近年、日本のIT企業では、人材不足が深刻化しています。こうした状況の中で注目されているのが、外国人のITエンジニアです。
この記事では、外国人のITエンジニアが増えている背景や、採用するメリット、注意点、採用する際の方法について紹介していきます。
外国人のITエンジニア採用に興味のある方や、海外のIT人材に関する基礎的な知識を得たい方は、ぜひ最後までご覧ください。
外国人のITエンジニアが注目されている
現在、日本において、外国人のITエンジニア人材が注目されていることをご存じでしょうか?
厚生労働省の統計調査によると、日本における外国人の情報通信産業従事者(以下、IT人材)の数は、年々増加傾向にあります。特に、中国や韓国からの入職者数は他の国と比べて多いといえるでしょう。
現在、さまざまな日本企業において、ビッグデータやAIなどを用いた技術革新や商品開発が進められています。このような状況の中で、海外から優秀なIT人材を採用する企業も増えてきているのです。
※:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(厚生労働省)(2015-2023)を基に作成
※:中国は香港、マカオを含む
外国人のITエンジニアの採用に注目が集まる背景
なぜ、日本国内の人材ではなく、外国人のIT人材を採用する企業が増えているのでしょうか?ここでは、外国人のIT人材が注目されている背景を解説します。
日本において優秀なIT人材が不足している
外国人のIT人材が注目されている理由の一つが、日本において優秀なIT人材が不足していることです。
経済産業省の調査によると、日本国内におけるIT人材の数は、若年層の人口減少に伴い、減少に向かっていると考えられます。将来的には、40〜80万人程度の規模でIT人材が不足するとも試算されており、ITエンジニアを確保することもこれまで以上に難しくなっていくでしょう。
画像引用元:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(経済産業省)
また、国内のIT人材が持つスキルについても懸念があります。日本のIT人材が持つITスキルの平均レベルは、アメリカやインド、中国などの諸外国と比べて低いことがわかっています。同様に、ビッグデータやAIなどの先端技術を扱うことができるIT人材も不足してきているのが実情です。
このように、日本国内のIT人材が減っていることに加え、ITエンジニアが持つ平均的な技術レベルも相対的に低くなっていることから、国外に目を向ける企業が多くなっているのです。
参照元:
海外で優秀なIT人材が増加している
海外には先端技術を扱うことができる優秀なITエンジニアが多いことも、外国人のITエンジニアが注目を集めている理由の一つです。
アメリカやイギリス、北欧諸国などにおいては、官民が一体となって積極的に若年層へのIT教育が行われています。その結果、IT人材が増えており、高度な先端技術を有するIT企業も多く生まれているのです。
また、教育や投資が活発に行われていることもあり、アメリカやインド、中国、インドネシア、ベトナム、タイなど、諸外国におけるIT人材の平均レベルは日本と比べて高くなっています。こうした点からも、敢えて日本国内の人材ではなく、外国人のITエンジニアを採用しようとする企業が増えています。
日本が外国人IT人材を招致する制度を整備している
近年、日本政府では「高度人材ポイント制度」を導入し、優秀な外国人人材を積極的に招致している点も、外国人のITエンジニアが注目されている理由です。
高度人材ポイント制度とは、日本の経済成長に貢献できる高度な能力を持った外国人人材に対して、出入国在留管理上の優遇措置を実施して受け入れを促進するための制度です。具体的には、外国人人材の特性に応じて、学歴や職歴、年収といった項目ごとにポイントを設けていき、合計点が70点以上の方はさまざまな優遇措置を受けることができます。
外国人ITエンジニアの場合は、「高度専門職1号(ロ)」という在留資格を得ることが可能です。さらに、高度専門職1号として3年以上活動を行うなどの条件を満たすと、高度専門職2号に在留資格を変更することが可能になります。
高度人材ポイント制度を通して、高度専門職人材が受けられる優遇措置の内容は次のとおりです。
- 高度専門職1号に対する優遇措置
-5年間の在留期間の付与
-複合的な在留活動の許容
-日本への永住許可申請に要する在留期間が3年に短縮
- 高度専門職2号に対する優遇措置
-無制限の在留期間の付与
-就労資格のほぼ全ての活動を許容
-日本への永住許可申請に要する在留期間が1年となる
- 共通して得られる優遇措置
-配偶者の就労が可能
-一定の条件下における親や家事使用人の帯同が可能
このように、日本政府が高度なスキルを持つ外国人人材を積極的に導入していることが追い風となり、外国人のITエンジニアの採用を始める企業が増えてきているのです。
参照元:
- 外国人IT人材の在留資格と高度ポイント制について(出入国在留管理庁・経済産業省)
- 専門的・技術的分野の外国人材受入れについて(出入国在留管理庁)
- 高度人材ポイント制とは?(出入国在留管理庁)
- 高度人材ポイント制 Q&A(出入国在留管理庁)
海外人材が日本で働くことに魅力を感じている
近年、日本で働くことに魅力を感じる海外人材が増えてきていることをご存じでしょうか?
