近年、人手不足の解消に向け、多くの企業で外国人材の採用が積極的に進められています。中でも、特定技能の在留資格を持つ外国人材は、一定の日本語能力と専門的な技能が担保されていることもあり、技能実習などと比較して在留条件が優遇されています。そのため、雇用している外国人材が特定技能の在留資格を取得できるよう支援する企業も増えています。
外国人材が特定技能の在留資格を取得するためには、さまざまな試験に合格する必要があります。今回は、特定技能の在留資格を取得するために必要な試験の概要や試験対策の流れ、ポイントなどについて解説します。
雇用する外国人材に特定技能を取得してもらいたいと考えている企業の経営者や人事、教育担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
特定技能外国人になるためには試験への合格が必要
特定技能外国人になるためには、基本的に日本語試験・技能試験などの試験への合格が必要です。ただし、技能実習2号を良好に修了した場合、試験が免除されることがあります。
受験すべき試験は、在留資格の種類や特定産業分野、業務区分によって異なります。あらかじめ受験する試験を明確にしたうえで、計画的に対策を進める必要があります。
特定技能の試験は、全般的に難易度が高いことで知られています。そのため、外国人材が独力で試験対策を進めるのは困難です。各種試験に確実に合格するためには、企業側が必要な教材を提供し、学習相談に乗るなど、しっかりとサポートすることが重要です。
特定技能制度の概要
そもそも、特定技能制度とはどのような制度なのでしょうか?ここでは、特定技能制度の概要や在留資格の種類について解説します。
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特定技能制度とは
特定技能制度とは、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野(以降「特定産業分野」)において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れていくための在留資格制度です。特定技能制度を活用して日本で働く外国人材のことを特定技能外国人といいます。
2019年に特定技能制度が創設されて以降、日本で働く特定技能外国人の総数は増え続けています。今後も、日本の生産年齢人口が減少し続けていく中、さまざまな企業で特定技能外国人が積極的に採用されると考えられます。
特定技能1号・特定技能2号とは
特定技能制度の在留資格には、特定技能1号・特定技能2号の2種類があります。特定技能1号・特定技能2号の主な違いは下の表のとおりです。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留資格の定義 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格 | 熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格 |
| 在留資格の取得要件 | 技能試験と日本語試験に合格する必要がある(ただし対象の技能実習2号を良好に修了した場合は免除) | 特定技能1号より高度な技能試験に合格する必要があるほか、一定の実務経験が求められる |
| 在留可能な期間の上限 | 通算で上限5年 ※3年を超えない範囲で指定された期間 | 在留期間の更新を行えば上限なく滞在可能 ※3年、2年、1年または6ヶ月ごとの更新 |
| 受入れ機関などによる支援の要否 | 受入れ機関または登録支援機関による支援義務あり | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象外 |
| 家族帯同の可否 | 原則として家族帯同は不可 | 配偶者と子の帯同が可能(ただし「家族滞在」の在留資格の取得が必要) |
| 特定技能外国人の総数(2025年6月末日時点) | 333,123人 | 3,073人 |
特定技能2号は、特定技能1号のステップアップ先となる在留資格です。特定技能1号より高度な技能が求められるぶん、在留資格を取得する難易度が高くなっています。在留可能な期間や家族帯同などの在留条件が優遇されているため、特定技能2号の取得を目指す特定技能1号の外国人材は多いです。
ただし、特定技能制度の創設から間もないこともあり、2024年12月末日時点で特定技能2号の外国人材の総数は少ない状況です。特定産業分野によっては、特定技能2号の在留資格が設けられていない場合もあります。
特定技能外国人になるために必要な日本語試験
特定技能外国人になるためには、どのような日本語試験への合格が必要なのでしょうか?ここでは、特定技能外国人になるために必要な日本語試験について解説します。
特定技能1号の在留資格を取得するために必要な日本語試験の情報
