を求められることがあります。
加えて、外国人材がJLPTを活用して継続的な日本語学習を行い、日本語でのコミュニケーション能力が向上すれば、企業からの評価も自然と高まるでしょう。
職業選択の幅が広がる
JLPTの資格を取得すれば、外国人材は日本で多種多様な職業を選択することができます。特に、日本語力が求められる職種にチャレンジする際に有利になるでしょう。
JLPTのN1認定が受験資格になっている国家資格も数多くあります。たとえば、N1認定されると、次の資格を受験することができます。
- 医師
- 歯科医師
- 獣医師
- 看護師
- 薬剤師
- 歯科衛生士
- 作業療法士
- 臨床検査技師
外国人材が日本語能力を高めることで、日本で選択できる職業の種類が増え、自身のキャリアを豊かにすることが可能になります。
ビザ申請におけるメリット
外国人が日本で働くためのビザを取得する際、日本語の語学力は欠かせない要素です。その中で、JLPTは申請者の日本語能力を客観的に示せる重要な証明書となります。
特に、N2やN1レベルはビザ申請において大きなメリットとなり、その語学力が日本での職務遂行に十分であることを証明します。JLPTで認定されることは、ビザ申請の際に必要な書類の一つに含まれ、面接等においても有利に働くことがあります。
特定技能ビザ取得におけるJLPTの役割
特定技能ビザを取得するためには、日本語のコミュニケーション能力が求められます。JLPTはその能力を証明する資格でもあり、外国人を採用する多くの企業がJLPTで日本語能力を評価しています。
たとえば、在留資格「特定技能1号」を取得するためには、N4レベル以上であることと取得分野の技能についての試験に合格する必要があります。
また、在留資格「特定技能2号」を取得する際には、漁業分野と外食業分野においてN3以上の日本語能力試験に合格する必要があります。それ以外の業務区分については、日本語能力試験に関する条件はありません。
ただし、特定技能2号の業務を進めるうえでは、基本的にN2相当の日本語力が必要と考えられます。そのため、在留資格の取得にあたって日本語能力試験に関する条件がない場合にも、円滑に仕事を進めるためには継続的な学習が求められるでしょう。
特定技能人材には、企業で即戦力として働ける程度の日本語能力が求められます。JLPTは、日本語能力を証明する手段や、継続的なレベルアップの指標として、多くの特定技能人材に活用されています。
高度人材ビザ申請に必要な語学力証明
高度人材ビザの申請においては、高度な専門知識と技術だけでなく、優れた日本語能力も重要な要素です。JLPTは日本語能力の証明にもなり、申請者が日本語で専門的な業務を遂行できることを示すための説得力のある証拠となります。
このビザの取得には、ポイント制が採用されており、語学力はその一部を構成しています。JLPTのN1もしくはN2レベルで認定されれば特別加算として15点が加算されます。日本でのキャリア構築において非常に有利です。
参照元:高度人材ポイント制の加点対象となる日本語能力一覧(法務省)
日本での日常生活におけるメリット
JLPTの資格取得に向けて学習を重ねることで、日本での日常生活がより過ごしやすくなると考えられます。
JLPTの資格を得るためには、継続的なインプットが欠かせません。一方で、日本語能力を向上するためには、ただ座学で学ぶだけではなく、実際の日常生活で学んだ内容を使うことが必要です。
そのため、JLPT対策として新しく覚えた単語や熟語を、意図的に日本人との日常会話の中で使ってみることをおすすめします。もし使い方が間違っていれば、相手からフィードバックを受けられるため、より自然な用法を学ぶきっかけになるでしょう。
このように、JLPTの資格取得に向けた勉強を日常生活に取り込むことで、総合的な日本語能力の向上につながり、日常会話のレベルアップが目指せます。
また、外国人材がJLPTで高いレベルの資格を取得すると、日本人と接する際に、自信を持ってコミュニケーションをすることができます。自信を持って日本語で話せるようになれば、企業内だけではなく、地域社会との関係も良好になるでしょう。
JLPTの計画的な学習方法
JLPTの試験に成功するためには、計画的な学習が不可欠です。
まず、現状の日本語能力を把握してから、目的に合った学習プランを策定します。JLPTはN5からN1までレベルが分かれているため、どこまでの日本語能力の習得を目指すか目標を設定しましょう。
