留学生のエントリーシートは、正しい日本語で書かれているというだけで判断されるものではありません。企業担当者は、学生の性格や考え方、アピールポイント、経験、モチベーション、コミュニケーション能力などを総合的に評価します。そのため、就職支援担当者は、留学生が企業の意図に沿った内容を適切に表現できるように指導することが重要です。
今回は、学生の就職支援担当者が指導する際に押さえておきたいポイントや企業が評価する視点、書き方、具体的な記入例について解説します。留学生を効果的にサポートするための手助けとしてご活用ください。
留学生のエントリーシート作成サポートが必要な理由
日本での就職を目指す留学生にとって、エントリーシートは重要な選考書類です。しかし、多くの留学生は、日本の企業がエントリーシートを通じて何を評価しているのかを理解していないために、伝えたいことが十分伝わらないまま選考されてしまうことがあります。
こうした、ミスマッチを防ぐために必要となるのが、就職支援担当者によるエントリーシート作成のサポートです。ここでは、留学生がエントリーシートを作成する際にサポートが必要な主な理由について解説します。
- 企業のエントリーシートの評価基準を説明するため
- 適切な日本語表現で記載できるよう指導するため
- 考えや経験を整理して書けるように支援するため
企業のエントリーシートの評価基準を説明するため
社会経験のなさに加え文化や教育の違いから、留学生は企業がエントリーシートに求めている情報や意図がわからないことがあります。そのため、エントリーシートを作成する前に、企業のエントリーシートの評価基準を説明する必要があります。
適切な日本語表現で記載できるよう指導するため
日本語が母国語でないため、留学生にとって正確でわかりやすい表現を使ってエントリーシートを作成することは難しいことがあります。文章の意味が伝わりにくかったり、誤解を招く表現になったりするケースもあるため、就職支援担当者が確認して適切な日本語表現に整えるよう指導することが重要です。
具体的には、文法や語彙の間違いを正すだけでなく、文章全体の読みやすさや論理のつながりも確認し、指導してあげる必要があります。
考えや経験を整理して書けるように支援するため
留学生の場合、自分の経験や考えを整理せずに書くと文章にまとまりがなくなり、強みや経験が十分に伝わらないことがあります。そのため、就職支援担当者は、学生が過去の経験や成果を順序だてて整理できるように支援することが大切です。
たとえば、質問を投げかけて思考を整理させたり、箇条書きでポイントをまとめさせたりすると効果的です。
留学生にエントリーシート作成を指導する際に注意するポイント
エントリーシートは、企業に自分を評価してもらうための大切な書類ですが、内容の整理や表現方法によって印象が大きく変わります。留学生の場合、文化や言語の違いから、せっかくの経験や強みが十分に伝わらないことも少なくありません。
そのため、学生を指導する担当者は、学生のエントリーシートのどの点を確認し、どのようにアドバイスすれば学生の強みや考えが伝わりやすいかを理解しておくことが重要です。ここでは、留学生に対してエントリーシート作成を指導する際に注意すべき主なポイントを解説します。
- 企業の評価ポイントを理解したうえで留学生に助言する
- 留学生が日本語と内容の両方を適切に表現できているか確認する
- エントリーシートの基本項目に漏れがないか確認する
企業の評価ポイントを理解したうえで留学生に助言する
留学生を指導するときは、就職支援担当者は企業の評価ポイントを理解していなければなりません。志望動機や自己PR、経験の整理など、企業が求めるポイントを学生にわかりやすく伝えることが重要です。
企業の視点を踏まえて助言することで、学生は自分の強みや経験を適切に整理し、エントリーシートの完成度を高めることができます。
留学生が日本語と内容の両方を適切に表現できているか確認する
エントリーシート作成を指導する際は、適切な日本語表現にだけ注目してしまうと、留学生が伝えたい内容や強みが十分に伝わらなくなってしまうことがあります。適切な日本語表現でエントリーシートを作成することは大切ですが、内容も重要であるため、学生の意図や思いを尊重しながら指導することが重要です。
エントリーシートの基本項目に漏れがないか確認する
エントリーシートに記載すべき基本項目は、どの企業でもほぼ共通しています。
基本情報
基本情報は、氏名、フリガナ、生年月日、現住所、連絡先、顔写真などです。基本情報は評価対象というより事実確認のために記載する項目のため、誤字脱字と記入漏れに気をつけて記載しましょう。また、写真はスーツで撮影することが一般的です。
学歴・職歴