特定技能1号の場合、基本的には日本語能力試験(以降「JLPT」)N4レベル以上または国際交流基金日本語基礎テスト(以降「JFT-Basic」)で判定基準点以上の要件を満たす必要があります。ただし、一部の特定産業分野や業務区分においては、より難易度の高い日本語試験への合格が求められます。詳しくは下の表のとおりです。
| 特定産業分野 | 日本語試験 |
|---|---|
| 介護分野 | 次の両方の試験への合格が必要 ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 ・介護日本語評価試験 |
| ビルクリーニング分野 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
| 工業製品製造業分野 | |
| 建設分野 | |
| 造船・舶用工業分野 | |
| 自動車整備分野 | |
| 航空分野 | |
| 宿泊分野 | |
| 農業分野 | |
| 漁業分野 | |
| 飲食料品製造業分野 | |
| 外食業分野 | |
| 林業分野 | |
| 木材産業分野 | |
| 自動車運送業分野 | トラック運転者区分の場合 ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 バス・タクシー運転者区分の場合 ・JLPT N3レベル以上 |
| 鉄道分野 | 軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造区分の場合 ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 運輸係員区分の場合 ・JLPT N3レベル以上 |
外国人材が技能実習2号を良好に修了している場合、日本語試験が免除となるケースがあります。詳しい条件については分野別の特定技能運用要領を参照してください。
特定技能2号の在留資格を取得するために必要な日本語試験の情報
特定技能2号の場合、基本的には日本語試験への合格は不要です。ただし、特定産業分野によっては、日本語試験への合格が求められることがあります。2025年10月時点では、次の特定産業分野で日本語試験への合格が必要となっています。
| 特定産業分野 | 日本語試験 |
|---|---|
| 漁業分野 | ・JLPT N3レベル以上 |
| 外食業分野 |
特定技能外国人になるために必要な技能試験
特定技能外国人になるためには、どのような技能試験への合格が求められるのでしょうか?ここでは、特定技能外国人になるために必要な技能試験について解説します。
特定技能1号の在留資格を取得するために必要な技能試験の情報
特定技能1号の場合、特定産業分野および業務区分別に定められた特定技能1号評価試験もしくは技能検定3級相当の試験への合格が必要となります。なお、技能検定については、取得にあたり一定の実務経験が求められるため、特定技能1号評価試験を受験する外国人材が多いです。
たとえば、建設分野の場合、土木区分、建築区分、ライフライン・設備区分の3種類の業務区分に応じて、次のいずれかの試験に合格することが求められます。
| 項目 | 土木区分 | 建築区分 | ライフライン・設備区分 |
| 技能試験 | 次のいずれかの試験に合格する ・建設分野特定技能1号評価試験(土木) ・技能検定3級(型枠施工) ・技能検定3級(鉄筋施工) ・技能検定3級(とび) ・技能検定3級(造園) ・技能検定3級(塗装) | 次のいずれかの試験に合格する ・建設分野特定技能1号評価試験(建築) ・技能検定3級(型枠施工) ・技能検定3級(左官) ・技能検定3級(かわらぶき) ・技能検定3級(鉄筋施工) ・技能検定3級(内装仕上げ施工) ・技能検定3級(とび) ・技能検定3級(建築大工) ・技能検定3級(建築板金) ・技能検定3級(塗装) ・技能検定3級(ブロック建築) ・技能検定3級(広告美術仕上げ) | 次のいずれかの試験に合格する ・建設分野特定技能1号評価試験(ライフライン・設備) ・技能検定3級(配管) ・技能検定3級(建築板金) ・技能検定3級(冷凍空気調和機器施工) |
外国人材が対象分野の技能実習2号を良好に修了している場合、技能試験が免除となるケースがあります。詳しい内容については分野別の特定技能運用要領を参照してください。
特定技能2号の在留資格を取得するために必要な技能試験の情報
特定技能2号の場合、特定産業分野および業務区分別に定められた特定技能2号評価試験もしくは技能検定1級・2級相当の試験への合格が必要となります。
特定産業分野・業務区分によっては、その他の資格試験への合格が求められることもあります。
