介護業界で外国人材の採用を進めることは、人手不足の解消に向けた有力な選択肢です。実際に、求人を出しても応募が集まりにくく、必要な人数を確保できずに悩む介護事業所は少なくありません。こうした状況を背景に、近年は外国人材の採用を進める介護事業者が増えています。
ただし、外国人材の採用には、利用できる制度や在留資格の違い、採用までの進め方など、事前に理解しておくべきポイントがあります。今回は、介護分野で外国人を採用する際に押さえておきたい制度の概要や採用の流れ、確認すべきポイントについて解説します。
介護業界で外国人採用が注目されている背景
介護業界では人手不足が深刻化しており、日本人材だけでは十分な人員を確保できない状況にあります。そのため、近年は外国人材の採用を進める事業所が増えています。ここでは、介護業界で外国人採用が注目されている背景について解説します。
介護人材不足

少子高齢化の進行により介護ニーズが拡大する一方で、介護職員として働く人材は不足しており、介護業界は深刻な人手不足に直面しています。さらに、体力的な負担の大きさや給与水準に対するイメージなどから、介護職を敬遠する人が多いことも要因の一つです。
この傾向は有効求人倍率にも表れており、平成26年3月以降、介護関係職種は全産業平均を上回る水準で推移し、近年ではその差が拡大しています。こうした状況から、日本人の採用だけでは必要な人員を確保することが難しくなっており、新たな人材確保の手段として外国人材の活用が検討されています。
画像引用元:介護人材確保の現状について(厚生労働省)
外国人介護人材採用の増加
介護分野の特定技能外国人在留者数の推移

特定技能をはじめとした受入制度の整備が進んだことにより、外国人材を介護職員として受け入れる事業所は年々増加しています。厚生労働省によると、2021年12月末時点で5,155人だった特定技能(介護)の在留者数は、2024年12月末には44,367人と、3年間で8倍以上に増加しています。
また、特定技能に加えて複数の受け入れ制度が整備されていることもあり、外国人材を採用しやすい環境が整いつつあります。こうした背景から、介護現場における外国人材の活用は今後さらに広がっていくと考えられています。
画像引用元:外国人介護人材の受け入れの現状と今後の方向性について(厚生労働省)
介護分野で外国人を採用する際に利用できる制度や在留資格
介護分野では、外国人材を採用するための制度や在留資格が複数用意されており、それぞれ要件や採用までの流れが異なります。そのため、自社の採用目的や体制に応じて適切な制度を選択することが重要です。
ここでは、介護分野で外国人材の採用に活用されている主な在留資格と制度を紹介します。
- 特定技能「介護」
- 技能実習(介護分野)
- 在留資格「介護」
- EPA介護福祉士候補者
特定技能「介護」
特定技能「介護」は、日本人の雇用確保に努めても人手不足が解消しない場合に、一定の専門性と技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。
取得には、「介護技能評価試験」と「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト」、さらに「介護日本語評価試験」への合格が必要です。
身体介護を含む幅広い業務に従事できるため、即戦力としての採用が可能ですが、受け入れにあたっては生活支援などの体制整備が求められます。
技能実習(介護分野)
技能実習制度は、日本の技能や知識を開発途上国へ移転することを目的とした制度です。技能実習生は、介護現場での実務を通じて介護技術や知識を習得します。
在留資格は1号から3号までに区分されており、在留期間は1号が1年、2号が2年、3号が2年で、最長5年間の在留が可能です。
受け入れには監理団体を通じた手続きや実習計画書の作成が必要となるため、制度の仕組みを理解したうえで採用を進めることが重要です。
在留資格「介護」
在留資格「介護」は、国家資格である介護福祉士を取得した外国人が対象となる在留資格です。資格保有者であるため、幅広い介護業務に従事することが認められています。
一方で、この在留資格を取得するためには、日本語で実施される介護福祉士試験に対応できる高い日本語能力が必要とされるため、特定技能や技能実習と比較すると在留者数は限られています。在留期間の更新に制限がないため、採用できれば長期的に活躍する人材として期待できます。
EPA介護福祉士候補者
EPA介護福祉士候補者は、EPA(経済連携協定)に基づき、日本の介護施設で就労しながら介護福祉士資格の取得を目指す外国人を受け入れる制度です。主にインドネシア、フィリピン、ベトナムから受け入れが行われています。
