飲食料品製造業では人手不足が深刻化しており、特定技能外国人を受け入れる企業が増えています。 一方、この特定技能制度には国が定めた「受入れ上限(受入れ見込数)」があるため、採用を続ける企業は枠の状況を把握しておく必要があります。
2026年7月現在、飲食料品製造業分野の特定技能外国人材は、非常に速いペースで増加しています。本記事では、飲食料品製造業で外国人材を受け入れている企業や雇用を検討する企業、その支援に携わる登録支援機関の皆様に向けて、最新データをもとに受入れ上限の現状と今後の見通しを整理します。あわせて、企業が検討すべき採用計画と育成計画について解説します。
▼この記事のポイント
- 飲食料品製造業の特定技能受入れ上限は13万9,000人。2025年12月末時点で9万3,393人(充足率約70%)と、全分野で最多の在留数
- 現在のペースが続けば、2027年〜2028年前半には上限に達し、新規受入れが停止される可能性が高い
- 先行して停止された外食分野では、内定済み人材の申請が不受理となり採用計画が白紙になるケースも発生
- 最大の対抗策は「特定技能2号」への移行。2号は受入れ上限のカウント対象外となり、在留期間の上限もなくなる
- 技能実習・育成就労からの移行ルート確保と、採用・申請の前倒し着手が今すぐ取り組むべき実務対応
株式会社明光キャリアパートナーズ Global HR Division 教育研修チーム マネージャー
荷出 華子
特定技能「飲食料品製造業」の受入れ上限の現状
飲食料品製造業は、特定技能外国人の受入れ数が多く、設定された上限に近づくペースも速い分野です。ここでは、農林水産省と出入国在留管理庁が公表する客観的な最新データをもとに、現在の充足率とこれまでの推移を確認します。
参照元:飲食料品製造業における外国人の受入れについて(農林水産省)
【最新データ】現在の在留外国人数と上限に対する充足率
農林水産省の最新資料「飲食料品製造業における外国人の受入れについて」によると、飲食料品製造業分野における特定技能の在留状況は、令和7年(2025年)12月末現在で93,393人に達しており、これは全特定産業分野の中で最多の在留数となっています。
飲食料品製造業分野として現在設定されている上限数は139,000人ですから、既に約70%に達していることになります。現在の状態が続く場合、令和11年3⽉末までに13万3,500人の受入れが見込まれています。受入れ数の内訳を見ると、
飲食料品製造業分野では技能実習2号修了者からの移行が52,190人と、全体の56%を占めていることも特徴です。このように、飲食料品製造業は他の特定産業分野と比べても外国人材への依存度とニーズが圧倒的に高く、上限枠が埋まるペースも非常に速い状況です。
飲食料品製造業の上限到達の今後の見通しとリスク
飲食料品製造業では、現在の増加ペースが続けば、受入れ上限への到達が現実的なリスクになります。ここでは、特定技能人材の増加数から上限到達の時期を予測し、企業が負う実務上のリスクを、先に受入れ停止が行われた「外食分野」の影響も踏まえて確認します。
現在のペースから予測する上限到達の時期
飲食料品製造業では、毎月、特定技能外国人の新規入国と技能実習からの移行が安定して続いています。仮に在留数が月平均約1,500〜2,000人のペースで増えると、残る約4万人の枠は今後約1年半〜2年で埋まる計算です。つまり、2027年から2028年前半頃には上限の13万9,000人へ達し、枠が完全に埋まる可能性が極めて高いと予測されます。
外食分野の「新規受入れ停止」の影響
同じく農林水産省が管轄する「外食分野」では、2026年に「受入れ見込数の上限超過への対応」が発表されました。新規受入れが突然停止されたことは、業界に大きな衝撃を与えました。
採用面接と内定を済ませ、書類作成を進めていたにもかかわらず、在留資格申請が間に合わず、採用計画が白紙になった企業もあったようです。予定していた人材の採用を根本から見直さざるを得なかった企業も少なくありません。