たとえば、工業製品製造業分野の場合、特定技能2号評価試験を受験する場合はビジネス・キャリア検定3級の試験もあわせて受験する必要があります。具体的には、機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分の3種類の業務区分に応じて、次の試験に合格することが求められます。
| 項目 | 機械金属加工区分 | 電気電子機器組立て区分 | 金属表面処理区分 |
|---|---|---|---|
| 技能試験 | 次のいずれかの試験に合格する ・製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工) ・技能検定1級(鋳造) ・技能検定1級(鍛造) ・技能検定1級(ダイカスト) ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(金属プレス加工) ・技能検定1級(鉄工) ・技能検定1級(工場板金) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(塗装) ・技能検定1級(工業包装) ・技能検定1級(金属熱処理) | 次のいずれかの試験に合格する ・製造分野特定技能2号評価試験(電気電子機器組立て) ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電子機器組立て) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プリント配線板製造) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(工業包装) | 次のいずれかの試験に合格する ・製造分野特定技能2号評価試験(金属表面処理) ・技能検定1級(めっき) ・技能検定1級(アルミニウム陽極酸化処理) |
| その他の試験 | ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) ※製造分野特定技能2号評価試験を受験する場合のみ(技能検定1級を受験する場合は不要) | ||
特定産業分野や業務区分によって受験すべき試験の内容は異なります。詳細については分野別の特定技能運用要領を参照してください。
日本語試験・技能試験に合格するためには試験対策が必要
特定技能外国人になるための日本語試験・技能試験に合格するには、しっかりとした試験対策が必要です。
たとえば、多くの特定産業分野で特定技能1号の要件として設定されているJLPT N4の認定率は、国内受験者・海外受験者をあわせて5割未満となっています。
| 実施回 | 受験者数(人) | 認定者数(人) | 認定率(%) |
|---|---|---|---|
| 2023年第2回 | 149,334 | 47,243 | 31.6 |
| 2024年第1回 | 157,053 | 64,207 | 40.9 |
| 2024年第2回 | 182,206 | 64,777 | 35.6 |
技能試験についても、全員が合格できる試験ではありません。特に、特定技能2号の技能試験については難易度が高くなっています。たとえば、ビルクリーニング分野の場合、特定技能1号評価試験・特定技能2号評価試験の合格率は次のようになっています。
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験の合格率
| 実施回 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2025年8月11日~25日 | 243 | 178 | 73.3 |
| 2025年8月26日~9月10日 | 316 | 202 | 63.9 |
| 2025年9月11日~30日 | 467 | 326 | 69.8 |
ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験の合格率
| 実施回 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年11月28日 | 30 | 2 | 6.7 |
| 2025年3月27日 | 35 | 5 | 14.3 |
| 2025年6月24日 | 24 | 4 | 16.7 |
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日本語試験・技能試験の対策の流れ
日本語試験・技能試験については、どのような流れで試験対策を進めればよいのでしょうか?ここでは、日本語試験を例として試験対策の流れについて解説します。
- 学習スケジュールを設定する
- 外国人材に合った学習教材を選定する
- 試験範囲の内容を網羅的に学習する
- 実践問題に取り組み本番試験に備える
技能試験の試験内容については、特定産業分野・業務区分によって大きく異なりますが、対策の進め方は日本語試験と共通している部分も多いです。ぜひ各種試験対策の参考にしてください。
