「外国人介護人材の受け入れを始めたいけれど、何から準備すれば良いかわからない」「採用方法や手続きが複雑そうで不安」「受け入れた後に失敗しないか、定着してもらうための注意点を知りたい」
介護業界の深刻な人手不足を背景に、外国人介護人材の受け入れを検討する介護事業所の経営者や担当者の方は増えています。しかし、同時に上記のような悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
外国人介護人材の受け入れを成功させるためには、「適切な採用プロセスの理解」と「受け入れ後の手厚い支援体制の構築」が大切です。
今回は、外国人介護人材の受け入れを成功に導くために、具体的な採用方法の種類と流れ、失敗しないための注意点、そして受け入れた人材が安心して長く働けるための支援のコツについて解説します。
外国人介護人材の受け入れが注目される背景
まず、なぜ今多くの介護事業所で海外からの人材活用が検討されているのか、その社会的な背景を解説していきます。
昨今、日本の介護業界は、急速な高齢化による「介護ニーズの増大」と、生産年齢人口の減少による「深刻な人手不足」という2つの大きな課題に直面しており、この解決策として外国人材の導入が不可欠な状況となっているのです。
介護ニーズの増大
現在の日本では、社会全体の高齢化が世界でも類を見ないスピードで進行しており、それに伴い高齢者介護サービスの需要は急速に高まっています。2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、介護サービスのニーズはさらに増大すると見込まれています。
この増大するニーズに対応し、国内の介護基盤を維持することは、日本の社会全体にとって最重要課題の一つとなっています。日本政府も危機感をもって後押しを進めていますが、日本国内の人材だけでは、今後も十分な介護サービスを維持できないのではないかと言われています。
深刻な人材不足
以上のように介護ニーズが増大する一方で、日本の生産年齢人口は減少し続けています。この結果、介護分野における人材確保は極めて難しい状況が続いているのです。
厚生労働省のデータを見ても、介護職の有効求人倍率は全職種の平均を大きく上回る高い水準で推移しており、日本人だけでは必要な介護人材を確保することが事実上不可能になりつつあります。この深刻な人手不足を補う手段として、外国人介護人材の受け入れが大きな注目を集めているのです。
外国人介護士を受け入れるための4つの在留資格
外国人介護人材の受け入れには、複数の制度(在留資格)があります。
- ①特定技能
- ②在留資格「介護」(通称:介護ビザ)
- ③技能実習(新制度「育成就労」へ移行予定)
- ④EPA(経済連携協定)
ここでは、事業所がどの制度を利用すべきか判断できるよう、上記の主要な4つの在留資格を、「目的」「必要な技能」「在留期間」「家族帯同」に加えて「就労可能な施設」や「業務範囲」の6つの項目で比較解説します。
厚生労働省:外国人介護人材の受入れについて
①特定技能
特定技能は、日本の人手不足が深刻な特定産業分野で、即戦力となる外国人材を受け入れるために2019年に創設されました。その一つである「介護」は、介護事業所における人手不足への対応を主たる目的としています。
- 目的・対象:人手不足の解消。介護分野の即戦力となる技能・日本語を持つ人材。
- 就労可能な施設:介護保険法・障害者総合支援法に基づく多くの施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス事業所など)。
- 従事できる業務:身体介護、付随する支援業務(レクリエーション、機能訓練補助など)。原則として訪問介護は認められていないが、2025年4月21日より一定の要件を満たすことで従事可能となった。
- 必要な技能・日本語レベル:介護分野の「特定技能評価試験」合格、および「日本語能力試験(N4相当以上)」。
- 在留期間の上限:通算5年(特定技能1号のみ)。
- 家族帯同の可否:原則不可。
このように特定技能は即戦力の人材を確保することが目的ですが、在留期間の上限があるので注意が必要です。介護分野は特定技能1号のみで、特定技能2号にはありません。そのため特定技能1号の上位資格にあたるのは、次に説明する在留資格「介護」になります。
