2025年2月5日(水)、2024年度「外食業特定技能1・2号技能測定試験」の第3回国内試験の合格発表が行われました。特定技能1号試験の合格率は58.5%、特定技能2号試験の合格率は56.9%となっており、前回よりも合格率が低下しています。
今回は、試験結果の詳細や受験者が苦戦するポイントについて解説しています。外食業界で外国人材を雇用している企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
2024年度「外食業特定技能1・2号技能測定試験」第3回国内試験の合格発表結果
まずは、2024年度「外食業特定技能1・2号技能測定試験」第3回の合格率や過去3回の合格率の推移、国籍・地域別の内訳を解説します。
特定技能 1 号技能測定試験結果
2024年度「外食業特定技能1号技能測定試験」の第3回国内試験では、全国12会場で合計8,126人が受験し、4,754人が合格しました。合格率は58.5%と、全体的にやや厳しい結果となっています。
■2024年度外食業特定技能1号技能測定試験第3回国内試験結果
会場 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
北海道 | 303 | 165 | 54.5 |
宮城 | 324 | 201 | 62.0 |
茨城 | 214 | 132 | 61.7 |
埼玉 | 591 | 352 | 59.6 |
東京 | 2,603 | 1,405 | 54.0 |
愛知 | 1,367 | 890 | 65.1 |
大阪 | 1,222 | 697 | 57.0 |
広島 | 358 | 222 | 62.0 |
香川 | 180 | 120 | 66.7 |
福岡 | 777 | 442 | 56.9 |
鹿児島 | 113 | 77 | 68.1 |
沖縄 | 74 | 51 | 68.9 |
第3回合計 | 8,126 | 4,754 | 58.5 |
第2回合計 | 9,009 | 6,102 | 67.7 |
第1回合計 | 6,411 | 4,127 | 64.4 |
2024年全3回合計 | 23,546 | 14,983 | 63.6 |
過去2回(第1回・第2回)の合格率は65.0%前後で推移していましたが、第3回では58.5%と大きく低下しています。併せて、合格者数の国籍・地域別の内訳は以下のとおりです。
■2024年度外食業特定技能1号技能測定試験第3回国内試験合格者数の国籍・地域別の内訳
国籍 | 合格者数(人) |
---|---|
ベトナム | 2,438 |
ミャンマー | 1,063 |
中国 | 581 |
ネパール | 154 |
インドネシア | 140 |
韓国 | 78 |
台湾 | 58 |
タイ | 49 |
スリランカ | 34 |
フィリピン | 25 |
バングラディシュ | 18 |
香港 | 17 |
ロシア | 16 |
モンゴル | 15 |
国籍別の合格者では、ベトナム(2,438人)、ミャンマー(1,063人)、中国(581人)が上位を占めています。この3ヶ国は、過去2回(第1回・第2回)の結果でも上位を占めているため、外食業の特定技能1号取得を目指す傾向が強いことがわかります。
参照元:
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 1 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 2 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 3 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
特定技能 2 号技能測定試験結果
2024年度「外食業特定技能 2 号技能測定試験」の第3回国内試験では、全国12会場で合計629人が受験し、358人が合格しました。
■2024年度外食業特定技能2号技能測定試験第3回国内試験結果
会場 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
北海道 | 7 | 5 | 71.4 |
宮城 | 5 | 2 | 40.0 |
茨城 | 2 | 1 | 50.0 |
埼玉 | 31 | 21 | 67.7 |
東京 | 340 | 206 | 60.6 |
愛知 | 99 | 59 | 59.6 |
大阪 | 90 | 40 | 57.0 |
広島 | 6 | 2 | 33.3 |
香川 | 4 | 0 | 0.0 |
福岡 | 38 | 21 | 55.3 |
鹿児島 | 3 | 1 | 33.3 |
沖縄 | 4 | 0 | 0.0 |
第3回合計 | 629 | 358 | 56.9 |
第2回合計 | 612 | 369 | 60.3 |
第1回合計 | 112 | 53 | 47.3 |
2024年全3回合計 | 1,353 | 780 | 57.7 |
第1回の合格率(47.3%)と比べると、やや改善傾向にあるものの、合格率は依然として低い数値で推移しています。ただし、受験者数は第1回と比較して、大幅に増えています。併せて、合格者数の国籍・地域別の内訳は以下のとおりです。
■2024年度外食業特定技能2号技能測定試験第3回国内試験合格者数の国籍・地域別の内訳
国籍 | 合格者数(人) |
---|---|
ベトナム | 256 |
ネパール | 26 |
ミャンマー | 24 |
中国 | 21 |
これらの国は、過去2回(第1回・第2回)でも受験者数・合格者数ともに多く、外食業の特定技能2号取得を目指す傾向が強いことがわかります。
参照元:
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 1 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 2 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
- 2024年度 外食業特定技能 1・2 号技能測定試験 合格者発表 第 3 回国内試験(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
外食業特定技能1・2号技能測定試験の合格率は低め?その背景とは