学習スケジュールを設定する
日本語試験に合格するためには、試験の実施日程・標準的な学習期間・外国人材が在留できる期間の条件を踏まえて、余裕を持った学習スケジュールを設定する必要があります。
まずは、受験したい試験の実施日程を確認します。特定技能の日本語試験・技能試験の中には、試験日数が少ないものもあるため注意が必要です。たとえば、JLPTの試験の場合、受験できるのは年2回となっています。
試験ごとの標準的な学習期間を調べておく必要もあります。たとえば、JLPT N4試験の標準的な学習時間は350時間程度といわれています。1日あたり2時間程度の学習を継続した場合、学習期間の目安は5.8か月程度となります。
また、外国人材の在留資格によって、日本国内に在留できる期間は異なります。特定技能外国人になるための要件を満たせないまま在留期間が切れてしまった場合、基本的には帰国しなければなりません。そのため、在留期間中に必要な試験に合格する必要があります。
これらの条件を踏まえて、学習を開始すべき時期や学習時間など、試験対策のための学習スケジュールを設定します。
外国人材に合った学習教材を選定する
学習スケジュールが決まったら、外国人材のレベルや学習進度に合った学習教材を選定します。日本語学習の機会としては、次のようなものが挙げられます。
- 日本語学校・日本語教育機関への通学
- 日本語学習講座の受講
- 日本語レッスンの受講(対面・オンライン)
- 日本語学習ツールの使用(公式テキスト・オンライン学習ツールなど)
外国人材は日本での仕事や生活に忙しいため、遠方への通学や長時間の学習時間の拘束は過度な負荷に繋がるおそれがあります。ストレスや疲労が蓄積した結果、職場や仕事に対するエンゲージメントが低下してしまったら元も子もありません。そのため、外国人材に負担がかかりにくい学習教材を選ぶことをおすすめします。
外国人材が継続しやすい学習教材の一つとして、明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」があります。「Japany」はパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からも学習を進めることができる教材です。そのため、通勤時間やランチ休憩など、スキマ時間を有効活用して無理なく学習を継続することができます。
試験範囲の内容を網羅的に学習する
教材を選定したら、まずは試験範囲の内容を網羅的に理解できるよう学ぶ必要があります。ここでは、多くの特定産業分野で特定技能1号を取得するための日本語試験に設定されているJLPT N4試験を例として紹介します。
JLPT N4試験の場合、300字程度の漢字・690語程度の語彙に加え、日本語の基本的な文型が一通り出題されます。これらの内容を目視で一つひとつ覚えていくのはかなりハードルが高いです。
そのため、類義語・対義語など、関連する漢字や語彙をグループ化してまとめて覚えたり、知らない漢字や語彙をノートに書き取って覚えたりするのがおすすめです。
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実践問題に取り組み本番試験に備える
試験範囲の内容が一通り頭に入ったら、問題集などの実践問題に取り組み、本番試験における出題形式に慣れるようにしましょう。
たとえば、JLPT N4試験の場合、最大450字程度の中文読解の問題や、身近な話題に関する会話や説明を聞いて適切な解答を選ぶ聴解問題が出題されます。これらの読解・聴解の問題については、テキストなどで解法のポイントを学んだうえで、問題集を繰り返し解くことが重要です。
日本語試験・技能試験によっては、模擬試験などが設定されている場合もあります。受験できる環境がある場合は、本番試験の形式や雰囲気に慣れるためにも、なるべく模擬試験を経験することをおすすめします。
明光グローバルでは、特定技能2号の取得を目指す外国人材向けに「特定技能2号講座」を実施しています。講座では、特定技能2号の取得に必要な技能試験の内容を網羅的に学習したうえで、本試験を想定したオリジナルの模擬試験を受けることができます。効率的に本番試験に備えられるため、外国人材の合格率を高めることが可能です。
日本語試験のサンプル問題
特定技能外国人になるための日本語試験では、どのような問題が出題されるのでしょうか?ここでは、特定技能1号・2号の取得要件となっている日本語試験のうち、JLPT N4試験・N3試験のサンプル問題を紹介します。
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JLPT N4試験
JLPT N4試験では、次の3種類の試験科目が設定されています。
- 言語知識(文字・語彙)
- 言語知識(文法)・読解
- 聴解
それぞれの科目別に、次のような問題が出題されます。