②在留資格「介護」(通称:介護ビザ)
在留資格「介護」(通称:介護ビザ)は、日本の介護福祉士の国家資格を持つ専門職が対象となる在留資格です。専門性の高い外国人材を長期的に確保したい事業所にとって最も適した制度です。
- 目的・対象:高度な専門職の確保。日本の養成施設を卒業するか、実務経験を経て介護福祉士国家試験に合格した方。
- 就労可能な施設:介護保険法・障害者総合支援法に基づくすべての施設・事業所(訪問介護事業所を含む)。
- 従事できる業務:身体介護、生活援助、これに付随するすべての業務。介護の指導、訪問介護を含む、制限のない介護業務に従事できる。
- 必要な技能・日本語レベル:介護福祉士国家資格の保有。
- 在留期間の上限:上限なし(永住権への道も開ける)。
- 家族帯同の可否:可。
最終的にはこの在留資格を取得して、長期に就労できるようなキャリアプランを外国人材に提供できるよう受入れ企業側もサポートが必要でしょう。
③技能実習(新制度「育成就労」へ移行予定)
従来の技能実習制度は、開発途上地域への国際貢献として日本からの技術移転を目的とするものでしたが、「安価な労働力」として外国人材を雇用する事例など、制度の趣旨から外れた運用や人権上の問題が指摘されてきました。
こうした課題を踏まえ、技能実習制度に代わる新たな枠組みとして創設されたのが「育成就労制度」です。育成就労制度は、外国人材の「育成」と「確保」を主たる目的とし、国内の人材不足の解消と、外国人材が技能を習得し日本でのキャリアアップを図る機会の提供を強化するものです。ここでは、この新しい育成就労制度の概要を解説します。
- 目的・対象:人材の育成と確保(日本の産業分野で将来活躍できる人材の育成)。原則として、特定の技能水準と日本語能力を持つ人材。
- 就労可能な施設:従来の技能実習制度と同様に、主に施設系サービス(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの入所・通所施設)が想定されている。
- 従事できる業務:身体介護やそれに付随する支援業務。
- 必要な技能・日本語レベル:技能習熟度の評価(段階的な試験)に加え、日本語能力試験N5相当以上の基礎的な日本語能力が求められる見込み。
- 在留期間の上限:最長3年。この制度で育成された人材は、より上位の在留資格である特定技能1号への円滑な移行が期待されている。
- 家族帯同の可否:原則不可。
これまで技能実習制度による外国人材を採用してきた企業は、育成就労制度への移行に伴い、転職・転籍が一定の要件で可能になること、より明確な日本語能力の習得目標、そして人材の育成計画の策定と実施といった、厳格な人材育成や労働環境整備の基準が求められる点に注意が必要です。
参照元:育成就労制度・特定技能制度Q&A(出入国在留管理庁)
④EPA(経済連携協定)
EPA(経済連携協定)に基づく外国人介護福祉士候補者の受け入れは、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヶ国との協定に基づいて行われています。国家資格取得を前提とした制度です。
- 目的・対象:国家資格の取得。協定国で一定の教育を受け、日本の介護福祉士国家資格の取得を目指す候補者。
- 就労可能な施設:協定に基づき、主に施設系サービス(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)を受け入れ先としている。
- 従事できる業務:身体介護、付随する支援業務(介護福祉士候補者としての業務)。国家資格取得前の候補者の間は訪問介護は不可。
- 必要な技能・日本語レベル:協定国での一定の教育(来日時は候補者として働く)。
- 在留期間の上限:最大4年(国家試験合格後は在留資格「介護」または「特定活動(EPA介護福祉士)」へ移行し上限なし)。
- 家族帯同の可否:不可(国家資格取得後は在留資格「介護」または「特定活動(EPA介護福祉士)」へ移行し可)。
