留学生向けに就職説明会を開催しても、期待したほど学生が集まらず、課題を感じている大学・専門学校の担当者は少なくありません。実際、日本で学ぶ留学生のうち約54%が「卒業後は日本で就職したい」と考えているにもかかわらず、なぜ説明会への参加につながらないのでしょうか?
その背景には、日本独自の就職活動スケジュールへの理解不足や、情報の伝わり方、留学生特有の生活環境など、複数の要因が絡み合っています。今回は、留学生の就職支援に携わる大学・専門学校の就職担当者様に向けて、留学生が「参加したい」と感じる就職説明会を実現するための具体的な考え方と運営のポイントを解説します。今後の留学生支援をより実効性の高いものにするためのヒントとして、ぜひご活用ください。
留学生が就職説明会に期待通り集まらない理由
留学生向けに就職説明会を開催しても、想定したほど参加者が集まらないケースは決して珍しくありません。これは説明会の内容そのものではなく、留学生特有の就職観や情報接触の仕方、生活環境といった要因が複合的に影響しているためです。ここでは、特に影響が大きい3つの理由を解説します。
- 日本特有の就活スケジュールに危機感を持ちにくいから
- 学校からの案内より口コミやSNSの情報を重視するから
- 学業・アルバイトで忙しく参加の優先度が下がりやすいから
日本特有の就活スケジュールに危機感を持ちにくいから
大きな理由の一つが、日本特有の新卒一括採用を前提とした就職活動スケジュールへの馴染みにくさです。
多くの国では、学校を卒業してから就職活動を始めるのが一般的であり、卒業の1年以上前から就職準備を進める日本の就活文化は、留学生にとって実感を伴いにくい傾向があります。そのため、就職説明会に参加する必要性や緊急性が十分に伝わらず、結果として参加が後回しになってしまうのです。
学校からの案内より口コミやSNSの情報を重視するから
留学生は、学校からの公式な案内よりも、同じ国出身の友人やSNSなど、身近なネットワークの情報を信頼する傾向があります。そのため、「以前参加したが自分たち向けではなかった」「あまり役に立たなかった」といった口コミが広がると、実際の内容を確認する前に参加を見送ってしまうケースも少なくありません。
学校側が情報発信を行っていても、留学生本人に届きにくい構造が参加率の低下につながっています。
学業・アルバイトで忙しく参加の優先度が下がりやすいから
もう一つの要因として、留学生自身が時間的な余裕を持ちにくい点も挙げられます。
在留資格維持のために出席率を保ちながら学業に励む必要があるうえ、生活費を補うためにアルバイトをしている留学生も少なくありません。そのため、「話を聞くだけ」と感じられる説明会には、明確な必要性やメリットを感じなければ時間を割こうとは思いにくく、参加の優先度が下がってしまうのです。
留学生の参加率を高めるための就職説明会のポイント
留学生の就職説明会の参加率を高めるためには、「なぜ参加しないのか」を踏まえたうえで、企画段階から留学生目線で設計することが欠かせません。単に説明会を開催するだけではなく、留学生が不安を感じず、参加するメリットを明確に実感できる工夫が必要です。
ここでは、留学生が参加しやすくなる就職説明会を実現するために、準備・運営の両面で意識すべき具体的なポイントを解説します。
- 外国人採用実績がある企業とコンタクトできるよう準備する
- 留学生が参加しやすい時間帯や形態を工夫する
- 留学生に開催情報が伝わりやすくなるような媒体を使う
- 参加してよかったと留学生が実感できるメリットを用意する
外国人採用実績がある企業とコンタクトできるよう準備する
留学生が最も不安を感じているのは、日本企業に関心はあるものの、実際に応募した際にどのような対応を受けられるのか、どのような働き方ができるのかが見えにくい点です。その不安を解消するためには、外国人材の採用実績がある企業と直接接点を持てる説明会を企画することが重要です。
「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」の在留資格で外国人材を受け入れている企業に参加してもらうことで、留学生は在留資格取得のイメージを具体化しやすくなります。企業側にとっても、就労意欲の高い留学生と出会える機会となり、双方にとって有益な場となるでしょう。
加えて、すでに日本企業で働いている先輩留学生の体験談を聞ける機会を設けることも効果的です。OG・OBが自身の苦労や乗り越え方を語ることで、「自分にもできる」という実感を持ってもらいやすくなります。
留学生が参加しやすい時間帯や形態を工夫する
学業やアルバイトで多忙な留学生に配慮し、対面開催に限定せず、オンライン形式を組み合わせることも重要です。授業やアルバイトの合間に参加できるよう、Zoomなどを活用したオンラインと会場参加のハイブリッド開催を行うことで、参加のハードルを下げることができます。
