近年、少子高齢化を背景とした人手不足の進行や、グローバル化に対応する高度な技能を有する人材の獲得に向け、外国人労働者を雇用する事業者が増えています。省庁や自治体では、外国人労働者の雇用を推進するためにさまざまな助成金・補助金が導入されています。
企業の中には、「どんな助成金・補助金があるのか」「実際にいくら支給されるのか」といったお悩みを抱えている方も少なくありません。
今回は、外国人労働者を雇用する事業者が活用できる助成金・補助金の種類や、いくら支給されるのかの目安について解説します。外国人雇用に関連する助成金・補助金の活用に関心のある経営者や人事担当者の方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
助成金・補助金の概要
助成金・補助金は、どちらも事業者を対象に、省庁や自治体等から支給される返済不要の資金です。ここでは、助成金・補助金の概要について解説します。
助成金とは
助成金とは、厚生労働省が中心となって管掌している、従業員の雇用・教育・労働環境の改善などの人的資本に関する取り組みを行う事業者を支援するための資金のことです。
事業者が支給要件を満たしていれば、原則として受給することができる点が特徴的です。ただし、支給額は補助金よりも少額であることが多いです。
補助金とは
補助金とは、経済産業省や地方自治体等が運営している、設備投資やシステム開発投資といった事業支援のために事業者に支給される資金のことです。
事業支援を目的としているため、支給額は助成金よりも大きいことが多いです。一方、補助金の要件を満たしていても、審査に採択されなければ受給することができない点に注意が必要です。
外国人を雇用すると助成金・補助金はいくら支給される?
外国人雇用で活用できる主な助成金・補助金としては、次のものが挙げられます。なお、支給額についてはあくまで目安であり、利用するコースや申請枠、事業主の規模や対象となる人材・サービスの状況、取り組みの内容等によって変動する点に留意してください。
種類 | 名称 | 概要 | 支給額(目安) |
---|---|---|---|
助成金 | 人材確保等支援助成金 | 外国人労働者に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組んでいる事業主を対象として支給される助成金 | 1制度の導入あたり20万円(上限80万円) |
人材開発支援助成金 | 労働者に専門的な知識や技能を習得させるために職業訓練を実施する事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を支給する助成金 | 経費助成:経費の30~70% 賃金助成:対象となる人材1名・1時間あたり380~960円 (人材育成支援コース・人材育成訓練の場合) | |
キャリアアップ助成金 | 有期雇用労働者等の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主を支援する助成金 | 対象となる人材1名あたり15~80万円 (正社員化支援コースの場合) | |
トライアル雇用助成金 | 就職が困難となっている求職者に対して、無期雇用契約へ移行することを前提に一定期間トライアル雇用を行う事業主に支給される助成金 | 対象となる人材1名あたり4~5万円 | |
補助金 | IT導入補助金2025 | 中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的に、業務効率化やDX等に必要なITツールの導入を支援する補助金 | 対象となる経費の50%以内(上限450万円) |
地方自治体による外国人雇用支援補助金 | 各地域の事業者を対象に外国人雇用等を推進するための補助金 | 運営元の地方自治体による |
外国人を雇用したときに利用できる助成金
外国人を雇用したときに利用できる主な助成金としては、次のものが挙げられます。これらの助成金はすべて厚生労働省が管掌しています。
- 人材確保等支援助成金
- 人材開発支援助成金
- キャリアアップ助成金
- トライアル雇用助成金
ここでは、外国人を雇用したときに利用できる助成金について詳しく解説します。
人材確保等支援助成金(厚生労働省)
人材確保等支援助成金とは、外国人労働者に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組んでいる事業主を対象として支給される助成金です。
人材確保等支援助成金が支給されるためには、就労環境整備計画を策定の上、外国人労働者に対して就労環境整備措置として次の取り組みを新たに導入する必要があります。
分類 | メニュー | 概要 |
---|---|---|
必須メニュー | 雇用労務責任者の選任 | 事業所ごとに雇用労務責任者を選任の上、外国人労働者に周知するとともに1回以上の面談を行う。 |
就業規則等の多言語化 | 就業規則・労働協約・労働条件通知書・雇用契約書のうちいずれかを多言語化し、計画期間中に雇用する外国人労働者に周知する。 | |
選択メニュー (いずれかを実施) | 苦情・相談体制の整備 | 外国人労働者の苦情・相談に応じるための体制を構築し、外国人労働者の母国語または本人が使用するその他の言語により苦情・相談に応じる。 |
一時帰国のための休暇制度の整備 | 外国人労働者が一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得できる制度を設置し、1年間に1回以上の連続した5日以上の有給休暇を取得させる。 | |