EPAは、国家資格の取得を前提としており、最大4年の在留期間で介護福祉士の資格取得を目指す制度です。合格後は制限のない在留資格「介護」または「特定活動(EPA介護福祉士)」へ移行し、長期的な活躍が期待されます。
外国人介護士を受け入れるメリットとデメリット
外国人介護人材の受け入れは、多くの利点がある一方で、事前に考慮すべき課題もあります。ここでは、採用を具体的に検討する上で重要なメリットと、想定されるデメリットおよびその事前対策について解説します。
外国人介護士の受け入れによる主なメリット
外国人介護人材を受け入れることで得られる最も大きな効果は、介護事業所の慢性的な人手不足の解消です。新しい人材が即戦力となることで、職員一人ひとりの仕事の負担が減り、安定した介護サービスを提供できるようになるでしょう。
また、多くの外国人介護人材は比較的若く、新しい考え方や活力を職場にもたらします。その結果、従業員の年齢構成のバランスが良くなり、職場の雰囲気が明るくなり、日本人スタッフのやる気アップにもつながります。
さらに、外国人スタッフと協力して働くことは、日本人スタッフにとって異文化への理解を深める貴重な機会となります。多様な文化や価値観に触れることで、仕事に対するより柔軟で多角的な見方が養われ、組織全体の成長を後押しする良い刺激となるでしょう。
そして、将来的に事業の海外展開を考えている企業の場合、外国人スタッフが現地の文化や言葉の架け橋となる重要な存在となり、事業の国際的な可能性を広げる土台ともなるでしょう。
想定される受け入れ時の主なデメリットと事前対策
まず、受け入れ時に想定される主なデメリットは、現場で生じやすい言葉や文化の違いからくるコミュニケーションの壁です。これに加え、採用や教育にかかる費用、そして在留資格に関する複雑な行政手続きが事業所側の負担となります。
こうしたデメリットへの対応が不十分だと、外国人材の定着率が下がってしまうという大きな問題につながりかねません。これらのデメリットを乗り越え、長期的な定着を実現するためには、適切な事前準備が大切です。
コミュニケーションをスムーズにするためには、「やさしい日本語」研修を取り入れたり、絵や写真など視覚的な資料を使った指導を徹底したりすることが効果的です。
文化的な摩擦を避けるためには、日本人スタッフへの異文化理解研修を実施し、宗教や食習慣に配慮した相談窓口を設けることが望まれます。また、コスト面での負担は補助金・助成金の活用を、煩雑な行政手続きの負担は登録支援機関や専門家への依頼を検討することで、軽減できます。
そして、生活面や精神面での手厚いサポートに加え、資格取得支援を通じて明確なキャリアアップの道筋を示すことが、外国人材の長期的な活躍を後押しします。
このように、デメリットを前向きな機会と捉え、事前にしっかりと準備をすることが、受け入れ事業の成功につながるでしょう。
外国人介護人材の受け入れステップ
続いては、実際に外国人介護人材の受け入れを決定した後、採用、入国に至るまでの具体的な流れを3つのステップに分けて解説します。受入れ企業が準備すべきことを時系列に沿って整理しておきましょう。
- ステップ1:採用計画と受け入れ体制を整備する
- ステップ2:募集方法と採用ルートを選定する
- ステップ3:採用決定後は確実に手続きをする
ステップ1:採用計画と受け入れ体制を整備する
まずは採用活動を始める前に、受入れ企業内部で準備・整理すべき重要な項目について解説します。ここでの準備が、受け入れ成功の土台となります。
求める人物像を明確化する
採用ミスマッチを防ぐためにも、まずは自社が「どのような人材」を求めているのかを具体的に決めておくことが重要です。そのためには、どのような介護業務を任せたいのかをはっきり設定し、チームで働く上での人柄や意欲をチェックできるよう準備しておくと良いでしょう。
どの在留資格(特定技能、在留資格「介護」など)で受け入れるかによって、求める技能水準や応募可能な人材が異なります。そのため、自社のニーズに最も適した在留資格を選定することが必須です。
受け入れ後の教育・サポート体制の確認をしておく
採用は、ゴールではありません。採用した人材が安心して働き、戦力となるためには、事前のサポート体制が整っているか確認しておくことが重要です。