【言語知識(文字・語彙)】
かせんぶの ことばは ひらがなで どう かきますか。いちばん いい ものを 一つ えらんで ください。
あねは でんしゃで 会社に 通って います。
- むかって
- かよって
- わたって
- もどって
【言語知識(文法)】
(かっこ)に 何を 入れますか。いちばん いい ものを 一つ えらんで ください。
A「わたしの けしゴム、見ませんでしたか。」
B「あ、いすの 下に ( )よ。」
- おちて います
- おちて いません
- おちます
- おちません
【読解】
つぎの ぶんしょうを 読んで、質問に 答えて ください。

※新しい「日本語能力試験」問題例集 N4 試験問題例(日本語能力試験JLPT)より引用
インターネットで、「中野コーヒー」から 100グラム 400円の コーヒーを 500グラム 買いたい です。いくらに なりますか。
- 1,700円
- 1,800円
- 2,000円
- 2,200円
【聴解】
まず 質問を 聞いて ください。それから 話を 聞いて、問題用紙の 中から、正しい答えを 一つ えらんでください。
| <聴解スクリプト> 男の人が女の人に電話しています。男の人は何を買って帰りますか。 M:これから、帰るけど、なにか買って帰ろうか。 F:あ、ありがとう。えーとね、牛乳。それから…。 M:ちょっと待って。牛乳は1本でいいの? F:えっと、2本お願い。それから、チーズ。 M:あれ、チーズはまだたくさんあったよね。 F:ごめん、今日のお昼に全部食べたの。 M:わかった。じゃ、買って帰るね。 男の人は何を買って帰りますか。 |
- ぎゅうにゅう 1本 だけ
- ぎゅうにゅう 1本と チーズ
- ぎゅうにゅう 2本 だけ
- ぎゅうにゅう 2本と チーズ
※新しい「日本語能力試験」問題例集 N4 聴解スクリプト(日本語能力試験JLPT)より引用
JLPT N3試験
JLPT N3試験では、次の3種類の試験科目が設定されています。
- 言語知識(文字・語彙)
- 言語知識(文法)・読解
- 聴解
それぞれの科目別に、次のような問題が出題されます。
【言語知識(文字・語彙)】
下線部のことばの読み方として最もよいものを一つ選びなさい。
鈴木さんはクラスの代表に選ばれた。
- たいひょう
- だいひょ
- だいひょう
- たいひょ
【言語知識(文法)】
つぎの文の(かっこ)に入れるのに最もよいものを一つえらびなさい。
母が短気なの()、父の方は気が長い。
- において
- に対して
- について
- によって
【読解】
つぎの文章を読んで、質問に答えなさい。

※新しい「日本語能力試験」問題例集 N3 試験問題例(日本語能力試験JLPT)より引用
この手紙の中の会社について、正しいのはどれか。
- 「さくら株式会社」は、各国から輸入したバッグを日本で10年以上売っている。
- 「さくら株式会社」は、バッグを輸出するかどうか検討し、今月中に返事をする。
- 「ABC株式会社」は、アジア各国の最新バッグをホームページで紹介している。
- 「ABC株式会社」は、「さくら株式会社」にバッグのカタログと価格表を頼んだ。
【聴解】
まず 質問を 聞いて ください。それから 話を 聞いて、問題用紙の 中から、正しい答えを 一つ えらんでください。
| <聴解スクリプト> ホテルで、会社員の男の人と女の人が話しています。女の人は、明日、何時までにホテルを出ますか。 M:では、明日は、9時半に事務所にいらしてください。 F:はい、えーと、このホテルから事務所まで、タクシーでどのぐらいかかりますか。 M:そうですね、30分もあれば着きますね。 F:じゃあ、9時に出ればいいですね。 M:あ、朝は道が混むかもしれません。15分ぐらい早めに出られた方がいいですね。 F:そうですか。じゃあ、そうします。 女の人は、明日、何時までにホテルを出ますか。 |
- 8時45分
- 9時
- 9時15分
- 9時30分
※新しい「日本語能力試験」問題例集 N3 聴解スクリプト(日本語能力試験JLPT)より引用
日本語試験・技能試験の対策のポイント・注意点
特定技能の日本語試験・技能試験の対策の際には、どのような点に気をつける必要があるでしょうか?ここでは、特定技能の日本語試験・技能試験対策に向けたポイント・注意点を解説します。
- 余裕を持ったスケジュールで試験対策を行う
- 実務と結びつけて学習する
- 定期的に学習進捗を確認し、外国人材の学習を支援する
- ピンポイントで試験対策ができる効率的な教材を活用する
余裕を持ったスケジュールで試験対策を行う
一つ目のポイントは、余裕を持ったスケジュールで試験対策を行うことです。
前述のとおり、日本語試験・技能試験によっては、実施日程が少ないことがあります。外国人材が日本に在留できる期間に余裕がない場合、試験に不合格になってしまったときに再受験ができないリスクがあります。