在留期間は原則最長4年ですが、介護福祉士資格を取得した場合は、その後も日本で継続して介護職員として働くことが可能です。
介護分野で外国人材を採用する主な方法
外国人介護人材の採用方法は複数あり、事業所の体制や採用方針によって最適な手段は異なります。そのため、それぞれの特徴を理解したうえで、自社に適した方法を選択することが重要です。ここでは、介護事業者が外国人材を募集する際に活用されている主な方法を紹介します。
- 自社のホームページやSNSで外国人材を募集する
- 職員や知人の紹介で外国人材を採用する
- 人材紹介会社や登録支援機関を利用する
自社のホームページやSNSで外国人材を募集する
自社のホームページやSNSを活用することで、外国人材に直接アプローチできます。インターネットを通じて求人情報を発信することで、国内在留者だけでなく、日本での就労を検討している海外人材にも情報を届けることが可能です。
近年では、求人情報の掲載に加えて、SNSで職場の雰囲気や業務内容を発信する事業所も増えています。画像や動画を用いて情報を伝えることで、働くイメージを具体的に持ってもらいやすくなります。
職員や知人の紹介で外国人材を採用する
職員や知人からの紹介によって外国人材を採用する方法は、ミスマッチを防ぎやすいことが特徴です。紹介者が職場環境や業務内容を事前に伝えたうえで人材を紹介するため、入社後のギャップが生じにくい傾向があります。
また、同じ国出身の人材同士で支え合える関係が生まれやすく、生活面や職場への適応の面でも定着につながるケースがあります。
一方で、紹介による採用であっても、在留資格や従事可能な業務内容の確認は必要です。加えて、雇用条件や業務内容を事前に明確に説明し、トラブルを防ぐことが重要です。
人材紹介会社や登録支援機関を利用する
外国人材の採用においては、人材紹介会社や登録支援機関といった専門機関を活用する方法も有効です。専門的な知識や実績を持つ機関の支援を受けることで、採用活動や各種手続きを効率的に進めることができます。
人材紹介会社を利用すれば、自社の条件に合致した人材の紹介を受けられるため、採用業務の負担軽減につながります。また、特定技能人材を受け入れる場合は、登録支援機関を活用することで、生活支援などの対応も委託可能です。
特に外国人材の採用に不慣れな事業所にとって、専門機関の活用は採用活動を円滑に進めるうえで有効な手段といえます。
外国人介護人材を採用するまでの基本的な流れ
外国人介護人材の採用は、事前に全体の流れを把握しておくことでスムーズに進めることができます。ここでは、外国人介護人材を受け入れる際の基本的な流れを解説します。
- 採用計画を立てる
- 人材の募集と選考を行う
- 在留資格の申請手続きを進める
- 就業に向けた準備に取り掛かる
採用計画を立てる
外国人介護人材の採用では、まず受け入れる人材像を明確にし、採用計画を策定することが重要です。人員が不足している業務や必要人数を整理し、どの在留資格を活用するかを検討します。
併せて、外国人材が働きやすい環境の整備も必要です。業務面・生活面の支援体制や、日本語学習のサポート体制などを事前に準備しておく必要があります。
人材の募集と選考を行う
採用計画をもとに、外国人材の募集と選考を行います。自社ホームページや求人媒体、人材紹介会社などを活用し、条件に合う人材を確保していきます。
応募者に対しては、書類審査や面接を通じて、在留資格の取得状況、日本語能力、就労意欲などを確認します。
また、人材紹介会社や登録支援機関などの専門機関を利用する場合は、その選定が採用の質に大きく影響します。実績やサポート体制を確認し、信頼できる機関を選ぶことが重要です。
在留資格の申請手続きを進める
採用する人材が決まった後は、在留資格認定証明書の申請など、必要な手続きを進めます。申請には雇用契約書や事業所の経営状況に関する書類などが必要となります。
手続きには一定の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。書類不備があると審査の長期化につながり、就労開始が遅れる可能性があるため、内容を確認しながら進める必要があります。
就業に向けた準備に取り掛かる
在留資格の手続き完了後は、外国人材が円滑に就業できるよう準備を行います。住居の手配や生活支援、職場でのオリエンテーションなどを実施し、日本での生活と業務への適応を支援します。
特に介護分野では、業務内容や安全面について丁寧に説明することが重要です。安心して働ける環境を整えるためにも、受け入れ前の体制整備を徹底する必要があります。