まず、外国人介護人材を誰が指導するのか、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の担当者を決め、日本語能力や異文化理解に関する指導方法の研修を行っておくと良いでしょう。
さらに、仕事だけでなく、日本での生活の不安や行政手続きに関する相談窓口を設置し、必要に応じて母国語対応が可能な体制を整えておく必要があります。
ステップ2:募集方法と採用ルートを選定する
続いて、外国人介護人材と出会うための主な募集方法に関して、国内在住者と海外在住者の2つのルートに分けて説明します。
国内在住者を採用する場合
既に日本国内に在留している外国人を採用するルートです。
このルートの対象者は、日本語学校や専門学校に在籍する留学生、あるいは既に他の在留資格で働いている外国人など多岐にわたります。募集方法としては、人材紹介会社の利用、求人サイトへの掲載、または学校との連携が主な手段となります。
このルートのメリットは、既に日本での生活経験があり、日本語力や日本文化への理解度が高い傾向にあるため、入職後の導入が比較的スムーズに進む点です。また、海外からの招聘と比較して、在留資格変更の手続きのみで済むため、手続き期間が短いことも利点です。
海外在住者を採用する場合
こちらは、海外の現地で募集・選考を行い、採用した人材に来日してもらうルートです。
募集方法としては、現地の送出機関や人材紹介会社を活用するのが一般的です。これらの機関は、各国政府の認定を受けており、人材の募集、選考に加え、日本語や生活習慣の事前教育までを一貫して行っています。
採用の流れと注意点として、送出機関と提携し、募集、現地での面接(オンラインも含む)を経て採用を決定します。このルートの利点は候補者の数が豊富なことですが、入国までの行政手続きが複雑で時間もかかるため、計画的な採用活動が必要になります。
また、悪質な送出機関を選定してしまうリスクを避けるため、信頼できる実績を持つ機関を選定することが極めて重要となります。
ステップ3:採用決定後は確実に手続きをする
無事に採用が決定した後、外国人介護人材が日本で適法に就労するために必要な行政手続きを滞りなく行う必要があります。
まず、採用する在留資格(特定技能、在留資格「介護」など)に応じて、在留資格認定証明書(COE)の申請準備を行います。これには、雇用契約書や事業所の経営状況を示す書類、個人の経歴書などが含まれます。
必要な書類を揃えたら、事業所の所在地を管轄する出入国在留管理庁(旧入国管理局)に認定証明書の交付を申請します。
認定証明書が無事に交付されたら、海外にいる外国人材本人が、現地の日本大使館や総領事館にビザ(査証)を申請します。ビザが発給され、日本に入国すれば、いよいよ就労開始となります。
なお、特定技能人材の場合は、この後に登録支援機関による支援計画に基づくサポートが始まります。これらの手続きは非常に専門性が高いため、特定技能の場合は自社支援だけでなく、登録支援機関への支援委託も選択肢として検討しても良いでしょう。
その他の在留資格の場合も行政書士などの専門家と連携することで、スムーズかつ確実な手続きが可能になります。
外国人介護人材採用後の受け入れ成功のコツ
外国人介護人材の受け入れにおいて最も重要なのは、採用した人材に職場に定着してもらい、重要な戦力として活躍してもらうことです。ここでは、採用後に事業所が取り組むべき支援の具体的なコツを、3つの側面に分けて解説します。
- 日本語・介護スキルを継続的に支援する
- メンタル・生活面を手厚くサポートする
- 職場全体の異文化理解を促進する
日本語・介護スキルを継続的に支援する
外国人介護人材の長期的な定着と活躍には、入職直後から継続的な学習支援が欠かせません。日本語能力の向上はもちろん、キャリアアップにつながる具体的な介護スキルの支援を行うことで、彼らを重要な戦力として育てることができます。
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)のポイント
現場での実践的な指導(OJT)は、外国人材のスキル定着に不可欠ですが、言葉の壁を考慮した工夫が必要です。