特定技能の日本語試験・技能試験は、決して難易度の低い試験ではありません。取り返しのつかないことにならないよう、余裕を持って試験に合格できる学習スケジュールを設定することが重要です。
実務と結びつけて学習する
二つ目のポイントは、実務と結びつけて学習することです。
たとえば、技能試験では、外国人材が職場で実際に取り組んでいる仕事に関連する内容も多く出題されます。外国人材本人が経験していない学習内容については、上司や先輩、メンターなどにアドバイスを求めることで、将来的な仕事に関する理解度や組織のチームワークを高めることができます。
日本語試験のテキストで新しく習った単語や熟語については、職場の同僚との会話など、仕事の中で積極的に使うことで反復学習ができます。間違った使い方をしている場合には指摘してもらうようにすると、日本人らしい自然な使い方を学習する効果も得られます。
定期的に学習進捗を確認し、外国人材の学習を支援する
三つ目のポイントは、企業側が定期的に外国人材の学習進捗を確認し、学習を支援することです。
特定技能の日本語試験・技能試験に向けた学習は孤独になりがちです。外国人材によっては、悩みやつまずきをスムーズに上司や先輩に相談できず、学習が停滞してしまうおそれがあります。
学習の停滞を防ぐには、定期的に企業側の担当者が外国人材の学習進捗を確認することが重要です。また、必要に応じて学習内容に対するアドバイスを提供すると、外国人材がスムーズに学習を進めることができます。
ピンポイントで試験対策ができる効率的な教材を活用する
ピンポイントで日本語試験・技能試験の対策ができる効率的な教材を活用することも、合格率を高めるうえで非常に重要です。
仕事や生活で忙しい外国人材が独力で最適な教材にアクセスすることは難しいため、企業側で教材を提供することが一般的です。限られたスケジュールで合格ラインに到達するためには、試験範囲の内容を効率的に学ぶ必要があります。
外国人材に対する特定技能の取得支援に慣れていない企業の中には、どの試験対策教材を選ぶべきか迷われている担当者も多いです。また、特定技能2号の技能試験を中心に、公式テキストや問題集が用意されていない試験もあり、どのように対策を進めるべきかわからないといったお悩みもよく聞かれます。
明光グローバルでは、特定技能1号の取得に向けた日本語試験・技能試験対策ができる外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」や、集中的に特定技能2号の技能試験対策ができる「特定技能2号講座」などの教材を提供しています。特定技能の取得に向けた試験対策教材の選定にお悩みの方は、ぜひ明光グローバルまでお気軽にご相談ください。
特定技能試験対策なら明光グローバルにお任せください
特定技能外国人になるためには、特定産業分野や業務区分に応じて課される日本語試験・技能試験に合格する必要があります。外国人材が日本に在留できる期間に限りがある中で、これらの試験にスムーズに合格するためには、しっかりとした試験対策や適した教材の選定が不可欠です。一方、外国人材を雇用している企業の中には、試験対策の進め方や教材の選び方にお悩みの方も多いです。
明光グローバルでは特定技能に特化した人材紹介事業に加えて、教育研修事業を実施しています。中でも、外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」や「特定技能2号講座」などを活用することで、特定技能の取得に必要な日本語試験・技能試験を効率的に対策することができます。
最後に、特定技能の取得に向けた試験対策に課題感をお持ちの経営者や人事、教育担当者の方に向けて、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能外国人やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
外国人社員向け各種教育・研修サービス
明光グローバルでは、外国人材の日本語能力向上と各業界に特化した学習支援を4つの柱で展開しています。時間や場所を問わない「Japany」でのeラーニングから、ビジネス経験豊富な講師による個別指導まで、幅広いニーズに対応できることが特徴です。
| サービス | 概要 |
|---|---|
| 外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」 | ・1,400本以上の豊富な動画教材 ・N5~N1レベルまでの総合的な学習コンテンツ ・多言語対応により初学習者も安心して学習が可能 ・特定技能2号試験対策コンテンツも搭載(外食業、飲食料品製造業、製造業、宿泊業) |
| オンライン日本語レッスン | ・ビジネス経験豊富な講師による個別指導 ・業界別カスタマイズカリキュラム ・定期的にレッスン報告書を企業に提供 |
