近年、製造業を含むさまざまな業界・業種で人材難が深刻化しています。人手不足の解消に向け、製造業では特定技能1号の外国人材が積極的に雇用されており、特定技能1号から特定技能2号への移行を検討している企業・外国人材も増えています。中には、「特定技能2号の在留資格を取得してもらうにはどうすれば良い?」「どのような試験対策が必要?」といったお悩みの声も少なくありません。
今回は、工業製品製造業分野(以降「製造業分野」)で特定技能2号の在留資格を取得するための取得要件や合格すべき試験、試験対策のポイントなどについて解説します。製造業分野で特定技能2号への移行にお悩みの企業の経営者や人事・教育担当者の方はぜひ本記事を参照してください。
製造業分野で特定技能2号の取得を目指す企業・外国人材が増えている
近年、製造業分野で特定技能2号の取得を目指す企業・外国人材が増えています。2024年12月末時点で、製造業分野で働く特定技能1号の外国人材の総数は45,183人となっています。これに対し、製造業分野の特定技能2号の外国人材の総数は96人と非常に少ない状況です。
特定技能2号の外国人材が少ない理由としては、制度の創設から年数が浅いことや、特定技能1号と比較して特定技能2号の方が在留資格の取得難易度が高いことなどが挙げられます。一方、特定技能1号の在留資格で日本に滞在できる期間は最長でも5年となっているため、5年以上にわたって日本に滞在するためには、特定技能2号に在留資格を変更することが必要です。
2025年9月時点で特定技能制度の創設から6年が経過し、制度の創設初期に特定技能1号の在留資格を取得した外国人材が徐々に在留できる期間の上限に達しつつあります。このような状況にある製造業分野の企業では、雇用している特定技能1号の外国人材に対する特定技能2号への移行支援が進められています。
特定技能1号から特定技能2号に移行するには、技能試験への合格や一定の実務経験を満たさなければなりません。外国人材の学習期間を確保するためにも、余裕を持ったスケジュールでの準備が必要です。
参照元:
特定技能2号の取得に向けた試験対策は企業側が支援することが一般的
製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するための試験は、全体的に難易度が高く、合格率が50%を切っていることが多いです。そのため、合格に向けてしっかりとした試験対策が必要となります。
一方、外国人材が特定技能2号の試験対策に必要な教材やテキストに自力でアクセスすることは難しいです。外国人材の合格を確実にするためにも、企業側が学習支援を提供することが一般的となっています。
学習支援の内容としては、次のようなものが挙げられます。
- 各種試験対策に必要なテキスト・教材の購入
- 日本語教育機会の提供
- 定期的な学習状況・学習スケジュールの確認
- 学習相談や合格に向けたアドバイスの提供
特定技能制度とは
特定技能制度とは、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野(以降「特定産業分野」)において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていくための在留資格制度です。
特定技能1号・特定技能2号とは
特定技能の在留資格には、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類があります。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留資格の定義 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格 | 熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格 |
| 在留可能な期間の上限 | 通算で上限5年 ※3年を超えない範囲で指定された期間ごとの更新 | 在留期間の更新を行えば上限なく滞在可能 ※3年、2年、1年または6ヶ月ごとの更新 |
| 技能水準・実務経験 | 技能試験への合格が必要(同一分野の技能実習2号を良好に修了した場合は免除) | 特定技能1号よりも高度な技能試験への合格が必要・一定の実務経験が必要 |
| 日本語能力水準 | 日本語能力試験(以降「JLPT」) N4レベルの日本語試験への合格が必要(技能実習2号を良好に修了した場合は免除) | 日本語試験の要件はない(一部の分野ではJLPT N3レベルの日本語試験への合格が必要) |
| 受け入れ機関等による支援の要否 | 受入れ機関または登録支援機関による支援義務あり | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象外 |
| 家族帯同の可否 | 原則として家族帯同は不可 | 配偶者と子の帯同が可能(ただし「家族滞在」の在留資格の取得が必要) |
| 在留資格「永住者」が取得できる可能性 | 基本的に不可能 | 取得可能性がある |
特定技能制度における製造業分野とは