社内マニュアル・標識類等の多言語化 | 社内マニュアルや標識類等を多言語化し、計画期間中に外国人労働者に周知する。 |
人材確保等支援助成金の申請から支給までには、次のステップがあります。
- 就労環境整備計画の作成・提出:就労環境整備計画を作成の上、提出期間内に本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出する。計画期間は3ヶ月以上1年以内とする。
- 就労環境整備措置の導入・実施:上述の就労環境整備措置について労働協約または就業規則に明文化のうえ、提出した就労環境整備計画に従って措置を実施する。
- 支給申請・決定:支給申請書類を作成の上、就労環境整備措置の実施日の翌日から6ヶ月経過した翌日から2カ月以内に、本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出する。
その他、人材確保等支援助成金に関する詳細は次のとおりです。より詳しい内容については厚生労働省のホームページを参照してください。
項目 | 内容 |
---|---|
対象となる人材 | 雇用保険の被保険者となる外国人労働者(ただし、特別永住者および在留資格「外交」「公用」を除く) |
対象となる企業 | 対象となる外国人労働者を雇用している事業主 |
支給要件 | ・就労環境整備措置の実施日の翌日から6ヶ月経過するまでの期間の外国人労働者の離職率が15%以下であること ・外国人雇用状況届出を適正に届け出ていること |
支給額 | 受給要件を全て満たした場合、1制度導入につき20万円が支給(上限80万円) |
申請から支給までにかかる期間 | 6ヶ月以上 |
参照元:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)(厚生労働省)
人材開発支援助成金(厚生労働省)
人材開発支援助成金は、労働者に専門的な知識や技能を習得させるために職業訓練を実施する事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を支給する助成金です。
人材開発支援助成金には、事業主が取り組む内容に従って、7種類のコースが設けられています。具体的には次のとおりです。
- 人材育成支援コース:職務に関連する知識・技能を習得させるための訓練や、厚生労働大臣の認定を受けているOJT付きの訓練、非正規雇用労働者を対象に正社員化を目指すための訓練等を実施した場合に助成金が支給されるコース
- 教育訓練休暇等付与コース:有給教育訓練等制度を導入し、従業員が当該休暇を取得して訓練を受けた場合に助成金が支給されるコース
- 人への投資促進コース:デジタル人材・高度な技能を有する人材を育成するための訓練や、労働者が自発的に行う訓練、サブスクリプション型の定額制訓練等を実施した場合に助成金が支給されるコース
- 事業展開等リスキリング支援コース:新規事業の立ち上げといった事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるための訓練を実施した場合に助成金が支給されるコース
- 建設労働者認定訓練コース:建設関連の認定職業訓練または指導員訓練を実施した場合や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合に助成金が支給されるコース
- 建設労働者技能実習コース:雇用する建設労働者に対して、知識・技能の向上のために有給で実習を受講させた場合に助成金が支給されるコース
- 障害者職業能力開発コース:障害者が就労するにあたって必要な能力を開発・向上させるために一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行った場合に助成金が支給されるコース
外国人労働者を雇用している事業者では、人材育成支援コースにおける人材育成訓練の枠組みを活用して助成金を申請することが多いです。このコース・枠組みでは、雇用している労働者に対して以下の訓練を実施した場合に、経費助成・賃金助成が発生します。
- 10時間以上のOFF-JT
- 新卒者等のために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練
- 有期契約労働者等の正社員転換を目的として実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練
人材育成支援コース・人材育成訓練の枠組みで人材開発支援助成金を活用する場合、申請から支給までには、次のステップがあります。
- 訓練計画の提出:雇用保険適用事業所ごとに職業訓練実施計画届等の申請書類を作成の上、訓練開始日から1か月前までに各都道府県労働局に提出する
- 訓練の実施:対象となる人材に、対象となる事業内訓練・事業外訓練等を受講させる
- 支給申請書の提出:支給申請書等の書類を作成の上、訓練終了日の翌日から2カ月以内に労働局に提出する
- 助成金の支給・不支給決定:労働局で支給審査を行い、支給・不支給を決定する
人材育成支援コース・人材育成訓練の枠組みに関する詳細は次のとおりです。より詳しい内容については厚生労働省の案内を参照してください。
項目 | 内容 |
---|---|
対象となる人材 | 外国人材を含む、雇用保険被保険者もしくは有期契約労働者等 |
対象となる企業 | 対象となる人材に対して、対象の訓練を実施する雇用保険適用事業所の事業主 |
