中途採用での面接の目的は「任せたい仕事ができる人物かどうか」を確認するウエイトが高く、それは日本人であっても外国人であっても変わりません。しかし外国人を面接する際には、その判断軸に加え「日本語能力」のチェックも必要になります。外国人の中途採用で良く起きる、「日本語力に引っ張られる」問題についてご紹介します。
外国人の中途採用の面接では、「日本語能力」と、「仕事における能力」を強くリンクさせてしまうという問題がたびたび発生します。
よく起こるのは以下の2つです。
A. 「日本語が流暢に話せる」だけで、「仕事のスキルが高い」と勘違いをしてしまうケース
B. 「日本語が流暢に話せない」だけで、「仕事ができない」と判断してしまうケース
面接時の質疑応答においてどのくらい流暢な日本語を話せたかで、上記のように判断してしまうことが起きます。「日本語力に引っ張られて合否を出してしまう」典型例で、これはミスマッチの原因となります。
Aのパターンでは、採用されることが多いです。ただし、入社後に業務に必要な能力が発揮されないため、「期待外れだ!」なんて企業側が不満を持ってしまいます。
Bのパターンは、不採用にすることが多いですね。その場合は、良い人材を逃しているとも考えられます。もしくは採用した場合、高くない日本語力に引っ張られて仕事の能力を過小評価し、本人がこなせるよりも低いレベルの仕事を任せるケースが想定されます。この場合は、「仕事がつまらない」、「レベルが低い仕事しか任せてもらえない」との不満から、早期の退職に繋がることがあります。
「日本語能力はそこまで高くないけれど、仕事のスキルは高い」人物の場合、日本語能力の部分は入社後に成長させるという選択肢もあります。
いずれにせよ、外国人の中途採用の面接のポイントは、
「日本語能力」と「仕事における能力」の2つを分けて確認することです。
最後に外国人を適切に面接するポイントを、上記のAとBそれぞれで考えてみましょう。
まずAのパターンは、面接者の意識を改善することで、間違った採用を避けられる可能性が高まります。その外国人は流暢な日本語で会話ができるわけですから、「仕事についての能力」、「仕事に対するスタンス」、「人柄」などに意識を集中して面接してください。間違っても、日本語能力の高さだけで採用に至らないように注意が必要です。
Bのパターンについて、ここでは2つの解決策を紹介します。
1つは通訳を入れて面接をおこなうことです。日本語のチェックと一般的な面接を完全に分けて実施することで、適切な面接評価につながります。書類を確認してスキルがありそうだと期待が強い場合は、コストをかけても通訳を入れることをお勧めします。
通訳者を用意することが難しい場合は、2つ目の解決策として面接時の日本語の使い方を工夫しましょう。
質問する日本語は極力難しい言葉を使わず、「やさしい日本語」で話しかけてください。やさしい日本語とは、震災を機に外国人に向けて作られたもので、現在では災害時以外の目的でも広く使用されています。やさしい日本語の作り方は「優しい日本語」で検索すると色々と出てきます!
ここではポイントのみを下記にまとめました。参考にしてみてください。
・伝える情報を選択し、必要に応じて補足説明をする
・一つの文を短くし、簡単な構造にする
・難しい言葉は、簡単な語彙に言い換える
・曖昧な表現は使わない
・文末はなるべく統一する
・漢字にはルビ(ふりがな)をつける
これらに注意し面接をおこなえば、外国人が正確に質問の意図を理解し、実際の業務をおこなえるだけの能力をもっているかを、面接者が適切に判断することができます。以上の点をご留意いただき、面接を実施してみてください。