特定技能制度における特定産業分野の一つに製造業分野があります。製造業分野には10種類の業務区分がありますが、特定技能2号の在留資格を設置しているのは次の3区分です。
- 機械金属加工区分:素形材製品や産業機械などの製造工程の作業に従事する業務区分
- 電気電子機器組立て区分:電気電子機器などの製造工程、組立工程の作業に従事する業務区分
- 金属表面処理区分:表面処理などの作業に従事する業務区分
ここでは、製造業分野の特定技能2号の外国人材が従事できる業務内容について解説します。
製造業分野で特定技能2号の外国人材が従事できる業務内容
製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得すると、複数の技能者を指導しながらそれぞれの業務区分における作業に従事し、工程を管理するなどのマネジメント業務ができるようになります。
特定技能外国人には、主な業務に加えて、その業務に従事する日本人が通常従事することになる関連業務も任せることができます。ただし、関連業務のみに従事させることはできないため注意が必要です。
製造業分野の特定技能2号の外国人材が従事することができる業務内容は下の表のとおりです。
| 項目 | 機械金属加工区分 | 電気電子機器組立て区分 | 金属表面処理区分 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 複数の技能者を指導しながら、素形材製品や産業機械などの製造工程の作業に従事し、工程を管理 | 複数の技能者を指導しながら、電気電子機器などの製造工程、組立工程の作業に従事し、工程を管理 | 複数の技能者を指導しながら、表面処理などの作業に従事し、工程を管理 |
| 従事する主な業務 | ・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・鉄工 ・工場板金 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・機械検査 ・機械保全 ・電気機器組立て ・塗装 ・溶接 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 ・金属熱処理業 | ・機械加工 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・プリント配線板製造 ・電子機器組立て ・電気機器組立て ・機械検査 ・機械保全 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 | ・めっき ・アルミニウム陽極酸化処理 |
| 想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業など ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業など | ||
製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するメリット
製造業分野の企業にとって、雇用している外国人材が特定技能2号の在留資格を取得することにはさまざまなメリットがあります。ここでは、外国人材を雇用する企業の立場から、製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得してもらうメリットを解説します。
- 在留期間の上限を気にせず長期的に雇用することができる
- 任せられる業務の幅が広がる
- 外国人材がやりがいをもって働くことができる
在留期間の上限を気にせず長期的に雇用することができる
一つ目のメリットは、外国人材の在留できる期間の上限を気にせず長期的に雇用することができることです。
前述のとおり、特定技能1号の外国人材は最長でも5年までしか在留することができません。在留資格を変更しない限り、たとえ外国人材が自社の業務を覚え、職場に馴染んできたとしても、5年後には帰国せざるを得ません。
外国人材が特定技能2号の在留資格を取得すれば、上限なく日本に滞在できるようになります。そのため、長期的な人材確保を実現したい企業にとって、外国人材が特定技能2号の在留資格を取得することには大きなメリットがあるといえます。
任せられる業務の幅が広がる
2つ目のメリットは、外国人材に任せられる業務の幅が広がることです。
特定技能1号の外国人材は、あくまで自身に与えられた範囲の作業にしか従事することができません。これに対して、特定技能2号の外国人材には他の技能者への教育指導や工程管理などのマネジメント業務を任せることができます。
特定技能2号の外国人材を雇用することはより責任のある役職や難易度の高い業務を任せられる人材の確保に繋がるため、企業にとってメリットであるといえます。
外国人材がやりがいをもって働くことができる
3つ目のメリットは、外国人材がやりがいをもって仕事に向き合うことができることです。
特定技能2号の在留資格では、「家族滞在」の在留資格を取得することで、外国人材の配偶者と子を帯同させることが可能となっています。これまで日本で単身赴任をしていた外国人材も、本国から配偶者や子供を呼んで一緒に暮らすことができるようになるため、モチベーションが高まります。
