当てはまったら要注意?外国人人材の退職・離籍の予兆とは

 

 

■今回のお悩み

 

さっきまで普通に働いていた外国人従業員が、急に「明日、この会社を辞めます!」と言ってきたんです。まったく予想していなかったので、周囲もみんな驚いてしまって…。辞めたいと思っていることが事前に分かっていれば、対処のしようもあったと思うのですが…。

 

せっかく採用し、大切に育成してきた外国人人材から、突然「明日、この会社を辞めます!」と宣言されたら、それまで一緒に働いていた同僚はショックを隠し切れないでしょう。

そのような大きな事態に発展する前に、外国人人材に何かいつもと違う兆候はあったのでしょうか。 突然の「辞める」宣言を防ぐためにも、「退職・離籍を考えている!?」と思われる外国人人材の予兆を見ていきましょう。

■退職・離籍を考えているときに見られる予兆

外国人人材が退職・離籍を考えているときには、どのような言動が見られるのでしょうか。そして、何に注意をしなければならないのでしょうか。

実際に見られた行動・予兆と、それらが見られたときの注意点や対処法について見ていきましょう。

予兆①スマホの使用頻度が増える

◎休憩時間や就業後、スマホで誰かと連絡を取っている様子が頻繁に見られるようになる

メディアが発達した時代なので、スマホを手にしているのは当然なのですが、ちょっとおもしろい動画を見る、ちょっと友達とチャットするといったスマホの使い方ではなくなってきます。 同僚から離れた場所に行き誰かと長い時間連絡を取っていたり、話しかけてもメールを打つ手を止めず、真剣さがあり、話しかけづらいような雰囲気を醸し出したりしていることが多々見られる場合もあります。

 

これは、友人など自分のつながっているネットワークから、よりよい待遇や環境の会社情報を聞き出し、連絡を取り始めていることが考えられます。転職や離籍ではなくても、アルバイトのような兼業している会社とのやり取りであったり、あまりよろしくない「闇」のつながりがあることも…。スマホの使い方が以前と変わってきた場合、注意して様子を見る必要がありそうです。

 

予兆②業務を淡々とこなすだけになる

◎自分の評価や待遇について主張しなくなり、 与えられた業務のみを淡々とこなすだけになる

入社当時は業務を覚えようと必死で、一生懸命勉強したり、自分の専門を活かそうと工夫したり、また時には上の方に提案もする外国人人材もいるかもしれません。そのような外国人人材であっても、慣れてくると一生懸命さは若干薄れていきます。
しかし、退職まで考えている場合には「自分はこれができる!やりたい!」「こうしたらもっとよくなる!」そんな気持ちまでもが薄れ、同僚と業務について積極的に話し合うこともせず、淡々と必要最低限の業務だけで終わらせるようになる。さらには、社内での自分の評価さえもどうでもよくなってきてしまう投げやりな態度が出てくることさえあります。

 

仕事にやりがいを感じていたり、もっと頑張ろうと思っていたりする人は、業務の中でより良い方法を考えたり、活力があります。言われた業務をこなすだけでOKと思っているような態度や、仕事に「あきらめ」たような様子が見られた場合、業務や仕事に不満を抱いており、現状に満足できていないのは明らかです。業務態度だけでなく、業務中の言動も意識して見たほうがよさそうです

 

予兆③態度がよそよそしくなる

◎自分からも積極的に周囲とコミュニケーションをとっていた外国人材が、急によそよそしい態度になったり、あまり話さなくなってくる

これまでは、会社の同僚として良い人間関係を築こうと、他愛のない会話も楽しくしていた(してくれた)のに、いつの間にか、仕事中も無口で業務内容以外のおしゃべりはしなくなります。こちらから話しかければ何らかの答えは返ってくるのですが、答えのみで会話が全く膨らまなくなってきたら注意が必要です。

 

この会社での業務や人間関係に終わりが見えているので、特に好意がない人には敢えて良い人間関係を築こうとはしませんし、自分が会社を去ってしまうのに仲良くしてもらうことに対して後ろめたさを感じていることもあります。普段からよく外国人人材とコミュニケーションをとっている方でしたら、この会話の変化が一番気づきやすいかもしれません。

 

予兆④欠勤・有休が増える

◎会社を休むことが増える(少しのことで欠勤するようになる、有休をどんどん使うようになる)

ちょっと体調を崩したから…、体調がよくなるまで1週間の休暇を…、と休みがちになります。大切に残しておいた有休も、短い期間で何度も使うようになります。この会社を退職すると決めたら、人間関係も業務も頑張る必要がなくなるので、小言を言われても気にならない、残っている有休もせっかくなら使ってしまいたい。何なら働いて給料をもらうよりも仕事をしたくない、という気持ちが強くなり、休みが増えてきます。

 

欠勤や有給休暇が急に増えたな、と感じたら、転職のための準備や面接活動などを行っている可能性があります。
また小さなメンタルの不調から休みがちになり、最終的に退職に至ってしまう場合もあるので、本当に身体的な理由だけの体調不良なのか、精神的な体調不良も含まれていないのか、休む理由とともに、本人の心身の様子も併せて把握しておいた方が良いでしょう。

 

■予兆が見られたときの対処方法(まとめ)

ここまで見てきたような予兆が見られた時に、周囲はどのような対応をしたら良いのでしょうか。

「もしかしたら、外国人材が辞めてしまうかも…」と感じたら、

①まずはコミュニケーションをとる

既にいくつかの予兆が見られた場合、話を聞いたところで既に意志は固く、退職を思いとどめることはできないかもしれません。
しかし、話を聞いてもらうことで、思いつめていた気持ちが楽になり、リセットできることもあります。退職の理由が大きなものでなければ、話すことで気持ちを変えることもできるかもしれません。
一度ゆっくり本音で話せる機会を作ることができると良いでしょう。

②上司や人事などに相談する

何かいつもと様子が違うと感じたら、周りにいる上司や相談できる人事の方に話しましょう。周りの人と外国人人材の状況を共有しておくことで、様々な視点からの気づきや解決策が出てくるかもしれません。また自分だけでは説得できなくても、外国人人材が心を開いている人には打ち明けて説得できるかもしれません。

③外部の関係者と連携する

外部の日本語講師に研修を依頼している場合など、外国人人材が社外の人と接する機会がある場合には、同僚や上司に言えない悩みやちょっとした愚痴でも、社外の人には打ち明けていることがあります。本人のプライバシーに配慮しつつ、こうした外部の関係者と連携しながら外国人人材を見守ることで、外国人人材が不満を溜め込む前に対処するきっかけにつながります

外国人人材の周囲にいる人が気にかけたり、意識して話を聞いたりすることで、最悪の事態から逃れられることもあります。それぞれ助け合い、支えあいながら、外国人人材を守っていきましょう。

 


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