指導担当者は、複雑な表現や専門用語を避け、簡潔でわかりやすい「やさしい日本語」での指導ができるよう工夫しましょう。また、口頭での説明だけでなく、イラスト、写真、動画など、視覚に訴えるツールを積極的に使用し、指導内容の理解度を高める必要があります。
さらに、指導担当者の業務負担が過度にならないよう業務分担を見直し、定期的な研修で指導スキルを向上させるとともに、指導担当者と外国人材との間に相談窓口などの第三者が入る仕組みも有効です。
資格取得(介護福祉士など)のサポート
キャリアアップの支援は、外国人材のモチベーション向上と長期的な定着に直結します。そのため、業務時間外の学習を支援するための学習時間の確保、具体的にはシフト調整や、e-ラーニングなどの柔軟な学習ツールの提供が必要でしょう。
また、介護福祉士などの国家資格取得に向けた学習支援として対策講座の受講補助などといったサポート体制をとる必要もあるでしょう。この資格取得は、長期的なキャリアプランを実現する上で最も重要であり、在留資格の安定(「特定技能1号」から在留資格「介護」への移行など)に直結するため、本人にとっても大きなメリットとなります。
これは同時に、受入れ企業にとっても高度な知識を持った人材の長期的な定着と確保につながり、安定した介護サービスの提供基盤を強化するという点で、計り知れないメリットをもたらします。
メンタル・生活面を手厚くサポートする
慣れない日本での生活や仕事のストレスを軽減し、安心して働ける環境を整えることの重要性は、スキル支援に劣らず重要です。外国人介護人材が日本に定着し、長く活躍するためには、技術指導だけでなく、生活者としての基盤を安定させ、精神的な安心感を提供することが不可欠です。
孤立を防ぐ定期的な面談と相談窓口
文化の違いや言葉の壁からくる孤独感や不安を解消するためには、人とのつながりを感じられるサポートが必要です。具体的には業務の悩みだけでなく、日本での生活の不安や孤独感を解消するために定期的な1対1の面談を実施することが重要です。
また、日本人スタッフに言いにくい悩みを打ち明けられるよう、母国語対応も視野に入れた相談窓口、たとえば母国語で対応できるスタッフ(外部の支援機関も含む)や、登録支援機関などの第三者を介した窓口の設置も必要です。
住居や行政手続きなど、日本での生活支援
安心して仕事に集中できるよう、生活基盤を整えるための具体的なサポートが求められます。保証人問題など外国人材が自力で住居を借りるのが難しいケースが多いため、社宅の提供や賃貸契約のサポートといった住居の確保を支援することが望まれます。
さらに、銀行口座の開設、役所での住民登録や保険・年金の手続きなど、日本での生活初期に必須となる初期手続きに同行し支援します。
そして、ゴミの分別方法や交通機関の利用方法、近隣住民とのコミュニケーションの取り方など、日本での生活習慣に関する情報提供やオリエンテーションを実施し、地域生活への適応を促します。
職場全体の異文化理解を促進する
外国人介護人材が職場に溶け込み、日本人スタッフと円滑に協働できる環境づくりが重要です。受け入れ側(日本人スタッフ)の意識改革も外国人介護人材定着が成功する鍵です。
日本人スタッフ向けの異文化理解研修
受け入れ側である日本人スタッフが、外国人材の宗教や習慣、価値観の違いを理解することは、職場の相互理解とハラスメント防止に必要です。そのため、外国人材の出身国の文化、宗教(例:食事制限、礼拝時間)、慣習(例:家族観、仕事への価値観)などを学ぶ異文化理解研修を、日本人スタッフ全員を対象に実施します。
単に知識を「教える」だけでなく、「共に働く仲間として相互に学び合う」という意識を高めていくことが、外国人材への過度な配慮や偏見を防ぐ上で大切になるでしょう。
多言語対応や「やさしい日本語」の活用
効果的なコミュニケーションは、業務の円滑化と安全確保の基本です。業務マニュアルや緊急時の対応手順などは、多言語化するか、あるいは難しい漢字や専門用語を避け、「やさしい日本語」とイラストを用いて作成し直す必要があります。
さらに、職場で使用する日本語を、日本人スタッフも含めて「やさしい日本語」に統一することをルール化することで、コミュニケーションエラーのリスクを低減し、外国人材が自信を持って意見を言える環境を整えます。