また、特定技能2号の在留資格を取得すると、外国人材が「永住者」の在留資格が取得できる可能性も高くなります。「永住者」の在留資格を取得すれば、在留期間の更新が不要になり、就労制限がなくなるなど、外国人材が日本で社会的信用を得ながら安定的な立場で生活できるようになります。
このように、特定技能2号の在留資格を取得すると、外国人材は仕事にやりがいを持ちやすくなります。外国人材の仕事のパフォーマンスが高まり、より一層職場での活躍が期待できるようになるため、企業にとってもメリットとなります。
製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得する要件
製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するためには、次の要件を満たす必要があります。具体的な試験の種類は、業務区分によって異なります。
- 技能試験:製造分野特定技能2号評価試験もしくは技能検定への合格(製造分野特定技能2号評価試験を取得する場合はあわせてビジネス・キャリア検定3級への合格が必要)
- 実務経験:日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験の取得
ここでは、製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するための詳しい要件について解説します。
製造業分野で特定技能2号を取得するための技能試験の要件
特定技能2号の在留資格を取得するための技能試験の要件を満たす方法としては、大きく分けて特定技能2号評価試験ルートと技能検定ルートがあります。
特定技能2号評価試験ルートとは、製造分野特定技能2号評価試験を受験するルートです。この場合、各業務区分別の製造分野特定技能2号評価試験に加えて、ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション)にも合格する必要があります。
技能検定ルートの場合は、各業務区分別の技能検定1級に合格する必要があります。このルートでは、ビジネス・キャリア検定3級の合格は要件に課されていません。
ただし、技能検定の受験には一定の実務経験の年数が求められるため、外国人材の経歴や職務歴によっては受験ができないこともあります。このような背景から、基本的には特定技能2号評価試験ルートを選択することが一般的となっています。
業務区分別の合格すべき試験の内容は下の表のとおりです。
| 業務区分 | 特定技能2号評価試験ルート | 技能試験ルート |
|---|---|---|
| 機械金属加工区分 | 次の両方の試験に合格が必要 ・製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工) ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) | 次のいずれかの試験に合格が必要 ・技能検定1級(鋳造) ・技能検定1級(鍛造) ・技能検定1級(ダイカスト) ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(金属プレス加工) ・技能検定1級(鉄工) ・技能検定1級(工場板金) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(塗装) ・技能検定1級(工業包装) ・技能検定1級(金属熱処理) |
| 電気電子機器組立て区分 | 次の両方の試験に合格が必要 ・製造分野特定技能2号評価試験(電気電子機器組立て) ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) | 次のいずれかの試験に合格が必要 ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電子機器組立て) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プリント配線板製造) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(工業包装) |
| 金属表面処理区分 | 次の両方の試験に合格が必要 ・製造分野特定技能2号評価試験(金属表面処理) ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) | 次のいずれかの試験に合格が必要 ・技能検定1級(めっき) ・技能検定1級(アルミニウム陽極酸化処理) |
参照元:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-工業製品製造業分野の基準について-(出入国在留管理庁)
製造業分野で特定技能2号を取得するための実務経験の要件
製造業分野における特定技能2号の取得要件には、日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験が求められます。
