株式会社明光キャリアパートナーズ 取締役
西張 功一
昨今、外食産業に携わっている多くの企業経営者や人事担当者の間で、特定技能制度の外食業分野における外国人材新規受入れ一時停止措置について、強い関心が持たれる事態となっています。
これまで順調に外国人材の受入れを増やしてきたこの特定技能分野において、なぜこのような制限がかけられることになってしまったのでしょう。今回の一時停止措置の発表は、突然の措置のように一部では受け止められているようですが、その背景には制度上の明確なルールと、近年の外食業分野における急激な人材需要の変化があります。
今回は、2026年3月27日に出入国在留管理庁及び農林水産省から発表された最新の指針に基づき、なぜ今回の停止措置が行われたのか、そして現在採用活動を行っている企業が知っておくべき具体的な影響と例外規定等について解説します。
参照元:特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について(出入国在留管理庁)
特定技能「外食分野」はなぜ受け入れ停止になった?
今回の特定技能「外食分野」の受入れ停止措置は、決して突発的に発生した予測不能な事態ではなく、特定技能制度が始まった当初から設定されている法的な運用ルールに基づいた結果です。
政府は人手不足の業界に外国人材を受け入れるために特定技能制度を運用してきましたが、決して無制限に受け入れているわけではなく、各分野ごとに一定の上限値を設定して管理しているのです。
まずは、なぜこのタイミングで停止措置が取られることになったのか、その法的根拠と背景にある市場動向について詳しく解説します。
参照元:外食業分野における1号特定技能外国人の受入れ停止措置について(農林水産省)
特定技能制度で定められた「受け入れ見込み数」上限値に達したため
特定技能制度では、国内の人材確保の状況や産業ごとのバランスを保つため、5年間で受け入れる外国人材の人数の上限があらかじめ設定されています。
外食業分野では、この「受け入れ見込み数」の上限値が、5万人に設定されていました。しかし、2026年2月末現在で既に約4万6千人に達したと発表され、このまま受け入れ数が増加していくと、本年5月ごろには上限数に達してしまう見込みとなりました。
そのため、制度の規定どおりに停止措置が取られたのです。現在活用されている受入れ上限数は2029年度末までの数字なので、かなり早く上限数に達してしまう見込みとなったといえます。
法的な受け入れ停止判断の基準に該当したため
今回の受け入れ停止措置は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第7条の2第3項及び第4項に基づいた厳格な法的措置です。
この法律では特定の分野において在留者数が受け入れ見込み数を超えると見込まれる場合、法務大臣は在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置を講じなければならないと定められています。
したがって、これは突然決められた場当たり的な判断ではなく、法律が定める上限を超えないための監理の仕組みが適正に働いた結果であるといえます。
外食産業分野において急激に特定技能人材が増加して枠を早期に使い切ったため
外食分野でこれほど早く上限数に達した背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が収束した後の急激な経済活動の再開と、それに伴う深刻な人手不足があります。
多くの飲食店が営業を本格化させる中で、即戦力となる特定技能人材の需要が、当初の想定を大幅に上回ったということにあります。
外食分野における求人の増加により、国内の留学生が試験に合格して特定技能へと在留資格を変更するケースや、技能実習生からの移行が進んだことも要因の一つでしょう。そのため他の分野と比較しても枠が埋まるスピードが非常に早く、早期の停止措置につながりました。
外食業界の採用現場への具体的な影響と例外的に認められる手続き
2026年4月13日をもって実施された受け入れ停止措置は、申請の種類や時期によって取り扱いが異なります。現在採用を進めている企業や、これから入国を予定している外国人材を抱える企業にとって、どの手続きが継続可能で、どの手続きは受け入れられる可能性がないのか把握しておくことは非常に重要です。
ここでは、今回の措置による具体的な影響範囲と、制度の継続性等を考慮して設けられた例外規定について詳しく解説します。
2026年4月13日以降に受理された新規申請は原則「不交付」
最も大きな影響を受けるのは、海外から新たに外国人材を呼び寄せるために必要な「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請です。
2026年4月13日の公示以降に管轄の入管で受理された在留資格認定証明書(COE)申請は、要件を満たしていても原則として不交付となります。