昨今、世界情勢が悪化してきている中、日本は相対的に治安が良い平和な国であるため、国際的に注目を集めています。また、日本のさまざまな文化に興味や関心を持ち、在留を決意する外国人も多いです。
日本の治安のよさや、日本固有のカルチャーをきっかけに、外国人エンジニアが日本に移住しはじめています。優秀な外国人人材が採用市場に集まることで、企業も積極的に採用を検討しているのです。
外国人のITエンジニアを採用するメリット
それでは、企業にとって外国人のITエンジニアを採用するメリットは何なのでしょうか?ここでは、外国人のITエンジニアに関する採用上の利点について解説します。
参照元:
技術力の高い優秀な人材を獲得できる
外国人のIT人材を採用するメリットの一つが、高い技術力を持つ人材が獲得できることです。
海外では、官民が一体となってITに投資し、幼少期から充実したIT教育が受けられる国が増えています。その結果、日本よりもIT人材の平均的なスキルレベルが高い国も多いです。
日本においては、人口減少やIT教育の遅れなどの影響で、優秀なITエンジニアを採用するのが難しくなっています。その点、外国人のITエンジニアは、若いうちから高いITスキルを持っているため、長期的な企業成長への貢献が期待できるのです。
最先端技術を扱える人材を確保できる
海外には、日本ではまだ一般化していない先端技術を扱えるITエンジニアがいることも頭に入れておく必要があります。
近年は第4次産業革命ともいわれており、インダストリアルIoTや、AIを活用した機械学習などの分野で、さまざまな最先端技術が発明されています。特に、シリコンバレーなど、世界的なITの中心地においては、日本で一般化されていない技術を持つエンジニアもいるでしょう。
日本企業が先端技術を導入するにあたって、最もスピード感のある選択肢は、既に一定の技術力を持つエンジニアを採用することです。このように、日本における事業の優位性を高めるうえでも、外国人のITエンジニアを採用するメリットがあるといえるでしょう。
グローバル経営を推進できる
海外人材を採用することで、グローバル経営を促進できることも魅力の一つです。
日本の経済成長を実現するにあたって、グローバル化を通じて海外の需要を取り込むことが重要視されています。しかし、国外の購買動向に詳しく、現地と流暢なやり取りができる日本国内の人材は少ないため、なかなかグローバル経営を進めることができない企業も多いのではないでしょうか?
外国人人材を採用すれば、ネイティブスピーカーとしての言語力や現地のニーズに対する深い理解力を得ることができます。そのため、国外への事業・サービス展開や、販路開拓、新規顧客開拓をより一層スムーズに進めることができるでしょう。
組織の多様化・活性化が期待できる
外国人を採用することで、組織の多様化や活性化も期待できます。
近年、日本企業では、ダイバーシティ経営を推進することが求められています。ダイバーシティ経営とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」のことです。外国人を雇用することも、ダイバーシティ経営の推進に繋がると考えられます。
外国人が組織に加わることで、これまで組織で常識や当たり前とされてきたものごとを疑う視点を得ることができます。外国人ならではの発想や気づきをチームで共有すれば、長期的な目線での業務効率化や職場環境の改善、生産性の向上が期待できるでしょう。
参照元:
外国人のITエンジニアを採用する際の注意点
それでは、外国人のITエンジニアを採用する際には、どのような点に注意を払う必要があるのでしょうか?ここでは、外国人のITエンジニアを採用する際の注意点について紹介していきます。
日本人よりも採用コストが高い可能性がある
外国人のITエンジニアを採用する際の注意点の一つが、採用コストの高さです。
日本は、諸外国と比べてITエンジニアに対する平均的な報酬額が低いことがわかっています。そのため、海外から優秀なIT人材を招致するにあたって、コスト面で折り合いがつかないことが多いです。また、本人への日本語教育費用や、在留資格申請の費用などが、給与に上乗せされることもあります。
明光グローバルは、外国人のITエンジニアを専門に人材紹介を行っています。これまでの知見を踏まえ、採用コストに関するより詳しい情報やノウハウをお伝えすることもできるため、外国人人材をご検討の方はぜひお気軽にご相談ください。
日本語でのコミュニケーションが取りにくい
外国人のITエンジニアの中には、日本語が得意ではない方も多いです。
国際的に見ても、日本語は習得難易度が高い言語の一つです。日本人のネイティブスピーカーと比べれば、外国人人材の使う日本語はどうしてもわかりにくくなってしまうでしょう。場合によっては、職場での意思疎通にこれまで以上の時間やコストがかかるかもしれません。