介護分野で外国人材を採用する際に確認しておきたいポイント
外国人介護人材の採用では、単に人員を確保するだけでなく、受け入れ後のトラブルを防ぐための事前確認が重要です。採用前に押さえておくべき主なポイントは次のとおりです。
- 日本語能力
- 各在留資格で認められている業務内容
- 職場での受け入れ体制
日本語能力
介護業務では、利用者やその家族、同僚スタッフとの円滑なコミュニケーションが必要であるため、日本語能力の確認は必須です。採用前に、日常会話が問題なく行えるかに加え、介護業務に必要な専門用語や指示、報告内容を理解できるかを確認しておくことが重要です。
面接時にこれらを確認しておくことで、業務中の認識違いやトラブルの防止につながります。
各在留資格で認められている業務内容
外国人材は在留資格ごとに従事できる業務範囲が異なるため、事前の確認が必要です。特定技能、技能実習、在留資格「介護」など、それぞれで認められている業務内容を把握しておく必要があります。
担当させる業務が在留資格の範囲内であることを確認することで、不法就労のリスクを回避できます。
職場での受け入れ体制
外国人材を受け入れる際は、職場の受け入れ体制を整備しておくことが重要です。研修やOJTの実施、生活面のサポート体制などが整っているかを事前に確認し、必要に応じて改善を行います。
受け入れ体制を整備することで、外国人材が安心して働ける環境が構築され、結果として定着率の向上にもつながります。
特定技能外国人の採用では支援体制の整備が重要
特定技能外国人を採用する場合は、働きやすい環境を整え、必要な支援体制を構築する必要があります。ここでは、受け入れる企業が整備すべき支援体制について解説します。
受け入れ企業に求められる支援
受け入れ企業には、特定技能外国人材が安心して働けるよう、業務面と生活面の両面での支援が求められます。具体的には、就業規則や業務手順の説明、相談窓口の設置、日本語学習の支援、ライフライン契約のサポートなどを実施する必要があります。
これらの支援を適切に行うことで、早期離職のリスクを抑え、長期的な雇用につなげることが可能です。
登録支援機関が行うサポート
登録支援機関は、受け入れ企業から委託を受け、1号特定技能外国人支援計画の作成・実施や生活支援、行政への各種報告を担う機関です。
入国後の生活支援や研修、労働条件の確認、定期的な面談などを通じて、企業と外国人材の間に立ち、継続的な支援を行います。これにより、受け入れに不慣れな企業でも円滑に採用を進めることができます。
登録支援機関を利用するメリット
登録支援機関を活用することで、受け入れ企業は支援体制の整備にかかる負担を軽減でき、本来の業務に集中しやすくなります。
また、専門機関による適切な支援により、外国人材が日本での生活や職場環境にスムーズに適応しやすくなり、定着率の向上やトラブルの防止にもつながります。
外国人介護人材の採用は明光グローバルにお任せください
外国人介護人材を採用する事業所は、制度を理解して採用前後にさまざまな準備をする必要があります。自社だけで採用準備が難しい場合は、信頼できるパートナーと連携して進めていくと、スムーズに進められます。
明光グローバルは、制度運用のサポートから外国人介護人材の支援、採用後の定着支援、トラブル発生時の対応まで一貫した支援を提供しています。最後に、明光グローバルの事業概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・手続き支援~入社後支援 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能介護人材の紹介や各種手続き支援、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
介護福祉士の試験対策講座

明光グローバルは、外国人向けに特化した介護福祉士の試験対策講座を提供しています。外国人受験者特有の課題に対応しており、効果的な学習方法を取り入れているのが特徴です。
介護福祉士の試験対策講座
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 段階的学習プラン | ・基礎日本語から専門知識まで、レベルに応じた学習 ・N5からN2以上まで、幅広い日本語能力に対応 |
| 実践的な訓練 | ・語彙力、読解力強化の集中トレーニング ・実践的なケーススタディによる知識の定着 |
| 柔軟な学習形態 | ・講座の実施方法(オンライン実施) ・受講人数:企業様のご要望に応じて柔軟に対応可能 |
