2026年3月中旬に、厚生労働省から第38回介護福祉士国家試験の試験結果に関する資料が公開されました。例年より合格率が低下している要因の一つに、外国人受験者の増加が挙げられます。日本の介護現場を支えるために介護福祉士の資格獲得を目指す外国人が年々増えている一方で、外国人の介護福祉士国家試験の合格率は低下傾向にあります。
今回は、外国人の介護福祉士国家試験の合格率が低い理由や、外国人が合格を勝ち取るためのポイントについて紹介します。雇用している外国人に介護福祉士国家試験に合格してもらいたいと考えている介護施設・事業所の経営者や人事、教育担当者の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
【最新】第38回介護福祉士国家試験の合格率と推移
2026年1月25日に開催された第38回介護福祉士国家試験の合格率が発表されました。第38回介護福祉士国家試験では受験者数78,469人に対し合格者数が54,987人であり、合格率は70.1%となりました。
| 項目 | 人数・割合 |
|---|---|
| 受験者数 | 78,469人 |
| 合格者数 | 54,987人 |
| 合格率 | 70.1% |
※第38回介護福祉士国家試験の合格発表について(厚生労働省)をもとに作成
また、今回から、介護福祉士国家試験にパート別合格制度が導入されています。第38回介護福祉士国家試験のパート別合格者数は以下の通りとなりました。
| 項目 | パート別合格者数 |
|---|---|
| Aパート | 3,935人 |
| Bパート | 1,509人 |
| Cパート | 6,181人 |
※第38回介護福祉士国家試験の合格発表について(厚生労働省)をもとに作成
※パート別合格者とは、全パートの総得点の合格基準を満たさない者のうち、各パートの合格基準点以上を得点し、かつ、当該パートを構成する試験科目群すべてにおいて得点があった者
過去10回の介護福祉士国家試験の合格率の推移は以下のグラフのとおりです。

※第38回介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移(厚生労働省)および第38回介護福祉士国家試験の合格発表について(厚生労働省)を参考に作成
推移グラフを見ると、受験者数は第36回から増えてきているのに対し、合格者数は第35回から下がり続けていることが分かります。合格率は前年から大きく下落しており、過去10年間の中では2番目に合格率の低い回であることが分かります。
その要因として、介護福祉士を目指す外国人受験者が増えてきていることが合格率の低下の背景にあると考えられます。ここでは、外国人の介護福祉士国家試験の合格率と推移を紹介します。
参照元:
外国人の介護福祉士国家試験の合格率
厚生労働省では、外国人の主な在留資格別の介護福祉士国家試験の合格率を公表しています。第38回介護福祉士国家試験における外国人の主な在留資格別の合格率は以下のとおりです。
| 在留資格 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 特定活動(EPA候補者) | 1,196人 | 380人 | 31.8% |
| 特定技能1号 | 10,406人 | 3,435人 | 33.0% |
| 技能実習 | 517人 | 227人 | 43.9% |
| 留学 | 4,461人 | 1,540人 | 34.5% |
第38回介護福祉士国家試験全体の合格率が70.1%であるのに対し、外国人の主な在留資格別の合格率はいずれも5割以下となっています。このことから、外国人受験者の合格率が全体的に低い傾向にあることが分かります。
パート別合格制度が導入されることで、今後外国人受験者の合格率にどのような影響が出るかが注目されます。
参照元:
- 第38回介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移(厚生労働省)
- 第38回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果(厚生労働省)
- 第38回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率(厚生労働省)
外国人の在留資格別の介護福祉士国家試験の合格率の推移
直近3回の介護福祉士国家試験における外国人の主な在留資格別の合格率の推移は、以下のグラフのとおりです。

「特定活動(EPA候補者)」や「特定技能1号」、「留学」といった在留資格については、回を重ねるごとに合格率が下がってきていることが分かります。「技能実習」は、回によって合格率に波があります。
参照元:
- 第38回介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移(厚生労働省)
- 第38回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果(厚生労働省)
- 第38回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率(厚生労働省)
- 第37回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率(厚生労働省)
- 第36回介護福祉士国家試験養成施設等別合格率(厚生労働省)
外国人の介護福祉士国家試験の受験ルートの概要
外国人の介護福祉士国家試験の受験ルートは大きく3つに分かれています。ここでは、外国人の介護福祉士国家試験の受験ルートについて解説します。
参照元:介護福祉士国家試験受験資格(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)