この場合の「日本国内に拠点を持つ企業」とは日本国内に登記している本店または主たる事務所などがある企業をいいます。また、「製造業の現場における実務経験」とは、日本標準産業分類に掲げる産業のうち「大分類E-製造業」に掲げるものを行っている事業所にて、製造品の加工等に従事した経験を指します。ただし、「中分類09-食料品製造業」および「中分類10-飲料・たばこ・飼料製造業」は除きます。
外国人材が働く事業所が、飲食料品・たばこ・飼料などを除く製造業を営んでおり、その事業に関する製造品出荷額などが発生している場合は、3年以上勤務している実績があれば基本的に要件を満たすことになります。
製造分野特定技能2号評価試験の試験対策のポイント
多くの外国人材が特定技能2号評価試験ルートを選択することから、ここでは製造分野特定技能2号評価試験について解説します。
製造分野特定技能2号評価試験では、受験資格として、試験日の前日までに日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験が必要です。そのため、試験申込の前に、これを証明する「実務経験証明書」を提出し、受験資格確認番号を取得しなければなりません。
製造分野特定技能2号評価試験の試験期間は、第1〜3タームの3つに分割されており、受験者は年に3回試験を受けることができます。2025年度については次のスケジュールで試験を実施しています。なお、2025年現在、試験開催地は国内のみとなっています。
| 時期 | 受験資格確認番号の取得申請期間(実務経験証明書の提出期間) | 試験申込受付期間 | 試験期間 |
|---|---|---|---|
| 2025年度第1ターム | 2025年5月12日~5月23日 | 2025年5月28日~6月21日 | 2025年7月1日~7月7日 |
| 2025年度第2ターム | 2025年8月25日~9月5日 | 2025年9月19日~10月25日 | 2025年11月4日~11月10日 |
| 2025年度第3ターム | 調整中 | 2026年1月頃(見込) | 2026年2月頃(見込) |
製造分野特定技能2号評価試験の合格率は業務区分によって異なります。
機械金属加工区分の場合、過去3期における合格率は35〜65%程度であり、実施回によってばらつきがあります。直近の2025年度第1タームの合格率は49,3%となっています。
機械金属加工区分
| 時期 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年度第1ターム | 770 | 472 | 61.3 |
| 2024年度第2ターム | 671 | 244 | 36.4 |
| 2024年度第3ターム | 522 | 229 | 43.9 |
| 2025年度第1ターム | 1,433 | 706 | 49.3 |
電気電子機器組立て区分の場合も、合格率は15〜70%となっており、実施回によってばらつきがあります。直近の2024年度第3タームの合格率は51.6%です。
電気電子機器組立て区分
| 時期 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年度第1ターム | 175 | 116 | 66.3 |
| 2024年度第2ターム | 131 | 23 | 17.6 |
| 2024年度第3ターム | 100 | 40 | 40.0 |
| 2025年度第1ターム | 304 | 157 | 51.6 |
金属表面処理区分では、合格率が0〜30%程度の範囲に収まっており、全体的に難易度が高い試験となっています。直近の2025年度第1タームでは合格者が1人も出ていません。
金属表面処理区分
| 時期 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年度第1ターム | 13 | 4 | 30.8 |
| 2024年度第2ターム | 13 | 3 | 23.1 |
| 2024年度第3ターム | 6 | 1 | 16.7 |
| 2025年度第1ターム | 22 | 0 | 0.0 |
業務区分ごとに傾向は異なるものの、製造分野特定技能2号評価試験は合格率が50%を切ることが多いです。外国人材にとっては難易度の高い試験となっているため、合格には徹底的な試験対策が不可欠です。
ここでは、製造分野特定技能2号評価試験に合格するための試験対策のポイントについて解説します。
- 2号評価試験学習用参考資料を活用する
- 特定技能2号評価試験対策講座を受講する
- 継続的に日本語学習を実施する
2号評価試験学習用参考資料を活用する
一般社団法人工業製品製造技能人材機構では、製造分野特定技能2号評価試験対策のための学習用参考資料を公開しています。
学習用参考資料では、業務区分ごとの出題範囲が紹介されており、問題形式で学べるようになっています。問題ごとに詳しい解説が掲載されており、試験で重要となる関連キーワードも紹介されているため、効率的に学習を進めることが可能です。