支給要件 | ・人事・教育担当の課長等から、職業能力開発推進者を1名以上選任していること ・事業内職業能力開発計画を策定し、対象となる人材に周知していること |
支給額 | 経費助成 ・雇用保険被保険者(有期雇用労働者等を除く)の場合:45%(ただし中小企業以外の場合30%) ・有期雇用労働者等の場合:60% ・有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合:70% ※実訓練時間数に応じて経費助成限度額あり 賃金助成 ・中小企業の場合:対象となる人材1名・1時間あたり760円(ただし、賃金要件等を満たす場合には960円) ・中小企業以外の場合:対象となる人材1名・1時間あたり380円(ただし、賃金要件等を満たす場合には480円) |
申請から支給までにかかる期間 | 2~3ヶ月以上 |
参照元:
キャリアアップ助成金(厚生労働省)
キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用の労働者(以降「有期雇用労働者等」)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主を支援する助成金です。
キャリアアップ助成金には、正社員化支援・処遇改善支援の支援目的に合わせて、合計7種類のコースが設置されています。具体的には次のとおりです。
分類 | コース | 概要 |
---|---|---|
正社員化支援 | 正社員化コース | 有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成金を支給するコース |
障害者正社員化コース | 障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に助成金を支給するコース | |
処遇改善支援 | 賃金規程等改定コース | 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額した場合に助成金を支給するコース |
賃金規程等共通化コース | 有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成金を支給するコース | |
賞与・退職金制度導入コース | 有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給または積立てを実施した場合に助成金を支給するコース | |
社会保険適用時処遇改善コース (2026年3月末日まで) | 有期雇用労働者等を新たに社会保険に適用させるとともに、手当支給・賃上げ・労働時間延長等で収入を増加させた、または、週所定労働時間を延長し社会保険に適用させた場合に助成金を支給するコース | |
短時間労働者労働時間延長支援コース | 有期雇用労働者等が新たに社会保険の適用となる際に、労働時間の延長等により労働者の収入を増加させる |
処遇改善支援の5つのコースについては、全ての外国人労働者が支給対象になっています。正社員化支援の2つのコースについても外国人労働者が対象となりますが、在留資格「技能実習」「特定技能1号」の労働者やEPAで受け入れられた看護師等については支給対象外となります。
キャリアアップ助成金の申請から支給までには、次のステップがあります。
正社員化支援の2つのコースの場合
- キャリアアップ計画書の作成・提出:コース実施の前日までにキャリアアップ計画書を作成の上、管轄の労働局に提出する。
- 就業規則等の改定・正社員化:正社員化規定がない場合、就業規則等を改定する。改定した就業規則等に基づいて対象となる人材を正社員化する。
- 対象となる人材への賃金支給:正社員化後、6ヶ月分の賃金を支給する。正社員化前6ヶ月と比較して3%以上賃金が増額していることが必要となる。
- 支給申請・審査・決定:申請書類等を作成の上、6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2ヶ月以内に労働局に提出する。労働局にて審査の上、支給可否を決定する。
処遇改善支援の5つのコースの場合:
- キャリアアップ計画書の作成・提出:コース実施の前日までにキャリアアップ計画書を作成の上、管轄の労働局に提出する。
- 取り組みの実施:就業規則・賃金規程の改定や社会保険の適用等、コースごとに必要な取り組みを実施する。
- 対象となる人材への賃金支給:取り組み後、6ヶ月分の賃金を支給する。
- 支給申請・審査・決定:申請書類等を作成の上、6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2ヶ月以内に労働局に提出する。労働局にて審査の上、支給可否を決定する。
その他、キャリアアップ助成金に関する詳細は次のとおりです。より詳しい内容については厚生労働省の案内を参照してください。
項目 | 内容 |
---|---|
対象となる人材 | 外国人材を含む、有期雇用労働者等(正社員化支援の2つのコースの場合、在留資格「技能実習」「特定技能1号」の労働者・EPAで受け入れられた看護師等は支給対象外) |
対象となる企業 | 対象となる人材を雇用する雇用保険適用時事業所である事業主 |
支給要件 | ・キャリアアップ計画を作成し、計画期間内に記載した正社員化・処遇改善等の取組を実施していること ・雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること |
支給額 | 正社員化支援の2つのコース ・有期雇用労働者の場合:1名あたり40~80万円(大企業の場合30~60万円) ・無期雇用労働者の場合:1名あたり20~40万円(大企業の場合15~30万円) ※別途要件を満たした場合加算額が発生 処遇改善支援の5つのコース ・コースによって異なる |
申請から支給までにかかる期間 | 6ヶ月以上 |
トライアル雇用助成金(厚生労働省)
トライアル雇用助成金は、職業経験の不足等から就職が困難となっている求職者に対して、無期雇用契約へ移行することを前提に一定期間トライアル雇用を行う事業主に支給される助成金です。
トライアル雇用助成金の支給対象となるには、対象となる人材が以下の要件をすべて満たす必要があります。要件を満たしていれば、国籍を問わず支給対象者となります。
- 1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望していて、トライアル雇用制度を理解した上で、トライアル雇用による雇入れを希望している
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以降「ハローワーク等」)に求職申込をしている
- ハローワーク等の職業紹介の日(以降「紹介日」)において、以下のいずれにも該当しない
- 安定した職業に就いている
- 自ら事業を営んでいる者又は役員等に就いている者であって、1週間当たりの実働時間が30時間以上
- 学校に在籍している
- トライアル雇用期間中のトライアル雇用労働者である
- 以下のいずれかに該当する
- 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
- 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている
- 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
- 60歳未満で安定した職業に就いておらず、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている
- 生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父等、就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する者に該当する
トライアル雇用助成金を活用する場合、申請から支給までには、以下のステップがあります。
- トライアル求人の申込・職業紹介:事前にハローワーク等にトライアル雇用求人を申し込み、職業紹介を受ける。
- 採用選考・トライアル雇用開始:トライアル雇用を希望する求職者を選考の上、トライアル雇用を開始する。トライアル雇用の期間は原則3ヶ月とする。
- トライアル雇用実施計画書の作成・提出:求職者・事業主間でトライアル雇用期間終了時点での常用雇用への移行に向けた要件を確認する。作成したトライアル雇用実施計画書は、雇入れから2週間以内にハローワークに提出する。
- トライアル雇用助成金の支給申請・支給決定:トライアル雇用終了後、2ヶ月以内に労働局へトライアル雇用助成金の支給申請を提出する。申請内容を確認の上、労働局から助成金が支給される。
その他、トライアル雇用助成金に関する詳細は次のとおりです。より詳しい内容については厚生労働省の案内を参照してください。
項目 | 内容 |
---|---|
対象となる人材 | 外国人材を含む、職業経験の不足等から就職が困難な求職者等 ※別途詳細要件あり |
対象となる企業 | 対象となる人材に対して、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定期間試行雇用を行う全ての事業主 |
支給要件 | ・事前にトライアル雇用求人をハローワーク等に提出していること ・対象となる人材を原則3ヶ月のトライアル雇用で雇い入れること |
支給額 | 対象となる人材1名につき月額4万円(対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合5万円) ※就労日数に応じた減額要件あり |
申請から支給までにかかる期間 | (トライアル求人の申込から)3か月以上 |
参照元:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(厚生労働省)
外国人を雇用したときに利用できる補助金
外国人を雇用したときに利用できる主な補助金としては、次の2つが挙げられます。
- IT導入補助金2025
- 地方自治体による外国人雇用支援補助金
この章では外国人を雇用したときに利用できる補助金について詳しく解説します。
IT導入補助金2025(中小企業基盤整備機構)
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的に、業務効率化やDX等に必要なITツールの導入を支援する補助金です。IT導入補助金を活用することで、外国人の雇用に関連するITツールを導入する際のコストを削減することが可能です。
IT導入補助金には、次の5種類の申請枠が設置されています。
- 通常枠:事業のデジタル化を目的としたソフトウェア・システムの導入を支援するための申請枠
- インボイス枠(インボイス対応類型):インボイス制度に対応するために導入される会計ソフト・受発注ソフトや、パソコン・ハードウェア等の導入を支援するための申請枠
- インボイス枠(電子取引類型):インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援するための申請枠