飲食料品製造業でも、新規受入れがこのまま増え続ければ、同様の事態が突然起こる可能性があります。さらに、外食分野のように受入れ上限へ達した分野では、受入れ数が見直されるのか、いつ受入れを再開できるのかなど、将来の見通しが現時点で明確でないことも大きな問題です。
上限に達した場合の企業の採用・申請手続きのリスク
上限到達により受入れ停止措置が取られた場合、企業には具体的な損害や実務上のリスクが生じます。前述した外食業の例から考えられる主なリスクは、次のとおりです。
| リスク | 概要 |
|---|---|
| 内定後でも申請が不許可・不受理になる | 外国人材と雇用契約を結び、コストと時間をかけて申請書類を準備していても、受入れ停止日を1日でも過ぎれば、出入国在留管理庁は申請を受け付けません。内定済みの外国人材であっても、申請時期によっては働いてもらえなくなります。 |
| 受入れ停止日前でも確実性が下がるリスク | 受入れ上限が近いと公表された段階や停止日の直前には、審査が通常より厳格になったり、処理が遅れたりする可能性があります。そのため、ビザを確実に取得できるとはいえない不安定な状態に陥ります。 |
| 採用計画の凍結と人手不足が長期化する | 特定技能1号の新規採用ルートが閉ざされると、退職者が出ても人員を補充できません。これまで築いた採用ルートの見直しも必要です。人手不足が深刻になれば、生産ラインの維持が難しくなり、受注制限を余儀なくされるなど、業績へ直結する実害が発生します。 |
飲食料品製造業が今から取り組むべき人材活用戦略
飲食料品製造業が今から取り組むべき対策は、「特定技能2号」への移行を含む3つです。特定技能1号を新規採用できなくなるリスクに備えるには、すでに働いている人材をどのように育成し、採用につなげるかが重要になります。
- 「特定技能2号」への移行と育成 をすすめる
- 技能実習生・育成就労からの移行ルートを確保する
- 上限到達を見越した採用と手続きを早期に着手する
「特定技能2号」への移行と育成 をすすめる
特定技能1号の受入れ制限に備えるうえで最大の対抗策となるのが、現在在籍する特定技能1号の外国人材を、受入れ上限の枠外となる「特定技能2号」へ移行させる社内育成システムの構築です。
「特定技能2号」は受入れ見込数のカウント対象外です。そのため、受入れ上限の枠が埋まり、新規受入れが停止しても制限を受けません。
また、特定技能1号の人材が特定技能2号へ移行すると、在留期間5年の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。自社の優秀な熟練人材に継続して就労してもらえるようになる点も大きなメリットです。生産ラインを熟知するリーダー候補や熟練人材が、帰国せずに日本で長期的なキャリアを築けるため、企業にとって安定した戦力の確保につながります。
さらに、人材育成を通じた特定技能2号への移行に力を入れている企業だと認知されれば、同分野の他社で働く特定技能1号の転職希望者を呼び込める可能性もあります。
特定技能2号への移行・試験合格実績を見ると、2026年1月時点の全国平均が56.9%であるのに対し、明光グローバルの支援実績は84.6%と、極めて高い水準です。熟練した外国人材の長期定着を図るうえで、特定技能2号移行に向けた教育は非常に有効です。
技能実習生・育成就労からの移行ルートを確保する
次に検討したいのは、自社で現在雇用している人材や、これから受け入れる人材が、下位資格から着実にステップアップできるルートを強化することです。
まず、既存の技能実習生が「技能実習2号」を修了する時期を把握し、枠が埋まる前に「特定技能1号」へ確実に移行できるよう、数ヶ月前からルートの確保と綿密なスケジュール調整を進めることが重要です。実習修了後すぐに切り替えられるよう、必要書類と手続きの段取りを標準化しておきましょう。
また、技能実習制度に代わり2027年4月から始まる「育成就労制度」を踏まえ、育成就労から特定技能1号へ円滑に移行できる体制も整える必要があります。受入れ態勢に加え、業務に直結する日本語と技術の育成体制を今から構築することが、長期的な採用競争力につながります。