さらに、当日の参加が難しい留学生のために、説明会の録画を後日視聴できるようにすることも検討しましょう。あわせて、視聴後に個別質問を受け付ける仕組みを用意することで、理解を深める機会を確保できます。
留学生に開催情報が伝わりやすくなるような媒体を使う
情報発信の際は、学内掲示板やメールだけに頼らず、留学生のコミュニティや口コミの影響力を意識したSNS活用が効果的です。留学生が日常的に利用しているSNSを想定し、やさしい日本語や多言語対応の画像を用いることで、情報が届きにくい層にも認知を広げられます。
また、学内で影響力のある留学生に事前に情報を共有し、周囲に広めてもらう方法も有効です。信頼している仲間からの情報は、参加の後押しにつながりやすくなります。
参加してよかったと留学生が実感できるメリットを用意する
忙しい留学生に参加してもらうためには、「参加する価値」が明確であることが欠かせません。説明会後のアンケート回答者に特典資料を配布したり、個別相談の優先予約枠を設けたりするなど、具体的なメリットを用意しましょう。
特典資料としては、就活マナー集や履歴書添削チェックリスト、模擬面接用の質問集など、実際の就職活動で役立つ内容が効果的です。こうした資料は口コミによる次回以降の集客にもつながります。
さらに、自己分析やキャリア相談ができる個別枠を設け、キャリアカウンセリングや模擬面接へとつなげることで、より実践的な支援を提供できます。
学校側が意識すべき留学生の就職支援体制
留学生が安心して日本での就職活動に取り組むためには、単発の就職説明会だけでは不十分です。日常的なキャリア支援に加え、在留資格や将来設計に関する不安を継続的に解消できる体制を整えることが、留学生の就職成功率を高める重要なポイントとなります。
学校側が包括的な支援体制を構築することで、留学生は日本で働く将来をより具体的に描けるようになります。ここでは、学校側が意識すべき留学生の就職支援のポイントを解説します。
- 留学生の在留資格に対する不安解消の支援を提供する
- 低学年から将来に向けてキャリア教育をする
- 外部の専門家のノウハウで担当者の負担軽減を図る
参照元:外国人留学生のための就活ガイド2027(日本学生支援機構)
留学生の在留資格に対する不安解消の支援を提供する
留学生が卒業後に日本で働くためには、「留学」から就労可能な在留資格へ変更する必要がありますが、その手続きは複雑でわかりにくく、不安を感じる留学生も少なくありません。
内定を得られた場合と得られなかった場合では注意点も異なり、学校側と連携して準備すべき書類も多いため、早い段階から正しい情報を伝えることが重要です。また、在留資格の更新や変更には出席日数や成績も影響するため、できれば初年度から在留資格に関する説明の機会を設け、計画的に準備できるよう支援しましょう。
特に専門学校の場合、最も多い就労資格である「技術・人文知識・国際業務」は、専攻内容と業務内容の一致が求められます。就職活動段階で初めて知るのでは遅いため、早期からの指導が不可欠です。
低学年から将来に向けてキャリア教育をする
留学生が最終学年になってから慌てることのないよう、初年度から将来を見据えたキャリア教育を行うことが重要です。日本社会のビジネスルールや職場で求められるマナーに触れる機会をカリキュラムに組み込むことで、日本で就職するイメージを具体化しやすくなります。
日本では新卒一括採用が主流であり、その独特の就職スケジュールを理解するためにも、低学年からの段階的なキャリア教育が欠かせません。どの時期にどのような準備が必要なのかを留学生自身に理解してもらうことが、就職説明会への積極的な参加にもつながります。
外部の専門家のノウハウで担当者の負担軽減を図る
教職員が日常業務をこなしながら、留学生一人ひとりに合わせた就職支援を行うのは大きな負担となります。そのため、留学生支援に特化した外部パートナーとの連携を検討することも有効な選択肢です。専門家の知見を活用することで、最新の労働市場動向や制度変更を踏まえた質の高い支援を効率的に提供できます。
特に近年は社会情勢の変化が激しく、在留資格制度や政府方針も頻繁に更新されています。こうした情報を常に最新の状態で把握し続けるのは容易ではありません。外部専門家の支援を取り入れることで、学校側と留学生双方の負担を軽減し、より実効性の高い就職支援体制を構築できるでしょう。
留学生のキャリア支援は明光グローバルにおまかせください
留学生の就職支援を実効性のあるものにするためには、教育・就職・定着までを一貫して支援できる専門的な体制が欠かせません。これまで解説したような在留資格への対応やキャリア教育、説明会運営の課題に対し、明光グローバルは教育と人材紹介の両面から総合的な解決策を提供しています。