また、2026年4月13日より前に受理された申請の場合は審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次許可となりますが、現に在留している方からの在留資格変更許可申請を優先的に処理するため、交付までに相当な遅延が生じることが見込まれるとされています。留資格変更許可申請を優先する運用から、受入れ見込数が上限に達した段階で不交付となる可能性があります。
海外からの外国人材の新規呼び込みを計画していた企業は、計画の一時中断を余儀なくされるといえます。現状海外から新たに「外食分野」の外国人材を受け入れることは認められなくなったということです。
なお、同じ外食分野内の移動(転職)は、新たに人数が増えるわけではないため問題ありません。
既に発行済みの在留資格認定証明書(COE)を持つ人の入国は可能
一方で、2026年4月13日公示より前に既に交付されている有効な在留資格認定証明書がある場合は、今回の停止措置の対象外となります。当然、査証(ビザ)の発給や入国手続きは通常通り進めることができます。
今回の措置はあくまで「新たな受け入れ」を停止するというものなので、既に採用が決まり、入国を待つばかりの外国人材には影響がありません。
在留期間更新(更新申請)や国内での転職(変更申請)への影響
すでに外食分野の特定技能1号として国内で働いている外国人材の在留期間更新申請は、従来どおりなんの問題もなく審査されます。現在雇用している外国人材については、継続して就労してもらうのに支障はありません。
国内で既に特定技能1号の資格を持つ外国人材が、他社から転職してくる場合も、同じ外食分野なら受け入れが可能です。今回の措置は外食分野全体の外国人材の人数を増やさないための措置であり、同一分野内での人材の移動は制限されない仕組みになっています。
そのため、今後は海外からの新規採用よりも、国内にいる経験豊富な特定技能人材の獲得を目指す転職市場がより活性化していくと考えられます。
一方国内にいる、他の在留資格を持つ外国人材が、外食分野の特定技能1号への在留資格変更を希望する場合は、新規申請と同様原則不許可となります。一部例外として
- 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了し、特定技能1号(外食業分野)に移行する方
- 既に外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)の許可 を受けており、特定技能1号(外食業分野)に移行する方
に関しては、受入見込数の範囲内で順次許可するとしています。(技能実習の方を優先)
ただし、許可する時点での在留者数の状況によっては、特定技能1号でなく、特定活動(特定技能1号移行準備)への変更又は同在留資格での在留期間更新(更新は1回まで)を案内する場合があるとしているため、変更を保証するものとは言い切れません。
このように、今後ますます希望企業が増えると思われる特定技能「外食分野」の国内での人材紹介は、明光キャリアパートナーズに非常に強みがあります。外食分野の転職市場の人材をご希望の企業の皆様にも、これまで通り特定技能人材の紹介を行っています。
受け入れ再開時期の見通しと外食企業が今すべき備え
今回の停止措置は、あくまでも現在の「受け入れ見込み数」という枠の中での一時的な対応です。外食産業における深刻な人手不足については、政府としても十分認識しており、この停止措置が長期化することで経済に与える影響についても議論が進められているようです。
ここでは、今後の再開に向けた見通しと、企業が採用活動を停滞させないために今から取り組んでおくべき準備事項について整理します。
運用方針の見直しと「受入れ見込数」の再設定に向けた政府の動き
今回の事態を受けて、政府内では外食業分野を含む特定技能制度全体の「受入れ見込数」の再設定に向けた検討が始まっています。産業界からの強い要望を受け、5年間の受け入れ枠自体を拡大するための新たな運用方針の策定が進められているところです。
今後新たな運用方針による枠組みが閣議決定され、法的な上限数が引き上げられれば、一時停止措置は解除され、新たな在留資格認定証明書の交付が再開されるかもしれません。ただし、具体的な再開時期は今のところ未定であり、政府の決定次第であるため、動向を注視し続ける必要があります。
停止期間中における「特定技能1号技能測定試験」の実施状況
重要なのは、受け入れ停止中であっても、国内外での特定技能試験や日本語試験は継続して実施される予定であるということです。試験に合格したからといって、停止期間中にすぐに在留資格の申請ができるわけではありませんが、合格実績は将来の申請時に有効となります。