外国人の介護福祉士国家試験の3種類の受験ルート
外国人の介護福祉士国家試験の受験ルートは、主に以下の3種類となっています。
- EPAルート:EPA(経済連携協定)を活用して来日している介護福祉士候補者のための受験ルート
- 養成施設ルート:日本の介護福祉士養成施設に通う留学生のための受験ルート
- 実務経験ルート:日本の介護施設で働いている特定技能1号や技能実習などの外国人材のための受験ルート
EPAルートおよび実務経験ルートについては、介護施設などで3年以上の実務経験を積み、実務者研修などを修了することで受験が可能となります。
養成施設ルートについては、必要な教科目・単位数を修めて卒業することが基本的な受験資格となります。なお、2026年度末までに養成施設を卒業する場合、卒業後5年の間は介護福祉士国家試験を受験しなくても(受験した場合は合格しなくても)介護福祉士になることができます。2027年度からは制度の改正につき、養成施設を卒業した場合も国家試験に合格しなければ介護福祉士になることができません。
外国人の受験ルートによって合格率に差が出る理由
第38回介護福祉士国家試験においては、受験ルートによる合格率の差は大きく出ていませんが、技能実習の在留資格のみ合格率が高くなっています。
技能実習は、基本的に母国への帰国を前提としている在留資格制度です。そのため、介護福祉士国家試験を受験する技能実習生は、日本で働きたいという強い意向を持っていることが想定されます。また、他の在留資格と比較すると受験者数が少ないことも、合格率に波が生じやすい要因になっています。
養成施設ルートを活用する留学生の合格率が高くない背景には、前章で紹介したように、2026年度末までに養成施設を卒業する場合には国家試験に合格しなくても介護福祉士になることができるという事情があります。2027年度からは国家試験の合格が必須要件となるため、合格率にも影響があると考えられます。
EPAルートや実務経験ルートの外国人材は、介護の仕事と並行して国家試験の勉強を進めなければなりません。日本での仕事や生活に慣れない中で、思うように試験対策を進めることができないといった事情から、合格率が低くなりやすい傾向があります。
仕事と並行しながら試験対策を進める外国人材の合格率を高めるためには、雇用している介護施設・事業所が率先して学習面でのサポートを提供することが必要です。
外国人の介護福祉士国家試験の合格を阻む壁
介護福祉士国家試験における外国人の合格率が低くなっている背景には、外国人受験者ならではのさまざまな課題があります。ここでは、外国人材にとって介護福祉士国家試験の合格が難しい理由について解説します。
- 出題範囲が広い
- 出題される日本語が難しい
- 仕事と試験対策の両立が難しい
出題範囲が広い
介護福祉士国家試験の出題範囲はとても広いです。そのうえ、日本語以外の言語で介護福祉士国家試験の内容を網羅的に学べるテキストや講義はあまり一般的ではなく、外国人がなかなかアクセスすることができない状況です。
外国人にとっては、母国語ではない日本語で、多岐にわたる分野を学習する必要があるため、スムーズに学習を進めることが難しくなっています。
出題される日本語が難しい
介護福祉士国家試験は、日本人受験者を想定して作られています。介護特有の専門用語や、複雑な文章表現、微妙な言葉のニュアンスも多く含まれており、解き進めるためには高度な日本語能力が必要です。
そのため、外国人が受験する場合、試験内容を理解していても、言語能力の面でつまずいてしまうことがあります。
なお、外国人受験者は申請すると、漢字にルビが振られたバージョンの試験問題を配布してもらうことができます。また、受験時間を1.5倍に延長してもらうことも可能となっています。これらの措置を利用していても、一定の日本語能力を身につけていなければ試験を解き切ることはできません。
仕事と試験対策の両立が難しい
介護施設で働きながら試験への合格を目指す実務経験ルートの外国人材は、仕事と試験対策の両立に難しさを抱えています。
ネイティブスピーカーではない外国人は、日本での介護業務に大きな体力や精神力を使います。退勤後に試験対策に取り組もうとしても、疲れてしまってなかなか勉強に集中できないこともあります。
また、シフト勤務や夜勤の影響で生活リズムが乱れてしまうことも、計画通りに学習を進められない要因となっています。
外国人が介護福祉士国家試験に合格するためのポイント
外国人が介護福祉士国家試験に合格するためには、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、事業主の立場から、雇用する外国人に介護福祉士国家試験に合格してもらうために押さえておきたいポイントを解説します。
- 余裕のある学習計画を立てる
- 試験範囲の内容を効率的にインプットする
- 過去問や模擬試験を活用する
- 継続的な日本語学習に取り組む
余裕のある学習計画を立てる
外国人の在留資格によっては、日本に滞在できる期間に制限がある場合があります。たとえば、特定技能1号の在留資格で日本に在留できる期間は最長5年までとなっています。
在留可能な期限までに試験に合格できなかった場合、在留資格「介護」に移行することができず、最悪の場合帰国しなければならなくなります。なるべく早い段階から受験する時期を決めておき、受験日から逆算して計画的に学習計画を立てることが重要です。
試験範囲の内容を効率的にインプットする
介護福祉士国家試験の試験範囲は広いため、テキストやオンライン教材などを活用して、網羅的に試験内容を理解することが必要です。特に、時間にゆとりのない実務経験ルートの外国人材に対しては、効率的に学ぶことができる教材を雇用主が率先して提供することがポイントとなります。