人材獲得ルートとしては、他社で技能実習や育成就労を終えた人材の採用も考えられます。自社で育てた人材に限らず、他社で技能実習・育成就労を修了し、飲食料品製造業分野で特定技能1号への移行を希望する転職者を、登録支援機関などを通じて早期に確保できるルートを開拓しておくことも有効なアプローチです。複数の採用ルートを持つことで、今後の人材確保に備えられます。
上限到達を見越した採用と手続きを早期に着手する
3つ目は、実務的な対策として、すべての採用・申請手続きを前倒しで進めることです。
受入れ上限へ達し、受付が完全に止まってから対応を検討しても間に合いません。特定技能1号の人材を新たに採用する計画や、海外にいる人材を呼び寄せる計画がある場合は、従来より数ヶ月早く面接と内定を済ませ、ビザ申請手続きへ進む必要があります。
「枠があるうちに滑り込ませる」という実務的な危機感を持ち、スピード感のある採用管理を行うことが求められます。
飲食料品製造業の特定技能人材の特定技能2号移行支援は明光グローバルにおまかせください
特定技能1号の「飲食料品製造業」分野では、受入れ上限が近づいています。他社に先駆けて安定した人材採用計画を進める必要がありますが、日常業務と並行して準備や育成へ取り組むことは、企業にとって大きな負担です。
飲食料品製造業における外国人材の育成と特定技能2号への移行支援は、40年以上の個別指導と10年以上の日本語教育の実績を持つ明光グローバルへ、ぜひおまかせください。最後に、明光グローバルの概要と、提供するサービスを紹介します。
明光グローバルとは
明光グローバルは、外国人材の就労機会の創出と育成を通して、日本企業の持続的な成長をサポートする教育系人材サービスです。
40年以上の個別指導の教育実績、そして10年以上の日本語教育の実績を持つ明光ネットワークジャパングループの知見を活かし、外国人材の育成と企業の人材課題解決に特化したサービスを提供しています。
早稲田EDU日本語学校王子校での豊富な教育ノウハウを活かし、特定技能試験対策から業界別の専門教育まで、幅広いニーズに対応しています。外務省からEPA事業を5期連続で受託するなど、高い信頼性と実績を誇ります。
明光グローバルの主要サービス
| 事業 | サービス |
|---|---|
| 教育研修事業 | ・eラーニングによる日本語教育(スマホアプリに対応) ・対面/オンラインによる日本語レッスン ・外国籍人材と日本人に向けた各種研修プログラム ・外国籍人材に向けた各種試験対策講座 |
| 人材紹介事業 | ・特定技能人材の紹介 ・手続き支援~入社後支援 ・教育伴走型の登録支援サービス |
特定技能人材やエンジニアの紹介から、外国人社員向けの教育・研修サービスまで、幅広いノウハウを提供しています。単なる日本語教育にとどまらず、企業での実践力を重視した総合的な人材育成を行っています。
特定技能2号評価試験対策講座
明光グローバルでは、特定技能2号という難関資格の取得を目指す方々を力強く支援するため、高い合格実績を誇る「特定技能2号試験対策講座」を提供しています。
2026年1月時点の全国平均56.9%に対して、私たち明光グローバルの合格実績は84.6%にのぼります。本講座の主な特徴は次の3点です。
- 独自開発の日本語eラーニング、独自のオンライン日本語学習ツール「Japany」による効率的な反復学習が行える
- 基礎から応用まで網羅した対策講座ごとのカリキュラムで構成されている
- 実践的な模擬試験と丁寧な解答があり、解説を受けられる
「特定技能2号試験対策講座」は、効果的なeラーニングと実践的なオンラインレッスン、模擬試験を組み合わせた独自のプログラムにより、短期合格を力強くサポートします。
2025年10月時点では「外食分野」「飲食料品製造業分野」「工業製品製造業分野」「建設分野」の特定技能2号試験対策講座を実施しています。
飲食料品製造業分野の特定技能2号試験対策講座の概要は次のとおりです。
| 対応分野 | 講座あたりの対応人数 | 講座のボリューム |
|---|---|---|
| 飲食料品製造業 | 10名まで | 3ヶ月(計40時間) |