学歴は、義務教育である中学卒業から記載し、高校と大学は入学と卒業年月の両方を記載します。職歴がある方は、学歴の最終行から1行空けて、中央に「職歴」と書き記載していきます。
志望動機
志望動機は、なぜその企業を志望したのかを記載する項目です。企業の事業内容や理念、職種などと、自分の経験や価値観を結び付けて書くことが大切です。
自己PR
自己PRは、自分の強みやアピールポイントを具体的なエピソードを交えて記載する項目です。長所や経験を列挙するのではなく、強みを入社後にどう活かせるかを書くと評価されやすくなります。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)は、学業やアルバイト、サークル、研究、ボランティアなど学生時代に力を入れたことを通して、どのように考え、行動したかを伝える項目です。成果よりも、取り組みの過程や情熱、頑張りなどが評価される傾向があるため、成果が出なかったエピソードでも問題ありません。
長所・短所
長所・短所は、自己理解の深さを評価するための項目です。最初に長所や短所を端的に書き、そのあとにエピソードを交えて長所と短所を紹介します。自己PRやガクチカのように詳しく書く必要はありません。
長所が発揮された具体的な場面とそれがどのような結果につながったかを記載します。短所についてもエピソードを交えて紹介しますが、改善するために意識していることまで書いておくと評価を下げにくくなります。
その他
その他、資格や趣味、特技などを記載する欄があります。人物像を知る資料の一つとして使われます。
業務に直結する資格は評価されますが、それ以外の資格は取得理由やどんな場面で活かされているかも書くと人物像が伝わりやすくなります。
就職支援担当者は、氏名や学歴、資格などの基本項目に加え、自己PRや志望動機など主要項目の記載内容を確認することが大切です。必要に応じて修正や補足の助言をすることで、留学生が提出するエントリーシートの完成度を高めることができます。
さらに、面接前に確認することで内容の矛盾を避けるために、作成したエントリーシートのコピーをとっておくように指導しておくとよいでしょう。
留学生のエントリーシートの書き方のポイント
エントリーシートは、書き方次第で企業担当者の評価が変わります。そのため、就職支援担当者は、留学生が正当に評価されるように、エントリーシートの書き方を指導しておくことが重要です。
ここでは、留学生がエントリーシートを書く際に押さえておきたいポイントを解説します。
- 結論を先に示し企業担当者が理解しやすい構成を意識する
- 事実と行動をもとに具体的に書く
- 簡潔で誤解のない日本語表現を心がける
- 留学生のエントリーシートの記入例
結論を先に示し企業担当者が理解しやすい構成を意識する
エントリーシートでは、文章の最初に結論や主張を明確に示すことが大切です。
企業担当者は、短い時間で多くのエントリーシートを確認するため、わかりやすい文章を書く必要があります。留学生が文章を構成する際に、「結論→理由→具体例」の順序を意識できるよう指導し、読みやすく伝わりやすい文章を書けるようサポートする必要があります。
事実と行動をもとに具体的に書く
自己PRや活動内容を記入する際には、単なる抽象的な表現ではなく、事実や行動に基づいて具体的に書くことが評価されやすい傾向があります。
就職支援担当者は、留学生が経験や成果を振り返り、数値や行動の結果など具体的な情報を盛り込むように指導しましょう。これにより、企業担当者が留学生の能力や姿勢を正確に判断できる文章に仕上げることができます。
簡潔で誤解のない日本語表現を心がける
表現が複雑すぎたり、曖昧な言葉を使ったりすると、留学生の意図が正確に伝わらない場合があります。特にエントリーシートでは、一文が長くなったり、主語や目的がわかりにくくなっていたりすると、内容を正しく読み取ってもらえないことも少なくありません。
そのため、就職支援担当者は、文章の意味が伝わりやすいように言葉の言い換えや表現の仕方を指導し、簡潔で誤解のない日本語で表現を心がけるようサポートしなければなりません。
留学生のエントリーシートの記入例
学生が書き方を理解するには、実際の記入例を示すことが効果的です。文章の構成や表現のポイントを説明するだけでは、どのように書けば良いのか具体的にイメージできない学生も少なくないからです。
そのため、就職支援担当者は、具体的な文章例を見せながら「結論→理由→具体例」の流れを説明すると、学生も理解しやすくなります。その際、例文をそのまま使わせるのではなく、参考にして留学生自身の言葉で書くことが大切であると伝えましょう。
例文をそのまま使っているNG例
私は大学時代、アルバイトを通じてコミュニケーション能力を身につけました。お客様対応を行う中で、相手の立場に立って考えることの大切さを学びました。この経験を活かして、御社でも周囲と協力しながら業務に取り組みたいと考えています。