そして、模擬試験を活用しながら自分の日本語レベルを把握して、試験日までに必要な能力を確実に身につけましょう。一般的な学習プロセスは次のとおりです。
- 各レベルの文字・語彙・文法をインプットする
- 文字・語彙・文法の練習問題を繰り返し解く
- 文字・語彙・文法の知識が定着したところで、聴解問題・読解問題の特徴(出題傾向)を知り、繰り返し問題を解く
- 模擬試験を解いて本番に慣れる
試験範囲を把握し、重要なポイントを重点的に学習することが効率的です。
参照元:新しい「日本語能力試験」ガイドブック(日本語能力試験 JLPT)
試験範囲を把握する
JLPT合格に向けた第一歩は、試験範囲をしっかりと理解することです。公式サイトの問題例や教材を使い、各レベルの試験内容や出題形式を確認しましょう。
試験科目は言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解があります。それぞれのセクションにおいて必要なスキルを整理することが重要です。試験範囲を俯瞰的に把握することで、効率的な学習計画が立てられ、スムーズな学習進行が期待できます。
学習プランを立てる
目標設定と出題範囲を把握したら、学習プランを立てましょう。適切な学習プランを立てることは、効率よくJLPTを攻略するための鍵になります。学習プランを立てる際には、「N5からN1までの各レベルの試験範囲」の章で解説したレベル毎の学習時間の目安が参考になります。目標とするレベル毎の学習時間と、学習者自身が1日に確保できる学習時間から逆算して、学習スケジュールを作成するのがおすすめです。
このとき、試験日までの期間が長くなるほど、途中で挫折しやすくなります。学習者が勉強を続けるモチベーションを維持するためには、短期的な目標を立てたり、達成度を確認する機会を設けたりすることが効果的です。たとえば、いつまでにテキストを終わらせるのかを前もって計画したり、模擬試験にチャレンジしたりするなどして、メリハリのある学習プランを立てましょう。
また、言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の中で苦手な分野があれば、弱点克服に向けて濃淡をつけた学習プランを立てることも一つの手です。この後紹介する分野別の対策のコツも参考にしてみてください。
各レベルの文字・語彙・文法をインプットする
JLPT合格に向けて、まずは各レベルの文字・語彙・文法をインプットしましょう。
文字・語彙・文法をインプットするためには、レベル別の市販のテキストなどを購入して、継続的に学習することが基本です。
漢字を覚えたり語彙を増やしたりする際には、コロケーションを意識して学習することもおすすめです。コロケーションとは、よく一緒に使われる単語の組み合わせのことです。たとえば、「雨が降る」「傘をさす」のように、セットで覚えることで効率的に学習を進めることができます。
文法については、文法単体で暗記するよりも、例文を覚えるほうが効果的です。例文を覚えておけば、その文法をいつ・どんなときに・どんな語彙と組み合わせるのかをセットで理解できるので、さまざまな場面で応用が効きます。また、日頃から日本語で書かれた本や新聞などを読む習慣をつけると、正しい日本語の文法を自然に身につけることができます。
文字・語彙・文法のインプットはどうしても時間がかかるため、学習者が挫折しやすいポイントでもあります。1日の中で集中して勉強する時間を決めたり、通勤や入浴時などのスキマ時間を有効活用したりと、自分に合った勉強習慣を身につけるようにしましょう。
文字・語彙・文法の練習問題を繰り返し解く
文字・語彙・文法をインプットしたら、練習問題を繰り返し解くようにしましょう。
JLPTの各科目の問題形式は主に次のようになっており、市販の問題集などもそれに基づいています。これらの問題形式を知ってから問題に取り組むと、出題内容を予測することができ、解答時間の短縮になるので、ぜひ確認しておきましょう。
文字語彙
- 漢字の読みを選択肢の中から選ぶ。
- ひらがなで書かれた単語について、正しい漢字の表記を選択肢の中から選ぶ。
- 文中の空欄に入る語を選択肢の中から選ぶ。
- 文中の下線部分の単語の意味を選択肢の中から選ぶ。
- 提示された単語が正しく使われている文を選択肢の中から選ぶ。
文法
- 文中の空欄に入る語句や表現を選択肢の中から選ぶ。