最後に、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
教育機関向け留学生の就職支援サービス
明光グローバルでは、教育機関の課題や体制に合わせて活用できる、留学生に特化した就職支援サービスを提供しています。単発のイベント支援にとどまらず、学内での継続的な就職支援を実現できる点が特長です。
教育機関向けの主なサービスとして、就職アドバイザーの派遣、無料求人の案内、共同企業説明会の開催支援などがあります。加えて、留学生の就職活動を具体的に支援する施策として、筆記試験対策や面接実践講座、業界研究セミナーを学内向けに実施することも可能です。
さらに、多言語対応の就活セミナーや異文化理解講座、自己分析講座など、留学生特有の課題に対応したプログラムも用意しています。
このほか、日本語力向上を目的としたオンライン学習サービスも充実しており、就職活動から入社後の定着までを見据えた一貫した支援が可能です。詳細については、お気軽に明光グローバルまでお問い合わせください。
オンライン日本語学習ツール「Japany」
「Japany」は、明光キャリアパートナーズが提供している外国人向けオンライン日本語学習ツールです。
Japanyを活用すれば、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策など、合計1,400本以上の豊富な動画教材を活用して学ぶことができます。そのため、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることができます。
また、パソコンやスマートフォンを使って、スキマ時間に自分のペースで学習できるのも特徴的です。
さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
| 受講形態 | e-ラーニング |
| 対象者 | ・留学生 ・企業に在籍する外国人籍社員 ・帰国子女など |
| プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
| 受講期間 | コースによって異なる |
| 料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
Japanyの強み
Japanyの強みは、「実用性の高いオリジナルコンテンツ」「学習の継続を促すシステム」「管理者を支えるサポート機能」の3点です。
| 実用性の高いオリジナルコンテンツ | 「Japany」には、N5〜N1までを網羅したJLPT対策を始めとする1,400本以上の豊富なレッスン動画コンテンツがあります。資格試験対策だけでなく、業界・業種別の言い回しや日常的な会話能力が身につく動画など、学習者のニーズに合わせてさまざまなコンテンツの動画を視聴できます。 |
| 学習の継続を促すシステム | 「Japany」には、実力・目標に応じて最適なプランを提案する「コンテンツレコメンド機能」や、力試しとして使える「実力診断テスト」など、外国人材の学習モチベーションを向上するさまざまな機能が搭載されています。 |
| 管理者を支えるサポート機能 | 学習者の進捗状況を確認できる「レポート機能」や、ログインがない場合に通知が届く「アラート機能」といった管理者機能も充実しています。そのため、人事・教育担当者の方も安心して利用することができます。 |
まとめ
留学生が大学や専門学校で開催される就職説明会に期待ほど集まらない背景には、日本特有の就職活動ルールへの理解不足や将来への不安、学業やアルバイトに追われる日常生活など、留学生特有の事情が複雑に絡み合っています。説明会の内容以前に、「参加する必要性」や「自分に関係がある」という実感を持ちにくいことが、参加率の低下につながっているのが実情です。
そのため、留学生向けの就職説明会を効果的に開催するには、外国人採用に前向きな企業との接点を設けることに加え、SNSや口コミを意識した情報発信、参加しやすい開催形態の工夫、低学年からの継続的なキャリア教育など、留学生目線に立った設計が欠かせません。
特に、日本での就職に対する不安を解消する取り組みは重要であり、近年厳格化する傾向にある在留資格の更新や変更についても、学校側による丁寧な支援が求められます。
しかし、こうした幅広い支援を学内リソースだけで継続的に行うことには限界があります。専門的な知識と実績を持つ外部パートナーを活用することは、担当者の負担を軽減しながら、留学生の就職成功率を高める有効な手段といえるでしょう。
明光グローバルは、教育・就職支援・入社後の定着までを一貫して支える体制を通じて、留学生と教育機関の双方をサポートしています。留学生の就職支援体制に課題を感じている担当者様は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。



