株式会社明光キャリアパートナーズが運営する「明光グローバル」では、自治体や企業・団体のニーズに合わせ、独自の日本語教育サービスを展開しています。明光グローバルの学習コンテンツやサービスを組み合わせた代表的な事例としては、2期連続で日本語教育支援を実施している茨城県のケースが挙げられます。
本記事では、茨城県の外国人材に対する明光グローバルの日本語教育支援事例について紹介します。明光グローバルの支援実例について知りたい企業の経営者や人事・教育担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
明光グローバルは茨城県における外国人材の日本語教育を支援している
明光グローバルは、茨城県の外国人材に対する日本語教育を支援しています。具体的には、茨城県内の外国人材に対して、次を中心としたサービスを展開しています。
サービス | 概要 |
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日本語e-ラーニングシステム | 明光グローバルの「Japany」をベースにした「茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステム」を提供しています。これにより、県内の企業に勤める外国人材や、これから就業を予定している外国人材の日本語能力の向上をサポートしています。 |
伴走支援(コーチング) | 県内の意欲的な学習者に対して、コーチング支援を実施しています。学習進捗の確認や学習計画・学習内容に関するアドバイスを通して、外国人材の自発的な成長を促しています。 |
明光グローバルでは、これらのサービスを2期連続で提供しており、茨城県内の外国人材の日本語能力開発に貢献しています。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を4期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
事業 | サービス |
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教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
茨城県における外国人材の日本語教育の必要性
茨城県では、なぜ外国人材に対する日本語教育が進められているのでしょうか?その背景には、茨城県が外国人材に対して日本語教育を実施する必要性を強く認識していることがあります。ここでは、茨城県における外国人材の日本語教育の必要性について解説します。
県内の人手不足を解消するには外国人材の積極的な受け入れが必要
茨城県で外国人材の日本語教育の必要性が高まっている背景には、県内の人手不足解消に向けた外国人材の積極的な受け入れがあります。
茨城県では、1995年にピークを迎えて以降、生産年齢人口が減少の一途をたどっています。2040年にはピーク時の2/3程度まで生産年齢人口が落ち込むことが見込まれており、茨城県内における人材確保はより一層難しくなると考えられます。
・日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)(国立社会保障・人口問題研究所)-e1750039380728.png)
※国勢調査(総務省統計局)・日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)(国立社会保障・人口問題研究所)をもとに作成
このような人手不足に直面している茨城県では、積極的に外国人材の受け入れが推進されており、茨城県内の在留外国人数は増加傾向にあります。2024年6月時点では97,038人が在留しており、今後ますます茨城県で働く外国人材は多くなっていくと考えられます。

画像引用元:県内の在留外国人数(茨城県)
多文化共生社会を推進し外国人材に選ばれる県になるためには日本語教育が不可欠
茨城県内の人手不足の解消に向け、外国人材に長期的に定着してもらうには、多文化共生社会を実現し、外国人材に選ばれる県づくりが必要です。この一環として、茨城県では県内どこにいても日本語学習の機会が得られる環境と関係機関の連携体制が構築されています。
具体的には、次の取組が挙げられます。
- 地域日本語教育人材(学習支援者など)の養成・確保
- 日本語教室がない地域に対しての日本語学習環境の整備
- 「居場所・協働の場」「基礎日本語教育」の啓発・取組支援
- 先駆的な実践取組を事例として紹介
- 関係機関等との連携の充実
明光グローバルの日本語教育支援サービスは、日本語教室がない地域に対しての日本語学習環境の整備に資すると考えております。
明光グローバルの日本語教育支援サービスの導入経緯
茨城県は、どのようなポイントから、明光グローバルの日本語教育支援サービスを導入したのでしょうか?
