JLPT各レベルの認定の目安
まずは各レベル認定の目安を見てみましょう。
これらをまとめると、
- N5、N4 ⇒ 基本的な日本語が理解できる
- N3 ⇒ 日常会話レベルの日本語が理解できる
- N2、N1 ⇒ 日常会話よりも幅広い場面(ニュースや講義など)の日本語が理解できる
となっていることがわかります。
特にN4レベルについては、「生活や業務に必要な日本語能力」として、特定技能ビザ1号の取得要件にもなっています。「基本的な日本語が理解できる」はずなのに、実際には、N4レベルの外国人人材があまり話せないケースが多いのはなぜでしょうか。
N4でも「話せない」のはなぜか
JLPTは「読む」「聞く」を測る試験
まず、JLPTが測るのは「読む」「聞く」能力です。日本人が「英語の試験で○点取ったけれど、なかなか話せない」というのと同じで、「文字語彙や文法の知識がある=話せる」というわけではないですよね。
「話す」ための練習が足りていない
N4レベルでも話せないとしたら、それは「話すための練習が足りていないから」です。覚えた語彙や文法を使うには、話す練習が必要です。また、せっかく練習しても中断すればまた忘れてしまうので、継続的に練習する環境づくりも必要です。
会話のスピードに慣れていない
N4は「ゆっくり話される会話が理解できる」レベルなので、自然なスピードの日本語を理解するのは困難です。聞き取れないことで、それに対して話すことができないケースも少なくありません。
専門用語や特別な言い回しが理解できていない
難しい専門用語や慣用句、カタカナ語などは、日本語力が高くても知らないことが多いので、会話にそれらが含まれていると、理解できずに話せない可能性が高くなります。
採用・受け入れ担当者が気を付けるべきポイント
ここまで、「N4レベルでも日本語が話せない理由」を考えてきました。 それを踏まえ、外国人人材の採用・受け入れ担当者の方は以下の5つのポイントを心掛けると良いでしょう。
①JLPTのレベルは日本語能力の目安
JLPTは読む・聞く能力を測る試験です。このレベルだと話せる、このレベルだと話せない、と単純に判断しないようにしましょう。
②JLPTは社員の学習目標として有効活用
話すためにはやはり知識が重要なので、JLPTは学習目標として有効です。今年はN3、来年はN2、など具体的な目標を立てやすく、モチベーション維持にも効果的なのでぜひ活用しましょう。
③会話スピードや語彙レベルを落とす
N4レベルでは自然なスピードが難しいので、話すスピードや使う語彙に気をつけてみてください。まずは意識することから始めましょう!
④話しやすい雰囲気づくり
緊張したり焦ったりすると、本来できることもできなくなってしまいます。「間違えても大丈夫」「理解してもらえる」「質問しやすい」と思えるだけで、外国人社員も話しやすくなるはずです。
⑤会話力向上の環境づくり
継続的に学習でき、気軽に質問できる環境をつくることで、日本語力アップにつながります。
外国人人材への適切な学習支援の方法については下記の記事でもご紹介していますので、ぜひご参考になさってください。
まとめ
いかがでしたか。N4でも日本語が話せない理由は様々です。まずは理由をじっくり考えて、それに合った対策をしていきましょう!
【N4でも「話せない」要因】
- JLPTは「読む」「聞く」を測る試験
- 「話す」ための練習が足りていない
- 会話のスピードに慣れていない
- 専門用語や特別な言い回しが理解できていない
【外国人人材採用・受け入れ担当者が心がけるべきポイント】
- JLPTのレベルは日本語能力の目安である
- JLPTは社員の学習目標として有効活用
- 会話スピードや語彙レベルを落とす
- 話しやすい雰囲気づくり
- 会話力向上の環境づくり
外国人人材の日本語力に課題をお持ちの方
明光では外国人人材の方が自学自習で効率的に日本語を学べるeラーニング教材『Japany』をご提供しています。
“教育のプロ”である明光グループが開発した、「日本語が職場で使えるようになる」ことを目指した学習教材です。
- コンテンツレコメンド機能
- 学習ポイントシステム
- ランキング機能
など、学習のモチベーションを高め、自学自習をサポートする機能を搭載したJapanyで、自社の外国人社員の日本語力向上を目指しませんか。
ご興味のある方はぜひJapanyご紹介ページをご覧ください。