これでは例文を自分の経験に置き換えただけで、エピソードが見えてきません。エントリーシートを読んでいる企業担当者は、どこかで見たような文章だと気づき評価につながりにくくなってしまいます。
例文を参考に自分の経験を書いているOK例
私は、相手の状況を考えながら行動することを大切にしています。飲食店でのアルバイトでは、忙しい時間帯に注文ミスが重なることがありましたが、お客様の表情や様子を見ながら声掛けの順番を工夫することで、ミスを減らすことができました。この経験から周囲をよく観察しながら行動する姿勢を身につけました。この経験で身につけた相手の意見を聞きながら進める姿勢を、御社での業務に活かしたいと考えています。
こちらは、例文を参考にしながらも、どのような場面で、何を考え、どのように行動したのかが書かれているため、読んでいる人に状況がイメージしやすい文章になっています。本人の経験として自然に表現されている点が特徴です。企業担当者が内容を把握しやすい文章といえます。
エントリーシートの作成に専門機関の活用をおすすめする理由
留学生のエントリーシート作成のサポートをし続けることは、担当者の負担が大きすぎて難しくなるケースも少なくありません。そのようなときにおすすめするのが、専門機関が提供しているサービスの活用です。ここでは、専門機関の提供しているサービスの活用をおすすめする理由を解説します。
- 就職支援の専門家から添削・助言を受けられるから
- 日本語表現だけでなく内容まで客観的に確認してもらえるから
- 学生の就職支援担当者の負担軽減につながるから
就職支援の専門家から添削・助言を受けられるから
専門機関を利用することで、エントリーシート作成指導経験が豊富な専門家から、実践的な視点で添削やアドバイスを受けられます。
企業がどのような点に着目してエントリーシートを読んでいるのか、どの表現が評価につながりやすいのかといった判断は、日常的にエントリーシートの作成指導に携わっていなければ身につきにくいものです。適切な改善点を具体的に示すことにより、留学生のエントリーシート作成能力の向上が期待できます。
日本語表現だけでなく内容まで客観的に確認してもらえるから
専門機関のエントリーシート作成サポートでは、日本語表現の改善だけでなく、内容が企業側の評価軸とずれていないか、伝えたいことが正確に伝わる内容になっているかといった点も客観的に確認してくれます。
就職支援担当者に加え、専門機関のサービスを活用することで、より充実したエントリーシートの作成につながります。
学生の就職支援担当者の負担軽減につながるから
就職支援担当者のエントリーシートの指導には、時間と労力が必要になります。特に、留学生を指導する場合、日本語表現の調整に想定以上の時間と労力がかかることも少なくありません。
専門機関と留学生のサポートを連携することで、就職支援担当者の負担が軽減し他の業務に時間を割くことが可能になります。
留学生の就職活動支援は明光グローバルにお任せください
留学生がエントリーシート対策に取り組むことは、日本で就職活動を進めるために大切なことです。しかし、留学生が内定を勝ち取るためには、エントリーシート作成だけでなく、面接やビジネスマナー、日本語能力など幅広い対策が必要となります。
明光グローバルでは、留学生一人ひとりが効率的に日本での就職活動を進められるように、総合的な就職活動対策サービスを提供しています。最後に、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
日本初かつ日本発の上場企業が運営する外国人向け就職塾「明光就職」
「明光就職」は、40年以上の教育実績を誇る明光グループのもと、留学生や外国籍人材に特化した就職支援を行っています。経験豊富な講師陣による少人数クラス指導、長期インターンシップや新卒の求人の紹介、就活に直結した日本語教育など就職準備から内定まで一貫したサポートを行っています。
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まとめ
留学生のエントリーシートは、本人の経験が十分に書かれていても、企業が求めているものに仕上げていなければ評価されにくくなってしまいます。企業に評価されやすいエントリーシートに仕上げるためには、就職支援担当者が留学生をサポートしなければなりません。
しかし、留学生のエントリーシート作成のサポートの負担が大きすぎて、他の業務に支障をきたすケースも少なくありません。そのような場合におすすめするのが、専門機関の就職支援サービスの活用です。
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