外国人介護人材の採用と支援は明光グローバルにおまかせください
これまでに解説したように、外国人介護人材の受け入れを成功させるには、採用から入国、そして長期定着に至るまで、専門的な知識と継続的なサポート体制が欠かせません。
明光グローバルは、採用・入国手続きのサポートから育成・定着支援まで、貴社が抱える課題解決に必要な体制を提供いたします。最後に、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・外国籍エンジニアの人材紹介 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
外国人社員向け各種教育・研修サービス
明光グローバルでは、外国人材の日本語能力向上と各業界に特化した学習支援を4つの柱で展開しています。時間や場所を問わない「Japany」でのeラーニングから、ビジネス経験豊富な講師による個別指導まで、幅広いニーズに対応できることが特徴です。
| サービス | 概要 |
|---|---|
| 外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」 | ・1,400本以上の豊富な動画教材 ・N5~N1レベルまでの総合的な学習コンテンツ ・多言語対応により初学習者も安心して学習が可能 ・特定技能2号試験対策コンテンツも搭載(外食業、飲食料品製造業、製造業、宿泊業) |
| オンライン日本語レッスン | ・ビジネス経験豊富な講師による個別指導 ・業界別カスタマイズカリキュラム ・定期的にレッスン報告書を企業に提供 |
| 各種研修プログラム | 【外国人材向け】新入社員研修、異文化理解研修等 【日本人社員向け】外国人材受入れ研修等 |
| 各種試験対策講座 | ・専門講師が直接指導 ・実施方法はオンライン/対面いずれも対応可能 ・受講人数や実施回数など企業毎にカスタマイズして対応可能 ※介護福祉士試験対策講座、特定技能2号試験対策講座(外食、飲食料品製造、製造業、建設の4分野に対応) |
各種教育・研修サービスの強み
明光グローバルの外国人社員向け各種教育・研修サービスの強みは「実用性の高さ」「カスタマイズ性」「豊富な実績」の3点です。
明光グループでは、これまで40年以上もの間、個別指導をはじめとした教育活動を実施してきました。そのため、明光グローバルには、企業様の状況に合わせた実用的な学習コンテンツが蓄積されています。学習した内容をすぐに現場で活かすことができるため、社員がモチベーション高く取り組むことができるでしょう。
また、さまざまな研修コンテンツを、企業の状況に応じてカスタマイズできることも特長です。外国人社員向けの日本語能力向上の研修だけでなく、業界や職種に特化したビジネスマナーや接遇・セールス研修、外国人社員を受け入れる日本人社員向けの受け入れ研修や異文化理解研修、異文化コミュニケーション研修など、幅広い研修を行うことができます。
さらに、EPA事業を外務省から5期連続で受託しており、国内外ともに豊富な導入実績を持っています。企業の規模や外国人社員の採用経験の多寡を問わず、さまざまなサポートが可能です。
オンライン日本語学習ツール「Japany」
「Japany」は、明光キャリアパートナーズが提供している外国人向けオンライン日本語学習ツールです。
Japanyを活用すれば、現場で用いる実践的な日本語や、特定技能試験対策など、合計1,400本以上の豊富な動画教材を活用して学ぶことができます。そのため、外国人社員のさまざまな学習ニーズに応えることができます。
また、パソコンやスマートフォンを使って、スキマ時間に自分のペースで学習できるのも特徴的です。
さらに、管理者機能として、学習進捗を確認できる「レポート機能」や、一定期間ログインがないと通知が届く「アラート機能」を活用することもできます。
Japanyは「IT導入補助金2025」の対象ツールに採択されています。そのため、中小企業や小規模事業者がJapanyを導入する際、IT導入補助金の対象として採択・交付が決定された場合、導入費用の最大50%、150万円までの補助を受けることが可能です。教育コストをかけられない企業の方でも導入しやすいため、お気軽にお問い合わせください。