一方、今後の日本国内における人材難を考えれば「日本語が得意ではないから外国人を採用しない」というのは少し短絡的かもしれません。むしろ、職場で英語が使えるよう、日本人人材への英語教育を推進するという選択肢もあります。
そうはいっても、企業規模や職場の状況によっては、すぐに日本語力の乏しい外国人を採用するのは難しいところもあるでしょう。自社の現状を踏まえたうえで、外国人人材に求める言語力のレベルを設定してみてください。
在留資格の取得などの手続きが求められる
外国人人材を採用する際には、さまざまな申請や手続きが求められる点も注意が必要です。
国外に住む外国人人材を採用する際には、ゼロから在留資格の申請手続きを行う必要があります。特に外国人人材の採用に不慣れな企業にとっては、このような手続きに不安を感じられる方も多いでしょう。
また、滞りなく申請手続きを行ったとしても、在留許可がおりないケースや、ビザの発給が認められないケースもあります。そのため、外国人の採用には一定の不確実性があるといえるでしょう。
企業全体で海外人材を受け入れる体制づくりが必要
外国人人材が活躍するためには、企業ぐるみで外国人人材を受け入れる土壌を作ることも必要です。
外国人人材をはじめて採用する企業などにおいては、そもそも異なる文化を持つ人とのコミュニケーションに慣れていないことがあります。そのため、社内への周知や、異文化コミュニケーション研修、職場での英語力向上など、さまざまな施策を講じる必要があります。
明光グローバルグループでは、これまで40年以上もの間、教育事業を行ってきました。社内の日本人人材に対する異文化コミュニケーション教育や、外国人向けの日本語学習研修など、さまざまな教育研修を提供することが可能です。海外人材の受け入れ体制の構築や、教育研修にお困りの際には、お気軽にご相談ください。
外国人のITエンジニアを採用する方法
それでは、実際に外国人のITエンジニアを採用するためには、どのような採用ステップを経る必要があるのでしょうか?ここでは、優秀な外国人のITエンジニアを採用するための方法について、厚生労働省の見解を踏まえて解説します。
経営課題の抽出
「外国人人材の採用」は、あくまで手段の一つであり、目的ではありません。まずは自社の目指すべき方向性を確認し、採用を通じて解決したい課題を抽出しましょう。
今後の事業の方向性やビジョンを確認し、その達成に向けた課題が整理できているか
まずは、企業のあるべき姿と現状のギャップから、自社の目的達成に向けた課題を確認しましょう。企業のあるべき姿は、今後の事業の方向性やビジョンなどから設定することが可能です。これらのあるべき姿と現状とのギャップから、課題を洗い出してみましょう。
たとえば、自社の作業現場において先端技術を活用した業務高度化を進めていきたい企業があるとします。しかし、社内にこれらの業務を任せられる人材がいないため、抜本的な業務改善が進められていません。こうした場合、業務高度化に必要な知見を確保することが、あるべき姿に近づくための課題となるでしょう。
外国人ITエンジニアを活用して解決したい課題は明らかか
次に、外国人ITエンジニアを活用して解決したい課題を明確化しましょう。
たとえば「業務高度化に必要な知見を確保したい」といっても、その方法はさまざまです。業務効率化システムを行っているITベンチャーを買収することや、国内人材を教育して新たに知見を獲得してもらうなどの方法もあるでしょう。
そのため、改めて課題を明確化したうえで、外国人ITエンジニアを使って解決すべきポイントを明確化する必要があります。例として、日本では一般化されていない技術を習得している必要性や、海外技術者とスムーズに対話ができる専門性の高い外国語能力などが挙げられます。
自社の強みが整理できているか
自社の経営の方向性や、今後の課題を検討していく中で、自社の強みを整理することも重要です。
たとえば、事業上の優位性や、手厚い教育訓練制度、独自のキャリアパスなど、企業にはさまざまな魅力があります。
優秀な外国人人材を採用するためには、他社と比べた際の自社の魅力をはっきりとアピールしていくことが必要です。この段階で、客観的な視点から、自社の強みを整理しておくようにしましょう。
採用ターゲットの明確化
外国人人材の中でも、特に採用ターゲットとなる人材要件を明確化しましょう。具体的には、期待する業務や役割、経験やスキルなどの条件を設定する必要があります。
外国人ITエンジニアに期待する条件は明確か
さっそく採用ターゲットを明確化していきましょう。具体的には、次のような条件について検討する必要があります。
- 外国人ITエンジニアに期待する業務と役割
- 課題解決に必要な人数
- 採用期限
- 必要なITスキル・資格・職務経験
- 求める言語能力(日本語・英語など)
これらの条件を設定する際には、優先順位を意識することが重要です。たとえば、日本企業においては、日本語能力の高さを重視することが多いです。