茨城県は、外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムを提供するにあたり、複数社の提案内容を比較して導入サービスを検討しました。
そこで、明光グローバルでは次のような支援を提案しました。
支援内容 | 概要 |
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学習者のモチベーションアップ | 明光グローバルの「Japany」には、実力診断テストやコンテンツレコメンド機能など、学習者のモチベーションを維持するさまざまな仕組みが搭載されています。また、企業内順位を表示できるランキング機能を活用すれば、学習者同士で切磋琢磨しながら日本語能力を高め合うことが可能です。 |
企業担当者による学習状況の管理 | 明光グローバルの「Japany」には、企業担当者が自社の外国人材の学習状況をスムーズに確認できる管理者画面が搭載されています。学習が停滞している場合にはアラート機能を活用して通知することもできるため、確実に外国人材の日本語能力を向上させることが可能です。 |
導入に必要な事務・サポートを一括対応 | 明光グローバルでは導入に必要な事務・サポートをすべて対応しています。事務局・ヘルプデスクの運営やサービスの普及に向けた広報・PR活動、多言語対応版のエントリーフォーム・ランディングページなどの開発・運用・保守もお任せいただくことが可能です。 |
このような点が評価され、外国人材に対する日本語教育課題の解決に向けて、明光グローバルの日本語教育支援サービスが導入されたものと考えております。
明光グローバルによる日本語教育支援サービスの提供内容
それでは、明光グローバルは茨城県に対して具体的にどのような日本語教育支援を提供しているのでしょうか?明光グローバルでは、次のサービスを導入しています。
- 「茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステム」
- 事務局・ヘルプデスクの運営
- 学習者への伴走支援(コーチング)
- ホームページやエントリーフォームの運用・保守
- 茨城県への月次報告
「茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステム」は、明光グローバルの「Japany」をベースとした外国人向けオンライン日本語学習ツールとなっています。運用の仕組みは、下の図のとおりです。

明光グローバルは、茨城県内の企業や個人との直接的な窓口として、利用申請の受託やアカウント発行などの作業を実施しています。茨城県側の作業は利用承認のみとなっているため、直接企業や個人とやり取りをすることなく運用できます。
このように、明光グローバルがコンテンツ開発から事務局運営までワンストップで支援することで、茨城県側の負担を最小化しながら効率的な日本語教育支援サービスの提供を実現しています。
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムの概要
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムとは、明光グローバルの「Japany」をベースにした日本語学習支援システムです。茨城県内の企業や留学生、茨城県への就職を希望する外国人は、本サービスを無償で活用することが可能です。ただし、利用開始にあたっては申請が必要となります。
学習者は、次のステップでスムーズに日本語学習を進めることができます。
ステップ | 概要 |
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1. 目標入力 | 学習者が目標とするJLPTのレベルや会話のレベルを設定する。 |
2. 実力診断テストの受講 | 実力診断テストを受講し、現在の学習者の日本語能力を測定する。 |
3. おすすめコースにあわせた学習 | コンテンツレコメンド機能により自動的に表示されるおすすめコースに合わせて学習を進める。 |
他にも、茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムにはさまざまな特徴があります。ここでは、茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムの特徴を紹介します。
スキマ時間を活用していつでもどこでも学習が可能
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムは、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末にも対応しています。そのため、通勤時間やランチ休憩といったスキマ時間を活用して、いつでもどこでも学習が可能です。
これにより、どの地域に住んでいる外国人材でも、学習が進められる環境を実現しています。
計1,200本以上の動画により幅広いニーズに対応
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムには、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策など、合計1,200本以上の豊富な動画教材が収録されています。具体的には、次のようなプログラム内容が収録されています。
プログラム | 概要 |
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日本語試験対策 | JLPT・JFT Basicに対応しています。語彙・文法から実践的な読解・聴解対策まで、合格に必要な学習項目を網羅しています。試験対策だけでなく、日常生活やビジネスシーンにも応用できる内容となっています。 |
せいかつの日本語 | JLPT N5〜N4レベルの学習者が、日常生活に必要な日本語を学ぶ講座です。文法の解説・口頭練習・ロールプレイを通じて生活に必要な日本語のコミュニケーション能力の向上を目指すことができます。 |