- 提示された語句を意味の通る文に正しく並び替える。
- 少し長い文章を読み、文脈をふまえて空欄に入る正しい語句や表現を選択肢の中から選ぶ。
なお、JLPTの公式サイトでは、各レベルの問題例が掲載されています。実践感覚で解くことができるので、ぜひ活用してみてください。
読解問題・聴解問題の特徴(出題傾向)を知り、繰り返し問題を解く
文字・語彙・文法などの基本的な知識が身についたら、これらの知識を複合的に問う読解・聴解の問題にチャレンジしましょう。JLPTの読解問題も聴解問題も、大問ごとに問題形式が異なります。この問題形式を知ってから問題に取り組むと、出題内容が予測できて、解答時間の短縮になるので、ぜひ確認しておきましょう。
各科目の問題形式は主に次のようになっています。
読解
- 文章を読んで、下線部分についての問いに答える。
- 文章を読んで、その要旨や筆者の意見・主張を選択肢の中から選ぶ。
- 広告やお知らせ、説明書きなどに目を通し、必要な情報を探し出して、問いに対する正しい解答を選択肢の中から選ぶ。
聴解
- 場面説明を聞いたり、問題用紙の絵を見たりして、その場面に適切な発話表現を選択肢の中から選ぶ。
- 質問や、提案などの文を聞いて、その発話に対する適切な返答を選択肢の中から選ぶ。
- 会話や説明文などを聞いて、重要なポイントとなる部分を選択肢の中から選ぶ。
- 長い会話や説明文などを聞いて、複数の情報を瞬時に整理し、問いに対する答えを選択肢の中から選ぶ。
模擬試験を解いて本番に慣れる
模擬試験を解くことは、試験本番を想定した貴重な経験となります。時間を計り、本番と同じ条件で模擬試験に挑戦することで、試験当日の雰囲気に慣れることができます。
各問題を解くのにどれくらい時間がかかるかを把握することで、時間配分や緊張感をコントロールする練習にもなります。時間配分のイメージが持てていないと、試験本番で問題を解き切れないリスクもあるため、事前に把握しておきましょう。
また、模擬試験の結果から自分の苦手な分野や学習が必要な点を把握し、試験日までの学習プランを修正することが合格への最短ルートと言えるでしょう。
文字・語彙対策のコツ
では、「文字・語彙」に関して、効果的な対策方法はあるのでしょうか?
文字・語彙においては、試験範囲の漢字や語句などを徹底的にマスターすることが基本的な対策です。なかなか覚えられない漢字や単語については、フラッシュカードなどを用いて、繰り返し覚え込むようにしましょう。
また、文字・語彙の範囲で特に間違えやすいとされているのが、「言い換え類義」や「用法」などの問題です。新しい語句を学ぶ際には、語句と意味(または母語訳)を1対1で覚えることが多いかと思います。しかしこの覚え方だけに頼っていると、似たような言葉を即座に引き出したり、正しい使い方を瞬時に判断したりするのが難しくなってしまいます。
そこで、「言い換え類義」の対策として、同義語・対義語・類語などをグループ化してまとめて覚えることをおすすめします。また「用法」についても、語句の意味だけでなく、その語句の自然な使われ方を理解することが重要です。
勉強の時間外にも日頃から日本語に触れる機会を作ることで、こうした文字・語彙の知識を定着させることができます。たとえば、街で聞こえる日本語のアナウンスを注意して聞いてみたり、日本語の本や新聞を読んだりして、理解を深めましょう。
文法対策のコツ
「文法」を効果的に学ぶコツはあるのでしょうか?
まずは、試験範囲の文法を一つひとつ理解していくことが基本的な対策です。そのうえで、間違えやすい文法を集中的に潰し込むことが効果的でしょう。
たとえば、日本語を学習する外国人にとって、自動詞と他動詞の違いや、敬語表現、使役や受け身などの表現は難しいとされています。また、「て・に・を・は」などの助詞も苦手な方が多いようです。
まずは、問題集を解いていく中で、苦手な文法や、覚えにくいものをピックアップし、集中的に対策すべき内容を理解することが重要です。そのためにも、なるべく多くの問題を解くようにしましょう。
また、文法問題を解く力を伸ばすには、自然な日本語の文章に慣れることが一番の近道です。そのため、日頃から日本語の文章に多く触れるようにし、意味のわからない文法を一つひとつ調べ、実践的な日本語能力を身につけましょう。
読解対策のコツ
日本語の高い理解力が問われる「読解」の問題を効果的に学ぶ対策方法はあるのでしょうか?