外食業特定技能1・2号技能測定試験は、どちらも合格率が50〜60%台で推移しており、約半数が不合格になっています。その背景には、試験範囲の広さと自学習の難しさがあります。
試験問題は、以下のように幅広い分野から出題されます。
- 接客全般(お客様対応やサービス)
- 飲食物の調理(調理技術や食品の取り扱い)
- 衛生管理(衛生基準や食品安全)
そのため、実務経験があっても試験対策なしでは合格するのは難しいです。また、過去問が公開されておらず、どのような問題が出るのか予測しにくい点も、合格率が低い要因となっています。
外食業特定技能1・2号技能測定試験で受験者が苦戦するポイント
外食業特定技能1・2号技能測定試験では、実務経験だけで対応できない問題が出題されます。ここからは、外食業特定技能1・2号それぞれの試験で、受験者が苦戦しやすいポイントを詳しく解説します。
外食業特定技能1号技能測定試験で苦戦するポイント
外食業特定技能1号技能測定試験は、業務を一人で遂行できるかが問われる試験です。そのため、受験者の実務能力だけでなく、幅広い知識が求められます。
外食業特定技能1号技能測定試験で受験者が苦戦する主なポイントは、次のとおりです。
苦戦するポイント | 内容 |
---|---|
想定外の知識が問われる | 受験者が普段の業務で経験していない分野の問題が出題される 具体例: ・牛丼チェーンと働いていても、魚の部位の知識を問われる ・普段は行っていない下処理の問題が問われる |
実務で経験したことがそのまま試験に出るわけではない | 実務経験がそのまま問われるわけではなく、異なる視点の問題が出題される 具体例: ・テキストで学んだ旬の魚介類以外の魚が出題される ・いつも行っている手洗い方法とは異なる手順が出題される |
日々の業務での経験に頼るだけではなく、試験範囲全体を把握し、幅広い知識をバランスよく学習することが重要です。
外食業特定技能2号技能測定試験で苦戦するポイント
外食業特定技能2号技能測定試験は、現場管理者としての能力が問われる試験です。店舗運営に関する知識が必要となるため、受験者の実務経験だけでは対応が難しい内容も含まれます。
外食業特定技能2号技能測定試験で受験者が苦戦する主なポイントは、次のとおりです。
苦戦するポイント | 内容 |
---|---|
漢字にルビが振られていない | 漢字にルビが振られていないため、漢字が読めないと問題を理解できない |
計算問題が出題される | 普段の業務で計算業務に携わっていない受験者にとっては難易度が高い 具体例: 以下のような計算問題が出題される ・人時売上高の計算=1日の売上高÷1日の総労働時間 ・標準原価率の計算=(月間個別メニューの販売数×標準原価の総和)÷月間売上高 |
このように、外食業特定技能2号試験では現場の経験だけではなく、日本語の読解力や計算能力といった管理者に求められる能力も求められるため、幅広い学習が必要です。
外食業特定技能試験対策は「明光グローバル」にお任せください
外食業特定技能試験の対策なら、明光グローバルにお任せください。特定技能試験の幅広い出題範囲に対応したカリキュラムと充実した学習サポートで合格へと導きます。
最後に、日本語学習から試験対策まで、一貫したサポートを提供する明光グローバルについてご紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の拡大と育成を通じて、日本企業の持続的な成長を支援する教育系人材サービスです。
明光ネットワークジャパングループの40年以上にわたる個別指導の教育実績と、10年以上の日本語教育の経験を活かし、外国人材の育成や企業の人材課題解決に特化したサービスを展開しています。
また、JCLI日本語学校や早稲田EDU日本語学校で培った豊富な教育ノウハウをもとに、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、多様なニーズに対応できるのも強みです。さらに、外務省からEPA事業を4期連続で受託するなど、高い信頼性と実績があります。
明光グローバルの主要サービス
事業 | サービス |
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教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介に加え、外国人社員向けの教育・研修サービスも提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業で即戦力となるための実践的なスキル習得を重視し、総合的な人材育成に取り組んでいます。
外国人社員向け各種教育・研修サービスの概要
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サービス | 概要 |
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オンライン日本語レッスン | ・ビジネス経験豊富な講師による個別指導 ・業界別カスタマイズカリキュラム ・定期的にレッスン報告書を企業に提供 |
各種研修プログラム | 【外国人材向け】新入社員研修、異文化理解研修等 【日本人社員向け】外国人材受入れ研修等 |
各種試験対策講座 | ・専門講師が直接指導 ・実施方法はオンライン/対面いずれも対応可能 ・受講人数や実施回数など企業毎にカスタマイズして対応可能 ※介護福祉士試験対策講座、特定技能2号試験対策講座(外食、飲食料品製造、製造業、建設の4分野に対応) |
明光グローバルは、外国人材の定着率向上や即戦力化を実現し、日本企業の発展に貢献していきます。
まとめ
2024年度「外食業特定技能1・2号技能測定試験」の第3回国内試験の結果は、特定技能1号試験の合格率が58.5%、特定技能2号試験の合格率が56.9%と、前回より低下しました。
また、外食業特定技能1号技能測定試験では業務遂行能力が、外食業特定技能2号技能測定試験では店舗運営やコスト管理の知識がそれぞれ求められ、普段の業務経験だけでは対応が難しい問題が出題される傾向があります。試験対策としては、実務経験に頼るのではなく、計画的な学習が必要です。
明光グローバルでは、特定技能試験対策をはじめ、日本語教育や業界別研修を提供し、外国人材のスキルアップを支援しています。試験対策や研修に関する詳細は、ぜひ明光グローバルにお問い合わせください。