しかし、高い水準を求めれば求めるほど、採用可能な母集団が少なくなり、人材が見つけにくくなります。日本語能力ばかりを気にして、肝心なスキル面が弱い人材を採用しては元も子もありません。
採用段階で完璧な人材を探すのは難しいものです。入社後に、教育研修機会やフォローアップなどができることも踏まえて、最低限必要な条件は何なのかを見極めるようにしましょう。
自社の業務を通して外国人ITエンジニアが得られる経験やキャリアパスは整理できているか
本格的な採用活動が始まる前に、自社の業務を通して外国人ITエンジニアが得られる経験やキャリアパスについて整理しておきましょう。
外国人人材が就職活動を行う際には、具体的な仕事内容や、将来的なキャリアへの影響を重点的に確認することがわかっています。ある程度採用ターゲットが明確化できたタイミングで、自社で働くことを通して本人がどのような経験やキャリアを得られるのかを問い直しておくことが必要です。
採用方針の整理
採用課題やターゲットを踏まえて、具体的な採用方針を整理していきましょう。ここでは、外国人人材の採用計画を立てる際に必要な要素について紹介します。
採用計画の設計
まずは、採用計画を設計しましょう。採用計画の設計にあたり、明確化すべき項目として、以下について検討する必要があります。
- 採用ルート
- 採用人数
- 採用期限
- 選考方法・基準
- 求人票に記載する業務内容・期待する役割・キャリアパス
外国人人材の採用ルートとしては、主に次の3種類があげられます。
- 現地説明会を実施する:採用を検討している国で、説明会を行います。海外に渡航して直接ターゲットと話すことができるため、短期間で採用に繋がる可能性が高いのが特徴です。一方、外国人採用のノウハウがない企業にとって、現地で母国語を使用して自社の魅力を訴求するのはハードルが高いかもしれません。
- 求人広告を掲載する:就職情報サイトや求人誌などに自社の求人情報を掲載します。掲載するサイトや紙面の特徴から、狙った求職者にアプローチすることができます。一方、採用に至らない場合にも広告掲載費などのコストがかかることが多いのが難点です。
- 人材に直接アプローチを行う:人材紹介会社などを通じて、自社のニーズを満たす人材を紹介してもらう方法です。欲しい人材にピンポイントでアプローチができ、書類選考などの採用業務負荷を軽減することができます。他の方法と比べて、採用成功時のコストが高いことが注意点です。
はじめて外国人人材を採用する企業や、外国人採用のノウハウが蓄積されていない企業においては、人材紹介会社を利用して直接アプローチを行うのがおすすめです。明光グローバルでは、外国人IT人材に特化した紹介事業を行っているため、ぜひご活用ください。
自社のアピールポイントの整理
求人票の作成や、面談、選考の場面を意識して、求職者へのアピールポイントを整理しましょう。
外国人は、あいまいな表現よりも、はっきりとしたコミュニケーションを好むことが多いです。そのため、業務内容やキャリアパスについては、具体的にイメージできるように言語化・明文化しましょう。
たとえば、次のような記載方法を参考にしてください。
- AI技術を用いた業務改善施策の推進担当として、経営陣直下のチームに企画・コンサルティング段階から参画できる
- 入社後、3年程度を目安に、企画提案・要件定義・実装・テストといった役割を順に経験したうえで、マネジメント職・スペシャリスト職のどちらかに進むことができる
候補者の在留資格の要件
選考に入る前に、候補者の学歴や職歴などが、在留資格の要件を満たしているかを確認しておきましょう。
外国人ITエンジニアを採用する場合、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要になります。この場合の要件としては、次のうちいずれかを満たしていることが必要です。
- 学歴要件:大学(短大含む。国内外問わず)または同等以上の教育を受けている、または所定の要件を満たす専修学校(日本国内)の専門課程を修了している必要があります。なお、大学・専修学校において専攻した科目と日本において従事しようとする業務が関連していることが求められます。
- 職歴要件:10年以上の実務経験(大学等で関連科目を専攻した期間を含む)が必要です。
- 特例:日本の情報処理技術者試験及び相互認証を受けた試験に合格している必要があります。詳しくは出入国在留管理庁のホームページをご確認ください。
さらに、高度人材ポイント制度を活用して、高度専門職人材に認定されるためには、学歴・職歴・年収などの評価項目ごとの点数の合計が70点以上あることが求められます。具体的なポイントの計算方法や評価項目の内容については、出入国在留管理庁のホームページをご確認ください。
採用フローの理解
外国人人材に内定を通知してから入社にいたるまでの間には、さまざまな手順が発生します。無事に採用手続きを終えられるよう、外国人人材の採用フローを理解しましょう。
外国人IT人材を採用するための各種手続きの理解