| 専門性の高いサポート | ・介護現場経験のある日本語教師による指導 ・介護の日本語教育専門家による監修 〇特徴:高い合格実績 〇内容:日本人の合格水準にならぶ高い合格実績(81%) |
介護福祉士の試験対策講座は、日本語能力の向上と介護専門知識の習得を、同時に進められます。また、外国人材がつまずきやすいポイントも網羅されているので、不安なく試験に挑むことができるでしょう。
明光グローバルの強み
明光グローバルは、外国人向け介護福祉士試験対策において、次の強みを持っています。
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 確かな実績 | ・日越EPA訪日前日本語研修事業を5年連続で受託 ・90%以上のEPA候補生がJLPT N3に1年で合格 |
| 教育ノウハウ | ・40年にわたる塾事業の経験を活かした試験対策カリキュラム ・過去問分析に基づく効率的な学習教材の開発 |
| 専門的な日本語教育 | ・2校の日本語学校を運営 ・年間2,000人以上の留学生受け入れ実績 |
| 現場に即した指導 | ・介護事業所での勤務経験を持つ日本語教師による研修 ・実践的な知識を活かした国家試験対策 |
| 専門家の監修 | ・東京都立大学名誉教授・西郡仁朗氏によるカリキュラム監修 |
N3レベルの合格率が90%を超えていることからも、明光グローバルが開発した試験対策は多くの受験者に対して効果が見込めます。
特定技能人材紹介サービス
特定技能人材紹介サービスは、特定技能人材の導入から定着まで、一気通貫したサポートが受けられるコンサルティングサービスです。
明光グローバルは、特定技能1号人材の登録支援機関として認定されています。登録支援機関とは、特定技能1号の人材への支援を適切に実施し、出入国在留管理庁への各種届出を滞りなく行うために設置されているサポート機関です。
企業が登録支援機関と委託契約を締結すると、必要に応じて特定技能人材への支援を登録支援機関に委託することができます。具体的には、ご契約いただいた企業においては、特定技能人材の紹介に加えて、次のサービスをご利用いただくことが可能です。
- 特定技能人材の採用に向けた各種申請書類作成のサポート
- 特定技能人材の生活サポート
- 特定技能人材の母国語での相談窓口
- 特定技能人材との定期面談
明光グローバルのサービスが選ばれている主な理由は、次の3つのサポート体制にあります。
| サポート内容 | 概要 |
|---|---|
| 採用支援 | ・SNSを活用した独自の採用ルート ・提携教育機関との連携による人材確保 ・母国語スタッフによる適性評価 |
| 充実した入社前後のサポート | ・在留資格申請の手続き代行 ・住居やライフラインの整備 ・銀行口座開設など初期手続きの支援 |
| 効果的な定着支援と能力開発 | ・定期的な面談によるフォロー ・母国語による相談窓口の設置 ・独自開発の外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」による日本語学習 |
こうした包括的なサポートにより、半年で100名以上の紹介実績を持つ企業様もいます。特定技能人材の採用をお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
明光グローバルの強み
明光グローバルの強みは、「集客力」「教育力」「専門性」の3点です。
明光グローバルは、SNSや各種メディアなどを通じて外国人材を数多く集客しています。また、グループ会社のネットワークを通じて、各種教育機関からも優秀な人材を獲得しています。潤沢な候補者情報を獲得しているからこそ、企業にぴったりの人材を選抜し、推薦することが可能なのです。
まとめ
介護業界における人材不足の解消には、外国人材の採用が有効な選択肢です。制度や手続きには一定のルールがあるものの、適切に進めることで外国人介護人材の採用はスムーズに実現できます。
そのため、制度の違いや採用の流れ、必要な支援体制を正しく理解し、自社に適した方法を選択することが重要です。
一方で、外国人材の採用に不慣れな事業所にとっては、制度の理解や採用前後の準備が大きな負担となる場合もあります。そのような場合は、信頼できる登録支援機関を活用することで、採用活動を円滑に進めることが可能です。
明光グローバルは、外国人介護人材の受け入れ実績が豊富で、外国人材の紹介や採用後の定着支援、トラブル対応まで一貫したサポートを提供しています。外国人介護人材の採用を検討している企業様は、明光グローバルまでお気軽にお問い合わせください。