ただし、学習用参考資料は出題範囲の問題が全て網羅されているわけではなく、あくまで一部を抜粋したものとなっています。そのため、学習用参考資料だけでは十分な試験対策ができない点に注意が必要です。
参照元:サンプル問題・学習用参考資料(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)
特定技能2号評価試験対策講座を受講する
製造分野では、特定技能2号の試験範囲を網羅する公式テキストが用意されていません。短期間で集中して学習を進め、合格を確実なものにするためには、専門家による特定技能2号評価試験対策講座などを受講するのがおすすめです。
明光グローバルでは、製造分野特定技能2号評価試験に合格するために必要な知識を網羅的に学べる試験対策講座を実施しています。全8回の講座となっており、少ない学習期間で効率的に試験範囲を学ぶことが可能です。
製造業分野の試験対策にお悩みの方は、ぜひ明光グローバルの特定技能2号評価試験対策講座をご検討ください。
継続的に日本語学習を実施する
特定技能2号の技能試験は基本的にJLPT N2相当の日本語で書かれています。外国人材がどんなに習熟した技能を持っていたとしても、試験問題が読めなければ合格することはできません。そのため、製造分野特定技能2号評価試験の合格に向けては、継続的な日本語学習も不可欠といえます。
明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」なら、スキマ時間を活用してスマートフォンから日本語を学ぶことが可能です。「IT導入補助金2025」の対象ツールにも採択されているため、中小企業・小規模事業者の方も導入しやすくなっています。
ビジネス・キャリア検定3級の試験対策のポイント
ビジネス・キャリア検定とは、職務を遂行する上で必要となる知識の習得と実務能力の評価を行うことを目的とした試験です。等級は1級・2級・3級・BASIC級の4種類に分かれており、うち3級は実務経験3年程度の専門知識を活用する能力を図る試験と定義されています。
試験分野は8分野に分かれており、それぞれの試験分野に複数の試験区分が設けられています。製造業分野の特定技能2号を取得するためには、生産管理分野の生産管理プランニング区分もしくは生産管理オペレーション区分のいずれかの試験に合格する必要があります。
ビジネス・キャリア検定3級の生産管理プランニング区分の過去3期の合格率はおよそ40〜50%程度です。直近の開催回では39.5%と低くなっています。
3級生産管理プランニング
| 時期 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 令和5年度後期 | 758 | 393 | 51.8 |
| 令和6年度前期 | 1,197 | 484 | 40.4 |
| 令和6年度後期 | 1,280 | 506 | 39.5 |
ビジネス・キャリア検定3級の生産管理オペレーション区分の合格率は25~60%程度と実施回によってばらつきがあります。直近の開催回では28.1%と非常に低くなっています。
3級生産管理オペレーション
| 時期 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 令和5年度後期 | 893 | 514 | 57.5 |
| 令和6年度前期 | 2,342 | 880 | 37.5 |
| 令和6年度後期 | 2,649 | 746 | 28.1 |
ここでは、ビジネス・キャリア検定3級の試験対策のポイントを解説します。
- 中央職業能力開発協会の標準テキストを活用する
- ビジネス・キャリア検定3級対策講座を受講する
中央職業能力開発協会の標準テキストを活用する
中央職業能力開発協会では、試験ごとに標準テキストを発刊しています。標準テキストでは、出題範囲の内容について詳しく解説されており、教科書のように学ぶことができるようになっています。
特定技能外国人向けに漢字にふりがなのついたテキストも用意されているため、スムーズに学習することが可能です。合格に向けては、まず標準テキストにしっかり取り組むことが重要です。
なお、標準テキストでは具体的な試験問題は紹介されていません。中央職業能力開発協会の公式サイトから直近2年分の過去問をダウンロードできるため、一通り標準テキストの内容を理解できたら過去問に挑戦することをおすすめします。
ビジネス・キャリア検定3級対策講座を受講する
ビジネス・キャリア検定は出題範囲が広く、標準テキストを活用して自学自習を進めるためには長期の学習期間が必要となります。短期間で合格に必要な学習を効果的に進めるためには、プロ講師によるビジネス・キャリア検定3級試験対策を受講するのがおすすめです。
明光グローバルの「特定技能2号試験対策講座」では、ビジネス・キャリア検定3級対策の内容をカバーしています。全25回の講座で合格に必要なポイントを効率的に学べるため、スケジュールに余裕がない外国人材も安心です。
製造業分野で特定技能2号を取得するなら明光グローバルにおまかせください
製造業分野で特定技能2号を取得するためには、難易度の高い技能試験に合格する必要があります。一般的には製造分野特定技能2号評価試験・ビジネス・キャリア検定を受験するケースが多いです。試験の合格に向けては、しっかりとした試験対策が必要です。