| 受講形態 | e-ラーニング |
| 対象者 | 企業に在籍する外国人籍社員・帰国子女など |
| プログラム・コース内容(一例) | ・日本語試験対策(JLPT・JFT Basic) ・せいかつの日本語 ・特定技能試験対策(1号+2号に対応) ・しごとの日本語(ITエンジニア、外食、介護など各業界のビジネス会話に対応) |
| 受講期間 | コースによって異なる |
| 料金プラン受講費用 | 初期費用:100,000円 月額費用:1名あたり1,000円~(受講人数に応じて変動) 年間契約費用:1名あたり9,500円~(受講人数に応じて変動) |
Japanyの強み
Japanyの強みは、「実用性の高いオリジナルコンテンツ」「学習の継続を促すシステム」「管理者を支えるサポート機能」の3点です。
| 実用性の高いオリジナルコンテンツ | 「Japany」には、N5〜N1までを網羅したJLPT対策を始めとする1,400本以上の豊富なレッスン動画コンテンツがあります。資格試験対策だけでなく、業界・業種別の言い回しや日常的な会話能力が身につく動画など、学習者のニーズに合わせてさまざまなコンテンツの動画を視聴できます。 |
| 学習の継続を促すシステム | 「Japany」には、実力・目標に応じて最適なプランを提案する「コンテンツレコメンド機能」や、力試しとして使える「実力診断テスト」など、外国人材の学習モチベーションを向上するさまざまな機能が搭載されています。 |
| 管理者を支えるサポート機能 | 学習者の進捗状況を確認できる「レポート機能」や、ログインがない場合に通知が届く「アラート機能」といった管理者機能も充実しています。そのため、人事・教育担当者の方も安心して利用することができます。 |
日本語オンラインレッスン
日本語オンラインレッスンの特長として、熟練した講師との直接的な対話を通して、実用的な日本語運用能力を育成できることがあります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| ビジネスにおける実践力の向上 | ・各業種に対応したビジネス会話の習得 ・ビジネスメールや文書の作成指導 ・プレゼンテーションスキルの習得 |
| 業種別カスタマイズ | ・業界ごとに特化したレッスン 例:外食の店舗やホテルの現場で必要な接客コミュニケーション等 |
| 即時フィードバック | ・発音の細かな修正 ・自然な表現への言い換え ・ビジネスマナーの指導 |
日本語オンラインレッスンを受講することで、実際のビジネス現場で活用できる日本語コミュニケーションスキルを効果的に習得することが可能です。また、定期的にレッスンを受講することで、講師からフィードバックやエンカレッジを得られ学習のモチベーション維持が期待できます。
介護福祉士の試験対策講座
明光グローバルは、外国人向けに特化した介護福祉士の試験対策講座を提供しています。外国人受験者特有の課題に対応しており、効果的な学習方法を取り入れているのが特徴です。
介護福祉士の試験対策講座
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 段階的学習プラン | ・基礎日本語から専門知識まで、レベルに応じた学習 ・N5からN2以上まで、幅広い日本語能力に対応 |
| 実践的な訓練 | ・語彙力、読解力強化の集中トレーニング ・実践的なケーススタディによる知識の定着 |
| 柔軟な学習形態 | ・講座の実施方法(オンライン・対面いずれかを選択可) ・受講人数:企業様のご要望に応じて柔軟に対応可能 |
| 専門性の高いサポート | ・介護現場経験のある日本語教師による指導 ・介護の日本語教育専門家による監修 〇特徴:高い合格実績 〇内容:日本人の合格水準にならぶ高い合格実績(81%) |
介護福祉士の試験対策講座は、日本語能力の向上と介護専門知識の習得を、同時に進められます。また、外国人材がつまずきやすいポイントも網羅されているので、不安なく試験に挑むことができるでしょう。
明光グローバルの強み
明光グローバルは、外国人向け介護福祉士試験対策において、次の強みを持っています。