| 各種研修プログラム | 【外国人材向け】新入社員研修、異文化理解研修等 【日本人社員向け】外国人材受入れ研修等 |
| 各種試験対策講座 | ・専門講師が直接指導 ・実施方法はオンライン/対面いずれも対応可能 ・受講人数や実施回数など企業毎にカスタマイズして対応可能 ※介護福祉士試験対策講座、特定技能2号試験対策講座(外食、飲食料品製造、製造業、建設の4分野に対応) |
オンライン日本語学習ツール「Japany」
「Japany」は、明光キャリアパートナーズが提供している外国人向けオンライン日本語学習ツールです。
Japanyを活用すれば、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策など、合計1,400本以上の豊富な動画教材を活用して学ぶことができます。そのため、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることができます。
また、パソコンやスマートフォンを使って、スキマ時間に自分のペースで学習できるのも特徴的です。
さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
Japanyは「IT導入補助金2025」の対象ツールに採択されています。そのため、中小企業や小規模事業者がJapanyを導入する際、IT導入補助金の対象として採択・交付が決定された場合、導入費用の最大50%、150万円までの補助を受けることが可能です。教育コストをかけられない企業の方でも導入しやすいため、お気軽にお問い合わせください。
| 受講形態 | e-ラーニング |
| 対象者 | 企業に在籍する外国人籍社員・帰国子女など |
| プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
| 受講期間 | コースによって異なる |
| 料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
特定技能2号講座
明光グローバルでは、特定技能2号の取得を目指す外国人材を支援するため、高い合格率を誇る「特定技能2号講座」を提供しています。
明光グローバルの特定技能2号講座の特徴は次の3点です。
- 業種別の実務に直結する専門知識が学べる
- 「Japany」を活用してスキマ時間に反復学習ができる
- 模擬試験で出題傾向の把握と実践的な対策が可能
特定産業分野のうち、2025年5月時点では外食・飲食料品製造・製造業・建設分野を対象にしており、2〜8か月間で特定技能2号試験の合格に向けて対策が可能です。企業に合わせて柔軟に講座を組むことができるため、日程調整がしやすくなっています。
| 特定産業分野 | 対象となる試験 | 対応人数 | 講座のボリューム |
|---|---|---|---|
| 外食業 | ・外食業特定技能2号技能測定試験 | 10名まで | 3ヶ月(計20時間) |
| 飲食料品製造業 | ・飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験 | 10名まで | 2ヶ月(計16時間) |
| 工業製品製造業 | ・製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理) ・ビジネス・キャリア検定3級 | 10名まで | 8ヶ月(計66時間) |
| 建設業 | ・建設分野特定技能2号評価試験(土木、建築、ライフライン・設備) | 10名まで | 6ヶ月(計68.1~88.6時間) |
まとめ
特定技能外国人になるためには、特定産業分野や業務区分に応じて課される日本語試験・技能試験などの試験に合格する必要があります。特定技能の日本語試験・技能試験は基本的に難易度が高く設定されており、合格するためにはしっかりとした試験対策が必要です。
外国人材の在留期間中に試験に合格することができなかった場合、外国人材は帰国しなければなりません。限られた在留期間の中で外国人材が試験に合格するためには、学習スケジュールの管理と教材選定が重要となります。
これらの面では、企業による力強いサポートが求められます。一方、外国人材の採用・教育に慣れていない企業の中には、試験対策の進め方や教材の選び方などに不安を抱えている担当者も多いです。
明光グローバルには、特定技能の日本語試験・技能試験の内容を外国人材のペースで学習できる外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」があります。
また、難易度の高い特定技能2号試験については、集中して対策できる「特定技能2号講座」も提供しています。特定技能外国人に対する試験対策や教育研修にお悩みの企業の経営者や人事、教育担当者の方は、ぜひお気軽に明光グローバルまでご相談ください。