明光グローバルでは、製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するための試験対策講座を用意しています。短期間で合格に必要な内容をピンポイントで学ぶことができるため、在留期限まで時間のない方でも安心です。
最後に、製造業分野で特定技能2号の在留資格の取得に向けた学習教材をお探しの企業の経営者や人事・教育担当者の方に向けて、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
特定技能2号評価試験対策講座
明光グローバルでは、特定技能2号という難関資格の取得を目指す方々を力強く支援するため、高い合格実績を誇る「特定技能2号試験対策講座」を提供しています。本講座の主な特徴は、次の3つに集約されます。
- 独自のオンライン日本語学習ツール「Japany」による効率的な反復学習が行える
- 基礎から応用まで網羅した対象講座ごとのカリキュラムで構成されている
- 実践的な模擬試験と丁寧な解答があり、解説を受けられる
製造分野では、総合講義時間66時間・約8ヶ月間の学習期間で、製造分野特定技能2号評価試験・ビジネス・キャリア検定の両方の内容を一気に習得することが可能です。製造分野特定技能2号評価試験のみ・ビジネス・キャリア検定のみのプランも用意されているため、外国人材の学習状況に応じて必要な内容をピンポイントで学ぶことができます。
ここでは、製造分野特定技能2号評価試験対策講座、ビジネス・キャリア検定3級試験対策講座の概要を紹介します。
製造分野の特定技能2号評価試験対策講座
製造分野の特定技能2号評価試験対策講座では、業務区分ごとに必要な知識を全8回の講義で網羅的に学びます。そのうち、第6回では演習問題、第7回・第8回では模擬試験と解答・解説を実施します。
座学に加えて演習や模擬試験など、実践的な問題に取り組む機会を持つことで、外国人材の苦手を可視化し、効果的な試験対策ができるようになっています。
製造分野のビジネス・キャリア検定3級試験対策講座
製造分野のビジネス・キャリア検定3級試験対策講座は、講座カリキュラム①(第1~13回)・講座カリキュラム②(第14~25回)に分かれています。そのうち、第24回と第25回では修了テストと解答・解説の機会を設けています。
講義期間中には、演習の機会を定期的に設けています。反復的な学習を通して必要な知識を定着させることが可能となっています。
オンライン日本語学習ツール「Japany」
特定技能2号評価試験対策講座を導入される場合、明光グローバルの外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」をセットで利用することが可能です。
「Japany」は、明光キャリアパートナーズが提供している外国人向けオンライン日本語学習ツールです。
Japanyを活用すれば、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策など、合計1,300本以上の豊富な動画教材を活用して学ぶことができます。そのため、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることができます。
また、パソコンやスマートフォンを使って、スキマ時間に自分のペースで学習できるのも特徴的です。
さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
| 受講形態 | e-ラーニング |
| 対象者 | 企業に在籍する外国人籍社員・帰国子女など |
| プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
| 受講期間 | コースによって異なる |
| 料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
まとめ
特定技能1号の外国人材に特定技能2号の在留資格を取得してもらうことで、外国人材だけでなく、企業側もさまざまなメリットが得られます。
特定技能2号評価試験やビジネス・キャリア検定は難易度の高い技能試験となっており、合格に向けてはしっかりとした試験対策が必要となります。一方、日本での仕事や生活で忙しくしている外国人材にとって、特定技能2号の取得に向けて継続的な自学自習を実現するのはハードルが高いです。企業側にも、外国人材の学習支援に必要な知見・ノウハウや人的リソースが不足していることが多いです。
特定技能2号の取得に必要な試験への合格を確実にするためには、外部のプロ講師による試験対策講座を活用するのがおすすめです。
明光グローバルでは、製造分野の特定技能2号評価試験・ビジネス・キャリア検定試験対策講座を実施しており、合格に必要な内容を短期間で集中的に学ぶことが可能となっています。製造業分野の特定技能2号の在留資格の取得にお悩みの企業の経営者や人事・教育担当者の方は、ぜひ明光グローバルまでお気軽にお問い合わせください。