- セキュリティ対策推進枠:サイバー攻撃の増加に伴う潜在的リスクに対処するためのソフトウェア・システム等の導入を支援するための申請枠
- 複数社連携IT導入枠:複数の中小企業・小規模事業者等が連携し、地域DXの実現・生産性の向上を図るための取り組みを支援するための申請枠
IT導入補助金を活用する場合、申請から支給までには、以下のステップがあります。
- GビズIDの取得・SECURITY ACTION宣言実施:申請前に事業主はデジタル庁が運営している認証システム「GビズIDプライム」のアカウントを取得する。また、独立行政法人情報処理推進機構(以降「IPA」)が運営する情報セキュリティ対策宣言である「SECURITY ACTION」で、一つ星または二つ星のいずれかの取り組み目標を宣言する
- IT事業者・ITツールの選定:自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入補助金事務局から採択を受けているIT事業者・ITツールの中から選定を行う
- IT導入補助金の交付申請・交付決定:IT事業者と内容を確認の上、IT導入補助金の申請マイページから交付申請・事業計画等を提出する。IT導入補助金事務局による審査完了後、交付可否が通知される
- ITツールの発注・契約・支払い:交付決定後、IT事業者に対してITツールの発注・契約・支払い手続きを行う
- 事業実績報告:IT導入補助金の申請マイページから事業実績やITツールを導入した証憑等を報告する
- 補助金額の確認・承認:IT導入補助金事務局による確定検査の結果や補助金交付決定額を確認し、承認手続きを経て、補助金を受給する
- 事業実施効果報告:IT導入補助金の申請マイページから事業効果を報告する
項目 | 内容 |
---|---|
対象となるサービス | IT導入補助金事務局から採択を受けたITツール |
対象となる企業 | IT導入補助金事務局が定義する中小企業・小規模事業者 |
支給要件 | ・GビズIDプライムを取得していること ・SECURITY ACTIONで一つ星または二つ星のいずれかの取り組み目標を宣言していること |
支給額 | 対象となる経費の50%以内(上限450万円) |
申請から支給までにかかる期間 | 1ヶ月以上 |
明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」は、「IT導入補助金2025」に採択されています。雇用している外国人に対する日本語教育にお悩みの中小企業・小規模事業者の方は、ぜひ明光グローバルにご相談ください。
参照元:
地方自治体による外国人雇用支援補助金
地方自治体では、それぞれの地域の事業者を対象に外国人雇用等を推進するための補助金を交付していることがあります。具体的には、次のような補助金が挙げられます。
- やまなし外国人活躍企業支援事業費補助金(山梨県):山梨県内に事業所を有する中小企業者の外国人の受け入れと定着・活躍を促進するため、外国人の日本語能力向上につながる取り組みを支援するための補助金。日本語学習に関する事業に対して、上限20万円まで経費を補助する。
- 山形県外国人労働者受入環境整備支援事業費補助金(山形県):山形県内の企業等が海外から外国人労働者を受け入れる際に、外国人労働者の生活環境の整備に係る費用を支援するための補助金。住宅環境の整備や孤立防止等の取り組みに対して、上限50万円まで経費を補助する。
- 宿泊事業者総合支援補助金(仙台市):仙台市内の宿泊事業者等に対して、人材確保や業務効率化、災害対策等の経営基盤の強化や生産性向上に資する取組に係る経費の一部を補助する。
各自治体によって、補助金の設置有無や対象となる人材・企業、支給要件等の詳細は異なります。詳しくは本社や事業所が置かれている自治体の案内を参照してください。
参照元:
外国人雇用の助成金・補助金に関するポイント・注意点
外国人雇用に際して助成金・補助金を利用する時にはどのような点に気をつける必要があるのでしょうか?ここでは、外国人雇用の助成金・補助金に関するポイントや注意点を解説します。
- 助成金・補助金の申請から支給までには一定の期間が必要となる
- 助成金・補助金によって申請可能な期間や企業の要件が異なる
- いくら支給されるかはケースによって異なる
- 外国人材の在留資格によっては支援の対象にならないことがある
助成金・補助金の申請から支給までには一定の期間が必要となる
助成金・補助金の申請から支給までには一定の期間が必要となるため注意しましょう。
助成金・補助金が支給されるためには、申請書や計画書等を提出の上、助成・補助の対象となる取り組みを実施し、その実績や効果が認められる必要があります。場合によっては、申請から受給までの間に1年以上かかることもあります。
助成金・補助金によって申請可能な期間や企業の要件が異なる
助成金・補助金の種類によって、申請可能な期間や対象となる人材・事業者等の要件が異なる点にも注意が必要です。
助成金・補助金を申請できる期間は限定的であることも多く、場合によっては1ヶ月しかないこともあります。受給を検討している助成金・補助金については、あらかじめ申請スケジュールを確認しておくようにしましょう。
また、助成金・補助金の申請にあたって、対象となる人材や対象事業者に関する要件が細かく設定されていることも多くなっています。申請後に要件を満たしていないことが発覚すると、準備にかけた工数が無駄になってしまうため、先んじて要件を網羅的に把握するようにしましょう。
いくら支給されるかはケースによって異なる