「習うより慣れよ」という言葉があるように、読解力を高めるには、多くの日本語のテキストに触れることが基本です。日本語の本や新聞記事、ビジネス文書を読むことで、日本語特有の表現や文脈を理解する力を養うことができるでしょう。
また、キーワードを早く見つけ、文章全体の流れを理解する力を身につけるために、文章を速やかに要約したり、自分の意見を整理したりする訓練も有効です。たとえば、日々の新聞記事やWebニュースを100文字で要約したり、テレビや映画を観た感想を数行にまとめたりします。これにより、問題文を効率よく整理し、正しい解答を選択できるようになります。
聴解対策のコツ
「聴解」の問題を効率的に学ぶコツはあるのでしょうか?
リスニング力を高めるには、まず多様な音声資料に触れることが効果的です。たとえば、ニュース、ポッドキャスト、映画などの音声素材を日常的に聞くことで、日本語特有の表現や会話の展開方法に慣れることができます。
また、シャドーイングやディクテーションといった練習方法もおすすめです。シャドーイングとは、聞いた音声のあとを追って復唱する勉強法で、ディクテーションとは、聞いた音声を一言一句書き取るトレーニングのことです。聞く力に加えて、シャドーイングは聞こえた音声を再現する力、ディクテーションは聞こえた音声を文字に表す力が必要で難易度が高くなりますが、リスニング力を伸ばすとても効果的な方法です。
JLPT対策には外国人向けオンライン日本語学習サービスがおすすめ
JLPTは、日本で働く外国人や日本語を学ぶ外国人にとって重要な試験ですが、仕事をしながらの試験勉強は学習時間が限られているため、効率的な学習方法が求められます。
オンライン日本語学習サービスは自分のペースで学ぶことができ、また質の高い教材やサポートを受けられるため、特におすすめです。最後に、明光キャリアパートナーズが提供する外国人向けオンライン日本語学習サービス「Japany」を紹介します。
明光キャリアパートナーズとは
明光キャリアパートナーズは、特定技能の外国人材を日本企業へ紹介することで、労働市場における人材不足の解消に貢献しています。
明光キャリアパートナーズのサービスは、単に人材を紹介するだけでなく、入国後の生活支援やキャリアアップのための研修も行い、外国人が日本でスムーズに働き生活できるようサポートしています。これにより、企業は信頼できる人材を確保でき、外国人は安心して働くことができます。
Japanyとは
Japanyは、日本語を学びたい外国人向けに設計されたオンライン日本語学習サービスです。初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しており、多様な教材と対話型のレッスンを提供しています。
また、日本文化やビジネスマナーに関する講座も用意されており、総合的に日本での生活に必要なスキルを身につけることができます。外国人を雇用する企業や日本語学習を支援する企業に最適なサービスです。
Japanyの強み
Japanyの強みは大きく3つあります。
- 1,200本以上の動画を通して即戦力となる人材を育成
- 「コンテンツレコメンド機能」で、学習者の状況に合わせて継続的な学習を支援
- 企業の人事担当者など、学習管理を行っている人に向けて、便利な「レポート機能」があり、学習の成果や受講履歴を確認できる
中でも、Japanyの最大の強みは、日本語を学習する外国人に対し、個々の状況に合わせた学習支援が可能な点です。受講者が自身の目標に合った学習を効果的に進められるように、進捗を確認できるようになっています。また、導入後の活用を促すために、学習者のためのオリエンテーションや学習コーチングなどのサービスも提供していて、企業担当者の管理の負担を削減できます。
まとめ
外国人が日本での生活やキャリアを築くには、住んでいる地域や所属する企業、働く業種などに合った適切な日本語能力が不可欠です。JLPTの学習ポイントや試験対策について本記事で解説したように、日本語能力を高めるには計画的な学習が欠かせません。
そこで、外国人材の日本語学習支援には、オンライン学習サービスの活用をおすすめします。明光キャリアパートナーズが提供する「Japany」では、豊富な学習コンテンツを活用して継続的に学習するための便利な機能が搭載されています。
外国人材の日本語教育にお悩みがある企業の外国人採用・教育担当の方、監理団体や登録支援機関の経営者・企業担当・教育担当の方は、明光キャリアパートナーズにぜひ一度ご相談ください。