講座カリキュラムは模試・解答解説を含む全10回となっており、基礎から応用まで幅広くカバーしています。
| 講座 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1回 | 特定技能1号範囲 ※特定技能2号の学習範囲の理解のために、特定技能1号の中で特に知っておくべき知識を学習します。 | ・オリエンテーション ・第2章:食品衛生① |
| 第2回 | ・第2章:食品衛生② | |
| 第3回 | ・第2章:食品衛生③ | |
| 第4回 | ・第3章:労働安全① | |
| 第5回 | ・第3章:労働安全② | |
| 第6回 | ・特定技能1号確認テスト | |
| 第7回 | 特定技能2号範囲 | ・第1章:職長として働くための基本 |
| 第8回 | ・第2章:食品衛生① | |
| 第9回 | ・第2章:食品衛生② | |
| 第10回 | ・第2章:食品衛生③ | |
| 第11回 | ・第3章:品質管理① | |
| 第12回 | ・第3章:品質管理② | |
| 第13回 | ・第4章:生産管理① | |
| 第14回 | ・第4章:生産管理② | |
| 第15回 | ・第4章:生産管理③ | |
| 第16回 | ・第5章:労働安全① | |
| 第17回 | ・第5章:労働安全② | |
| 第18回 | ・第6章:社会の変化と会社の方針 | |
| 第19回 | ・模擬試験実施 | |
| 第20回 | ・模擬試験解答解説 |
特定技能2号評価試験の合格に向けた効率的な試験対策コンテンツをお探しの方は、ぜひお気軽に明光グローバルまでご相談ください。
外国人社員向け各種教育・研修サービス
明光グローバルでは、外国人材の日本語能力向上と各業界に特化した学習支援を4つの柱で展開しています。時間や場所を問わない日本語eラーニング「Japany」から、ビジネス経験豊富な講師による個別指導まで、幅広いニーズに対応できることが特徴です。
| サービス | 概要 |
|---|---|
| 外国人向け日本語eラーニング「Japany」 | ・1,400本以上の豊富な動画教材 ・N5~N1レベルまでの総合的な学習コンテンツ ・多言語対応により初学習者も安心して学習が可能 ・特定技能2号試験対策コンテンツも搭載(外食業、飲食料品製造業、製造業、宿泊業) |
| オンライン日本語レッスン | ・ビジネス経験豊富な講師による個別指導 ・業界別カスタマイズカリキュラム ・定期的にレッスン報告書を企業に提供 |
| 各種研修プログラム | 【外国人材向け】新入社員研修、異文化理解研修等 【日本人社員向け】外国人材受入れ研修等 |
| 各種試験対策講座 | ・専門講師が直接指導 ・実施方法はオンライン/対面いずれも対応可能 ・受講人数や実施回数など企業毎にカスタマイズして対応可能 ※介護福祉士試験対策講座、特定技能2号試験対策講座(外食、飲食料品製造、製造業、建設の4分野に対応) |
まとめ
特定技能「飲食料品製造業」の受入れ上限について、現状と今後の見通し、企業が取るべき対策を解説しました。
特定技能1号「飲食料品製造業」分野の在留数は、令和7年12月末時点で93,393人に達し、上限の133,500人に対する割合は約70.0%です。現在のペースが続けば、数年以内に上限へ達する可能性が極めて高いと考えられます。
2026年に外食分野で起きた「上限到達による新規受付ストップ」の混乱を教訓に、飲食料品製造業でも突然申請できなくなるリスクを想定し、今から動く必要があります。
企業には、受入れ枠の制限を受けない「特定技能2号」への移行と育成、技能実習や今後の育成就労からの確実な移行ルートの確保、採用手続きの数ヶ月前倒しが求められます。
自社の大切な戦力である外国人材を熟練リーダーへと育て上げ、受入れ停止リスクに怯えない強固な組織を作るために、高い実績を持つ「特定技能2号試験対策講座」を提供する明光グローバルをぜひご活用ください。
株式会社明光キャリアパートナーズ Global HR Division 教育研修チーム マネージャー
荷出 華子