助成金・補助金がいくら支給されるかはケースによって異なる点にも注意しましょう。
助成金・補助金の種類によって、異なる支給額や支給率が設定されています。また、同じ助成金・補助金でも、事業主の規模や外国人雇用に関する取り組みの状況等によって、受給可能な額が異なる場合があります。実施報告の内容によっては、経費の一部が支給対象にならないこともあります。
助成金・補助金を活用する際には、ケースごとにどの程度の支給額が想定されるのかや、スムーズに受給するために必要な要件を前もって把握しておきましょう。
外国人材の在留資格によっては支援の対象にならないことがある
外国人材の在留資格によっては助成金の対象にならないケースがある点にも注意しましょう。
助成金の中には人材の長期雇用を目的としているものもあります。この場合、「技能実習」「特定技能1号」等、帰国を前提とした在留資格で滞在している外国人労働者が制度の対象外になっていることがあります。申請作業を始める前に、あらかじめ助成金事務局に対して対象となる外国人材の在留資格を確認するようにしましょう。
明光グローバルのオンライン日本語学習サービス「Japany」はIT導入補助金を活用して導入できる
外国人雇用の際に活用できる助成金・補助金にはさまざまな種類があります。自社の課題や経営環境に合わせて助成金・補助金を上手に活用することで、コストを抑えながら外国人雇用を成功させることができます。
明光グローバルが提供する外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」は、「IT導入補助金2025」に採択されています。外国人材への日本語教育になかなか予算をかけられない中小企業や小規模事業者も、リーズナブルな価格で導入が可能となっています。
最後に、教育にかかるコストを削減しながら、自社の外国人雇用を成功させたい企業の経営者や人事・教育担当者の方に向けて、明光グローバルや「Japany」について紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を4期連続で受託する等、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
事業 | サービス |
---|---|
教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
オンライン日本語学習ツール「Japany」
「Japany」は、明光キャリアパートナーズが提供している外国人向けオンライン日本語学習ツールです。
Japanyを活用すれば、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策等、合計1,200本以上の豊富な動画教材を活用して学ぶことができます。そのため、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることができます。
また、パソコンやスマートフォンを使って、スキマ時間に自分のペースで学習できるのも特徴的です。さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
Japanyは「IT導入補助金2025」の対象ツールに採択されています。そのため、中小企業や小規模事業者がJapanyを導入する際、IT導入補助金の対象として採択・交付が決定された場合、導入費用の最大50%、150万円までの補助を受けることが可能です。教育コストをかけられない企業の方でも導入しやすいため、お気軽にお問い合わせください。
受講形態 | e-ラーニング |
対象者 | 企業に在籍する外国人籍社員・帰国子女など |
プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
受講期間 | コースによって異なる |
料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
Japanyの強み
Japanyの強みは、「実用性の高いオリジナルコンテンツ」「学習の継続を促すシステム」「管理者を支えるサポート機能」の3点です。
実用性の高いオリジナルコンテンツ | 「Japany」には、N5〜N1までを網羅したJLPT対策を始めとする1,200本以上の豊富なレッスン動画コンテンツがあります。資格試験対策だけでなく、業界・業種別の言い回しや日常的な会話能力が身につく動画など、学習者のニーズに合わせてさまざまなコンテンツの動画を視聴できます。 |
学習の継続を促すシステム | 「Japany」には、実力・目標に応じて最適なプランを提案する「コンテンツレコメンド機能」や、力試しとして使える「実力診断テスト」など、外国人材の学習モチベーションを向上するさまざまな機能が搭載されています。 |
管理者を支えるサポート機能 | 学習者の進捗状況を確認できる「レポート機能」や、ログインがない場合に通知が届く「アラート機能」といった管理者機能も充実しています。そのため、人事・教育担当者の方も安心して利用することができます。 |
まとめ
助成金・補助金を活用することで、コストを削減しながら効率的に外国人雇用を推進することができます。
明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」なら、「IT導入補助金2025」を活用して、リーズナブルに雇用している外国人材の日本語能力を向上させることができます。外国人向けの日本語教育にお悩みの事業者の方は、ぜひ明光グローバルまでお気軽にお問い合わせください。