外国人人材の急な退職を防ぐ!今からできる対処法

今回のお悩み

 

 

うちの会社でも新しく技能実習生を迎えることになったけど、他の企業の話を聞くと、実習生が急に辞めてしまうこともあるみたいで…。せっかく来てもらったんだから、なるべく長く働いてほしいんだけど、どうしたら退職を防げるんだろう?

 

入社した外国人人材は、どうしてこの会社に入社したのでしょう。そして、せっかく入った会社をどうして退職したくなってしまうのでしょう。
会社としては、少しでも長く外国人人材に自社で働き続けてほしいと思うものですが、そのために企業や担当者は何ができるのでしょうか。

外国人人材の急な退職は予防できる?

そもそも、外国人人材の急な退職は、事前の対応で未然に防ぐことはできるのでしょうか?
もちろん、退職を言い出した時点ですでにどうしようもない状況になっていることもありますが、受け入れの段階で心構えを持っておくこと、普段から気を付けて予兆を見逃さずに対処することで、急な退職を防げる場合もあります。

まずは、外国人人材が退職を考えている際にはどんな予兆があるのか、見ていきましょう。

外国人人材の退職の予兆とは

外国人人材の退職予防について見ていく上で、下にあるいくつかの質問を見て、考えてみてください。
あなたは次の質問に対してどんな答えを出しますか。

Q1:外国人人材が働く1番の目的は、「報酬」である。だから、報酬がそれなりに多ければ外国人人材が辞めることはない。

もちろん、報酬は誰にとっても働くことの第一の目的になることが多いです。ですから、報酬が高いに越したことはありません。しかし、だからと言って「報酬さえ高く設定すれば、外国人人材が辞めることはない」とは言い切れません。在留資格によっては、業務内容より何より報酬(給料)のみを基準に考える外国人人材もいます。

その一方で、いくら報酬があったところで、そのためだけに働いているわけではない外国人人材もいます。その目的もキャリアを積むため、自分の好きな仕事をするため、日本でのプライベートな時間を充実させるため、など様々です。

採用の際、または入社後に随時行う面談などで、本人の「仕事」に対する価値観や希望を丁寧に聞き取ることが重要になります。本人の基準がわかると、それに合わせて退職までのルートを少しずつ減らすことができます。

Q2:「郷に入っては郷に従え」。日本で生活し、日本の会社で働くためには、外国人人材は全て日本のルールで仕事や生活をしなければならない。

もちろん日本で生活し働くわけですから、外国人人材にも日本様式に慣れてもらう必要がありますし、地域・会社で変えることができないルールも多々あります。その一方で、外国人人材を受け入れている日本(こちら)側も相手の国の考えや価値観、習慣を理解しようとする、寄り添う姿勢も大切です。

例えば、雇用条件を変えることを外国人人材が申し出てきた場合、日本の労働基準法等から変えられない部分もありますが、会社側の手続きで対応することができる部分もあります。

日本で決まっているルールだから、会社のルールだからと一言で跳ね返すのではなく、どうしてそのような申し出をしてきたのか、会社にどうしてほしいのか、を丁寧に聞く姿勢を見せられると良いでしょう。

確かに、ルールを変えるというのは大きな問題で、すぐにできることではありません。でも、そこに疑問を持って会社に掛け合ったという外国人人材の勇気(思いの大きさ)を受け入れてあげることで、外国人人材は会社に対して、何かあったら話を聞いてもらえると信頼をおくことができるようになるのです。 面倒だと思うような問題でもその都度その都度話し合う習慣をつけ、信頼関係を築くことが、退職を予防する一つになるのは間違いありません。

Q3:会社は雇用している外国人人材の仕事中の面倒を見るだけでなく、仕事以外の部分でも外国人人材との交流、イベントの機会を設ける必要がある。

雇用関係にあるので、基本的には業務時間以外のことについて面倒を見る「義務」はありません。それに、あまりに休日に連絡を取ろうとすると、過干渉に感じられ嫌悪感を抱く外国人人材もいるかもしれません。

しかし、特に外国人材が来日して間もないころは、日本の勝手がわからず、困ることもあるでしょう。
母国では休日に多くの楽しみがあったのに、日本ではそれができずに寂しい思いをしたり、できなくてストレスを貯めてしまうこともあるかもしれません。

また、日本人は、仕事のオン・オフをつける(プライベートは仕事と切り離される)ことが多く、休日にまで会社の人と付き合うのを拒む人もいますが、外国人材は異国にいるということもあり、他者(一緒に働く同僚)とのつながりを求めていることも少なくありません。

そんな外国人のためにも、業務以外で同僚と楽しめる場、コミュニケーションをとる場は必要になるでしょう。 楽しんだり、共通の話題ができる・共感できる空間があることで、外国人材も社内で安心して仕事ができます。会社の居心地がよくなることで、退職を防ぐことも可能になるのです。

まとめ

ここまで見てきた、急な退職を防ぐためのポイントをまとめてみましょう。

1.本人の「仕事」に対する価値観や希望を丁寧に聞き取る

報酬はもちろん、外国人人材が大切にしていることや考えを、きちんと理解できるまで聞き取ることで、会社と人材のギャップを少なくしましょう。

2.国の考えや価値観、習慣を理解しようとする、寄り添う姿勢をもつ

外国人人材に日本のルールや習慣に慣れてもらうだけではなく、会社としても、外国人人材の意見を聞き、取り入れられることは取り入れ、双方が歩み寄る関係を築きましょう。

3.業務以外で同僚と楽しめる場を持ち、コミュニケーションをとる

孤独になりがちな外国人人材が、楽しめたり、何でも話せるような空間を作っていくことで、居心地を良くしましょう。

 

外国人人材の急な退職は、受け入れの際の心構えや、普段のちょっとした予兆に気づくことで、防ぐことができます。大切に育てた人材が長く企業で活躍できるよう、ぜひご参考になさってください。

 

 


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