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 確かな実績 | ・日越EPA訪日前日本語研修事業を4年連続で受託 ・90%以上のEPA候補生がJLPT N3に1年で合格 |
| 教育ノウハウ | ・40年にわたる塾事業の経験を活かした試験対策カリキュラム ・過去問分析に基づく効率的な学習教材の開発 |
| 専門的な日本語教育 | ・2校の日本語学校を運営 ・年間2,000人以上の留学生受け入れ実績 |
| 現場に即した指導 | ・介護事業所での勤務経験を持つ日本語教師による研修 ・実践的な知識を活かした国家試験対策 |
| 専門家の監修 | ・東京都立大学名誉教授・西郡仁朗氏によるカリキュラム監修 |
N3レベルの合格率が90%を超えていることからも、明光グローバルが開発した試験対策は多くの受験者に対して効果が見込めます。
特定技能人材紹介サービス
特定技能人材紹介サービスとは、特定技能人材の導入から定着まで、一気通貫したサポートが受けられるコンサルティングサービスです。
明光グローバルは、特定技能1号人材の登録支援機関として認定されています。登録支援機関とは、特定技能1号の人材への支援を適切に実施し、出入国在留管理庁への各種届出を滞りなく行うために設置されているサポート機関です。
企業が登録支援機関と委託契約を締結すると、必要に応じて特定技能人材への支援を登録支援機関に委託することができます。具体的には、ご契約いただいた企業においては、特定技能人材の紹介に加えて、次のサービスをご利用いただくことが可能です。
- 特定技能人材の採用に向けた各種申請書類作成のサポート
- 特定技能人材の生活サポート
- 特定技能人材の母国語での相談窓口
- 特定技能人材との定期面談
明光グローバルのサービスが選ばれている主な理由には、次の3つのサポート体制にあります。
| サポート内容 | 概要 |
|---|---|
| 採用支援 | ・SNSを活用した独自の採用ルート ・提携教育機関との連携による人材確保 ・母国語スタッフによる適性評価 |
| 充実した入社前後のサポート | ・在留資格申請の手続き代行 ・住居やライフラインの整備 ・銀行口座開設など初期手続きの支援 |
| 効果的な定着支援と能力開発 | ・定期的な面談によるフォロー ・母国語による相談窓口の設置 ・独自開発の外国人向けオンライン日本語学習ツール「Japany」による日本語学習 |
こうした包括的なサポートにより、半年で100名以上の紹介実績を持つ企業様もいます。特定技能人材の採用をお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
明光グローバルの強み
明光グローバルの強みは、「集客力」「教育力」「専門性」の3点です。
明光グローバルは、SNSや各種メディアなどを通じて外国人材を数多く集客しています。また、グループ会社のネットワークを通じて、各種教育機関からも優秀な人材を獲得しています。潤沢な候補者情報を獲得しているからこそ、企業にぴったりの人材を選抜し、推薦することが可能なのです。
まとめ
外国人介護人材の受け入れを成功に導くためには、適切な在留資格制度への理解と計画的な採用プロセス、そして何よりも受け入れ後の手厚い支援体制と職場全体の異文化理解の促進が不可欠です。
人材不足の解消という直接的なメリットに加え、職場の活性化や多様性の受容といったメリットを最大化するためにも、今回解説した「失敗しない採用と支援のコツ」をぜひ貴社の戦略にご活用ください。
特に、在留資格に関する複雑な行政手続きや、外国人材の能力を最大限に引き出すための継続的な教育・定着支援には専門的なノウハウが求められます。
明光グローバルは、40年以上にわたる教育実績と豊富な外国人材支援のノウハウを活かし、貴社の外国人介護人材の受け入れをスムーズで、着実に成果に結びつくものにします。貴社の人材課題解決と事業の持続的成長のために、ぜひ一度、明光グローバルの総合的な支援サービスをご検討ください。少しでもご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。