まずは、外国人人材を採用するうえでの各種手続きの概要を理解しましょう。具体的には、次のような手続きが求められます。
- 労働契約の作成・締結
- (これから在留資格を取得する場合)在留資格認定証明書交付申請・ビザ申請
- (すでに在留資格を取得済の場合)出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請
- 雇用保険・健康保険・厚生年金などの加入の手続き
- ハローワークへの外国人雇用状況の届出
また、外国人人材に配偶者や家事使用人がいる場合には、別途手続きが必要になる場合があるため、注意しましょう。
在留資格・ビザの申請手続きの把握
入社までのフローを理解したら、外国人人材の状況に応じた在留資格・ビザの申請手続きを理解しましょう。
これから在留資格を取得する場合には、出入国在留管理庁への在留資格認定証明書申請と、在外公館へのビザ申請が必要になります。在留資格認定証明書の申請から交付には、およそ1〜3か月ほどかかります。
また、在留資格認定証明書が交付されたら、本人に証明書を発送することが必要です。その後、本人の手で外国にある日本の在外公館に証明書を提示し、ビザを発給してもらいます。こうしてようやく来日・就労が可能になるのです。
日本国内で転職するなど、すでに本人が在留資格を取得済の場合には、出入国在留管理庁の窓口に行き、在留資格変更許可申請や、在留期間更新許可申請が必要になります。
申請の際には、高度専門職人材の認定を受けるためのポイント計算表や立証資料など、さまざまな資料準備が求められます。明光グローバルは、外国人のIT人材に特化した紹介サービスを導入しており、在留資格やビザ申請に関する情報提供が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
入社までのフォローアップの内容・段取り
外国人人材がこれから在留資格を申請する場合には、交付までに1〜3ヶ月程度かかります。本人が不安を感じる可能性があるため、入社までにはフォローアップが必要です。
フォローアップの例としては、状況確認の面談や相談対応、日本語能力向上に向けた支援、オンライン研修や企業説明動画の送付などがあります。入社後に必要な知識やスキルを鍛え、企業への愛着を高められるよう、丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。
受け入れ体制の整備や人材定着に向けた取り組みの実施
外国人人材を受け入れたら、人材に定着してもらうための魅力あふれる企業づくりをしましょう。具体的には、受け入れ体制の整備や、定着に向けた仕組みづくりなどが考えられます。
経営層・人事・現場との間での認識の共通化
社内の受け入れ体制を整えるうえで、最初に取り組むべきことの一つが、経営層・人事・現場との間での認識の共通化です。
特に、はじめて外国人人材を採用する企業などでは、現場社員の心の準備ができていないことが多いです。もし現場社員が海外人材の登用に懐疑的であったり、外国人に対して否定的な目を向けていたりすると、外国人本人としては働きにくいでしょう。
そのため、外国人人材の受け入れを決意したタイミングで、なるべく経営陣の口から、外国人人材を採用する意義を全社的に周知することが必要です。具体的には、次のような内容について説明しておくと良いでしょう。
- 外国人のITエンジニアの受け入れを決意した経緯
- 自社にとって、外国人ITエンジニアの採用が重要である理由
- 今後、組織やチームが外国人人材とどのように協力していくべきか
- 現場社員に対する、外国人人材の採用や教育への協力要請
教育・評価・処遇などの体制構築
外国人採用をするうえでは、教育・評価・処遇などの体制構築も必要になります。
職場で、日本人と外国人が交流するうえでは、異なる考え方や文化を受け入れ、お互いに歩み寄ることが重要です。こうした企業文化を作るうえでは、異文化コミュニケーション研修や、日本人と外国人の交流機会の創出など、教育面での体制整備が必要となるでしょう。
また、外国人を採用するにあたって、評価や処遇の面でも見直しを要する場合があります。日本企業では、評価基準が属人的であったり、相手への気遣いからフィードバックがあいまいであったりすることがあります。
しかし、このような仕組みは外国人人材にとって理解しにくく、企業への不信感につながる可能性があるでしょう。自社で長く働いてもらうためにも、等級・評価・報酬などの人事評価制度をわかりやすく整えることが必要です。
外国人ITエンジニア採用は明光グローバルへお任せください
日本国内でITエンジニアを採用するのが困難になってきている中、技術力の高い外国人エンジニアを採用することが有効な解決策になってきています。一方、外国人採用をするのがはじめての企業においては「採用後の手続きがわからない」「外国人人材に関する知見やノウハウがなく不安だ」という方も多いのではないでしょうか?