特定技能試験対策 | 特定技能として働くために必要な技能測定試験の対策講座です。業界・業種別の特定技能1号評価試験・特定技能2号評価試験に対応しています。 |
しごとの日本語 | 日本で働くために必要な日本語コミュニケーションを学ぶ講座です。業務指示の理解や、上司や先輩への報告・連絡・相談、依頼や誘いを受けるなどの基本的なビジネス日本語が学べます。また、ITエンジニア・外食・介護など、各業界のビジネス会話に対応した日本語表現を学ぶことも可能です。 |
これらの動画教材を組み合わせて、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることが可能です。
外国人材の母国語での学習が可能
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムは、これから初めて日本語を学ぶ場合にもスムーズに学習が進められるよう、計10言語での学習が可能となっています。具体的には、次の言語に対応しています。
- 英語
- 中国語
- ベトナム語
- インドネシア語
- ミャンマー語
- タガログ語
- モンゴル語
- タイ語
- ネパール語
- クメール語
外国人材の母国語で学ぶことができるため、慣れない日本での生活や仕事の合間にも継続しやすくなっています。
実力診断テストなどを活用して学習モチベーションアップ
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムには、現在のレベルと目標の差を可視化することができる実力診断テスト機能が搭載されています。テスト結果に応じて、システムが自動的に学習者ごとのおすすめコースを提示する仕組みになっているため、日本語レベルや学習進度に合わせて学ぶことができます。
実力診断テストの他にも、単元別テストや振り返りチェックテストなど、さまざまなテストがあります。学習の定着度をその都度確認できるため、効率よく自主学習を進めることが可能です。
企業担当者が外国人材の学習状況をスムーズに管理
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムには、自社で雇用している外国人材の学習状況を一括で確認・管理できる、便利な管理者機能が導入されています。
管理者機能では、学習者ごとの受講コース名や日々の学習時間、テストの点数などを網羅的に確認することができます。学習者のログインがない場合には、アラート機能で通知することも可能です。
レポート機能を活用すれば、必要な情報をピンポイントで抽出・把握することも可能です。CSV出力にも対応しているため、パソコンへのデータの取り込みや分析もスムーズに進めることができます。
「ログインのためのID・パスワードを忘れてしまった」など、外国人材の日本語学習はひょんなことから停滞してしまうことがあります。管理者機能を有効活用することで、外国人材の日本語学習の停滞を防ぎ、確実に日本語能力を向上させることができます。
明光グローバルによる茨城県の外国人材への日本語教育支援の反応
明光グローバルによる茨城県の外国人材への日本語教育支援施策について、茨城県内の企業や外国人材はどのような反応を示しているのでしょうか?
茨城県内で外国人材を採用している企業では、日本人とのコミュニケーションレベルの向上や技能習得能力の向上、外国人材のキャリアアップのためには日本語能力の向上が必要との声が挙がっています。このような課題意識を持つ企業で、茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムの活用が進んでいます。
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムは、主に技能実習生や特定技能人材を中心に活用されています。日本語能力レベルとしては、JLPT N5~N3レベルまでの学習者が多くなっています。
茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムの学習者を対象にしたアンケート調査では、8割以上の学習者が「とてもつかいやすい」「つかいやすい」と反応しています。

※茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステム学習者向けアンケート結果(令和7年1月8日実施)(明光グローバル)より作成(回答者数):17名)
また、茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムのホームページでは、学習時間の上位入賞者のコメントを掲載しています。具体的には次のようなコメントが寄せられています(原文ママ)。
- 私もさいしょは何もわからなかったけど、日本語を勉強して資格をとることができました。みなさんがんばってください。
- 私は勉強を始まる時漢字も読めないし新しい言葉をいっぱい出てくるし意味はあまり分からない。でも少しずつ勉強すると段々分かるから。日本語が難しいですが勉強すると面白いです。皆さんでも出来ると思います、頑張って下さい。
- 私も含めて勉強はつまらないと思っている人が多いと思いますが、勉強を習慣にすると面白くなって知識も増えますので、これからも熱心に勉強していきましょう
このように、茨城県外国人向け日本語学習支援e-ラーニングシステムの導入を通して、県内の外国人材が切磋琢磨し合いながら日本語能力を高め合う環境が構築されてきています。
まとめ
外国人材への日本語教育支援は、茨城県における多文化共生社会の推進や外国人材に選ばれる県づくりに欠かせない重要な役割を担っています。県内のどこからでも質の高い日本語学習ができる環境づくりに、明光グローバルのコンテンツやサービスが貢献しています。
本事例でも紹介したように、明光グローバルには、外国人材への日本語教育に関するさまざまな知見・ノウハウがあります。多種多様な教育コンテンツやサービスを掛け合わせることで、企業・団体や自治体のニーズに即した課題解決が可能です。
外国人材への日本語教育にお悩みの自治体・企業の方は、ぜひお気軽に明光グローバルまでお問い合わせください。