明光グローバルでは、外国人受験者に特化した介護福祉士試験対策講座を提供しています。外国人ならではの苦手科目を潰し込みながら、試験範囲の内容を網羅的かつ集中的に学ぶことができます。気になる方は明光グローバルまでお気軽にお問い合わせください。
過去問や模擬試験を活用する
社会福祉振興・試験センターのウェブサイトでは、直近3回分の過去問が無料で公開されています。外国人受験者向けに、漢字にルビが振られたバージョンや音声読み上げ用試験問題も用意されています。
また、介護福祉士国家試験については民間企業での模擬試験なども多数開催されています。過去問や模擬試験を通して試験の雰囲気や出題形式に慣れておけば、本番試験でも落ちついて実力を発揮することができるでしょう。
継続的な日本語学習に取り組む
介護福祉士国家試験では、申請すれば日本語にふりがなのついた試験用紙で受験することができます。そうはいっても、出題範囲の語彙や表現そのものを理解していなければ、スムーズに試験を解くことはできません。外国人受験者が合格率を高めるためには、継続的に日本語学習に取り組むことが必要不可欠となります。
明光グローバルには、外国人を対象に日本語教育に取り組んできた実績から豊富な知見やノウハウが蓄積されています。明光グローバルの介護福祉士試験対策講座なら、受講を通して、介護に関する専門知識の習得と日本語能力の向上を同時に進めることができます。
外国人の介護福祉士国家試験対策は明光グローバルにお任せください
日本語能力の不足や試験対策にかけることができるリソース不足などの要因から、外国人の介護福祉士国家試験の合格率は低くなっています。雇用している外国人に介護福祉士国家試験に合格してもらうためには、雇用主が教材提供などの面で支援することが重要です。
一方で、外国人を雇用している事業者の中には「外国人にとって有用な試験対策教材がどれか分からない」「どのように合格に向けてサポートを提供すれば良い?」といったお悩みを抱えている方も多いです。
最後に、外国人の介護福祉士国家試験の合格に向けた学習支援にお悩みの介護施設・事業所の経営者や人事、教育担当者の方に向けて、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・手続き支援~入社後支援 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
介護福祉士の試験対策講座
明光グローバルは、外国人向けに特化した介護福祉士の試験対策講座を提供しています。外国人受験者特有の課題に対応しており、効果的な学習方法を取り入れているのが特徴です。
介護福祉士の試験対策講座
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 段階的学習プラン | ・基礎日本語から専門知識まで、レベルに応じた学習 ・N5からN2以上まで、幅広い日本語能力に対応 |
| 実践的な訓練 | ・語彙力、読解力強化の集中トレーニング ・実践的なケーススタディによる知識の定着 |
| 柔軟な学習形態 | ・講座の実施方法(オンライン実施) ・受講人数:企業様のご要望に応じて柔軟に対応可能 |
| 専門性の高いサポート | ・介護現場経験のある日本語教師による指導 ・介護の日本語教育専門家による監修 〇特徴:高い合格実績 〇内容:日本人の合格水準にならぶ高い合格実績(81%) |
介護福祉士の試験対策講座は、日本語能力の向上と介護専門知識の習得を、同時に進められます。また、外国人材がつまずきやすいポイントも網羅されているので、不安なく試験に挑むことができるでしょう。
明光グローバルの強み
明光グローバルは、外国人向け介護福祉士試験対策において、次の強みを持っています。
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 確かな実績 | ・日越EPA訪日前日本語研修事業を5年連続で受託 ・90%以上のEPA候補生がJLPT N3に1年で合格 |
| 教育ノウハウ | ・40年にわたる塾事業の経験を活かした試験対策カリキュラム ・過去問分析に基づく効率的な学習教材の開発 |
| 専門的な日本語教育 | ・2校の日本語学校を運営 ・年間2,000人以上の留学生受け入れ実績 |
| 現場に即した指導 | ・介護事業所での勤務経験を持つ日本語教師による研修 ・実践的な知識を活かした国家試験対策 |
| 専門家の監修 | ・東京都立大学名誉教授・西郡仁朗氏によるカリキュラム監修 |
N3レベルの合格率が90%を超えていることからも、明光グローバルが開発した試験対策は多くの受験者に対して効果が見込めます。
まとめ
外国人の介護福祉士国家試験の合格率は日本人と比べて低くなっています。特に、実務経験ルートの外国人は、仕事と学業を両立する難しさからなかなか合格することができない実情があります。
外国人の介護福祉士国家試験の合格率を高めるためには、雇用主である介護施設・事業所が積極的に学習支援を提供することが重要です。一方、外国人材に対する教育支援に慣れていない介護施設・事業所を中心に「どのような教材を提供すれば良いか分からない」「人的リソースが枯渇していてなかなか学習支援まで手が回らない」といったお悩みをお持ちの方も増えてきています。
明光グローバルの介護福祉士試験対策講座を活用すれば、必要な内容を集中的に学ぶことができます。また、介護の日本語教育専門家による監修のもと、介護現場経験のある日本語教師が指導にあたるため、外国人特有の苦手科目を中心に対策することが可能です。実際に、N3レベルの合格率は90%を超えており、効果の高い講座となっています。
外国人の介護福祉士試験対策にお悩みの介護施設・事業所の経営者や人事、教育担当者の方は明光グローバルまでお気軽にお問い合わせください。