明光グローバルには、外国人のITエンジニア専門の人材紹介サービスがあります。採用から教育、定着までワンストップでの支援ができるため、外国人採用に知見がない企業様にもおすすめです。最後に明光グローバルについて紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、さまざまな事業を通して、日本で働きたい外国人の就労機会を創出し、日本企業の持続的な成長に貢献しています。外国人材紹介事業では、これまで紹介してきた「ITエンジニア紹介サービス」に加え、「特定技能人材紹介サービス」があります。
また、教育研修事業では、外国人人材が企業でより一層活躍できるよう、独自のe-ラーニングシステムや日本語レッスン、日本語能力測定試験などの「外国人社員向け各種教育・研修サービス」を提供しています。
外国人ITエンジニア紹介サービスの概要
外国人ITエンジニア紹介サービスとは、ITエンジニア人材の導入から定着まで、一気通貫したサポートが受けられるコンサルティングサービスです。
明光グローバルでは、これまでさまざまな外国人人材の採用や教育、定着支援を担ってきました。企業様にぴったりの人材の選抜から、日本で生活する外国人人材の暮らしや仕事のサポートまで、幅広い支援をすることができます。そのため、外国人人材の採用がはじめての企業様にも、安心してご利用いただくことが可能です。
また、社内には、さまざまな国の言語に対応可能なスタッフが常駐しています。企業様のかわりに、外国人人材からの相談窓口対応や、出入国在留管理庁から義務づけられている定期面談を本人の母国語で実施することができます。
「外国人のITエンジニア採用に興味がある」「国籍を問わず、優秀なIT人材と出会いたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
明光グローバルの強み
明光グローバルの強みは、「集客力」「教育力」「専門性」の3点です。
明光グローバルは、SNSや各種メディアなどを通じて外国人材を数多く集客しています。また、グループ会社のネットワークを通じて、提携している教育機関からも優秀な人材を獲得しています。このような潤沢な候補者情報を獲得したうえで、外国人人材の母国語を話せるスタッフが直接選考をしているため、企業にぴったりの人材を選抜・推薦することが可能なのです。
また、明光グローバルのグループ会社では、これまで40年以上もの間、教育を実施してきました。こうした実績から、明光グローバルでは、企業様の状況に合わせた適切な教育支援プログラムのご提供が可能になっています。
近年では、外国人材の自主学習をサポートするe-ラーニングシステム「Japany」などの特徴的な学習サービスも独自開発していますので、ぜひご活用ください。
さらに、明光グローバルは、外国人に対する入社前・入社後の手厚いサポートを実施しています。企業にとって負担となる暮らしや仕事のサポートを母国語で担うことができるため、安心してお任せいただくことが可能です。
まとめ
国内人材が不足している影響もあり、海外から優秀なITエンジニアを採用する企業は増加傾向にあります。
一方で、外国人人材の際には、在留資格関係の書類準備や手続きなど、さまざまな負荷がかかります。運用ノウハウの不足や、言語面での不安から、採用を躊躇する企業も多いのが実情です。
明光グローバルでは、外国人のIT人材に特化した紹介サービスを提供しています。この記事を読んで、少しでも外国人人材の採用に興味を持たれた方は、ぜひお気軽に明光グローバルまでお問い合わせください。