受け入れが再開された際には、在留資格認定申請の混雑が予想されるため、停止期間中に候補者を選定し、試験に合格させておくことは、企業の将来の採用戦略にとって非常に有効です。再開と同時に速やかに申請手続きへ移行できるよう、企業は試験対策のサポートや人材の確保を並行して進めておくことが、競合他社に先んじる鍵となります。
特定技能「外食分野」の外国人材の採用は明光グローバルへご相談ください
外国人材の在留資格に関する制度は、今回の一時停止措置のように非常に複雑で、最新の状況を把握しておくのは並大抵のことではありません。このように外国人材に関する制度が複雑化し変化の激しい時代において、明光グローバルは受け入れ企業様が安心して外国人材を採用・雇用していけるよう専門的な知見と豊富な実績に基づいた包括的なサポートを提供しています。
最後に、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
JCLIや早稲田EDU日本語学校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・手続き支援~入社後支援 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
特定技能人材紹介サービス
特定技能人材紹介サービスとは、特定技能人材の導入から定着まで、一気通貫でサポートが受けられるコンサルティングサービスです。
これまで説明してきたように、特定技能「外食分野」の国内での人材紹介は、明光キャリアパートナーズに非常に強みがあります。今回の一時停止措置に影響を受けない転職市場の人材を希望する企業様にも、これまで通り特定技能人材を継続してご紹介しています。
なお、明光グローバルは、特定技能1号人材の登録支援機関として認定されています。登録支援機関とは、特定技能1号の人材への支援を適切に実施し、出入国在留管理庁への各種届出を滞りなく行うために設置されているサポート機関です。
企業が登録支援機関と委託契約を締結すると、自社で対応が難しい支援業務を登録支援機関に任せることができます。具体的には、ご契約いただいた企業においては、特定技能人材の紹介に加えて、次のサービスをご利用いただくことが可能です。
- 特定技能人材に対する生活サポート
- 特定技能人材の母国語での相談窓口
- 特定技能人材との定期面談
- 特定技能人材の採用に向けた各種申請書類の入管への提出
- 特定技能人材の採用に向けた各種申請書類作成の際のアドバイス提供
明光グローバルのサービスが選ばれている主な理由には、次の3つのサポート体制にあります。
| サポート内容 | 概要 |
|---|---|
| 採用支援 | ・SNSを活用した独自の採用ルート ・提携教育機関との連携による人材確保 ・母国語スタッフによる適性評価 |
| 充実した入社前後のサポート | ・在留資格申請の作成アドバイスの提供・書類提出の代行 ・住居やライフラインの整備 ・銀行口座開設など初期手続きの支援 |
| 効果的な定着支援と能力開発 | ・定期的な面談によるフォロー ・母国語による相談窓口の設置 ・独自開発の外国人向け日本語eラーニング「Japany」による日本語学習 |
こうした包括的なサポートにより、半年で100名以上の紹介実績を持つ企業様もいます。特定技能人材の採用をお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
明光グローバルの強み
明光グローバルの強みは、「集客力」「教育力」「専門性」の3点です。
明光グローバルは、SNSや各種メディアなどを通じて外国人材を数多く集客しています。また、グループ会社のネットワークを通じて、各種教育機関からも優秀な人材を獲得しています。潤沢な候補者情報を獲得しているからこそ、企業にぴったりの人材を選抜し、推薦することが可能なのです。
まとめ
特定技能「外食業分野」における新規受け入れ停止は、制度の上限値に達したことによる制度に基づいた一時的な措置です。2026年4月13日以降、海外からの外国人材呼び寄せには制限がありますが、国内での同分野内での転職や在留期間の更新については引き続き認められています。
外食分野の特定技能人材を受け入れている企業にとっては、まず自社で働く外国人材の在留期限を正確に把握し、必要な更新手続きを滞りなく進めることが最優先事項となります。また、海外からの新規採用が難しくなる中で、国内の転職人材を確保するための戦略的なアプローチがこれまで以上に重要になるでしょう。
外食分野の特定技能人材の受入れ停止措置がいつ解除されるのかは未定ですが、再開のタイミングを逃さないための準備と、正確な情報収集が今後の成否を分けます。
制度の最新動向や具体的な採用戦略について不安がある企業の皆様は、専門的な知見を持ち、国内の転職市場での人材紹介に経験豊富な私たち明光グローバルにぜひご相談ください。外食分野の外国人材活用を目指す皆様の特定技能制度における人材不足の課題の解決を強力にサポートいたします。
株式会社明光キャリアパートナーズ 取締役
西張 功一





